日別アーカイブ: 2013/02/02

「フランケン・ふらん」

フランケン・ふらん 8 (チャンピオンREDコミックス)(Amazon)

超オススメコミック。木々津克久(きぎつかつひさ)著、チャンピオンRED連載終了、最終巻。何度か取り上げてきましたが、これで終わり。悲しい。

天才医学者にしてマッドサイエンティストである斑木ふらんの診療録。最終巻の見どころは……事故で体の中心から左右に真っ二つになってしまったふらん。右半身と左半身に分けて自分を手術し、脳の回復を待って再び結合することにした(もうすでにこの作品を知らない人には意味不明だが、それができるのが人造人間たるふらんの能力)。順調に回復を見たものの、左脳のふらんと右脳のふらん、脳の働きによって性格の異なる二人のふらんの意見が対立。ついにはふらん(右)が研究所を飛び出してしまう……。といったお話など。

奇抜なストーリーと手術描写(≒グロ描写)でコアな人気を博した作品でした。グロ描写に耐性があればぜひ読んでいただきたい快作。ドラマCD化はされましたがアニメ化とか(描写上かつ倫理上)絶対無理、そこが悲しくはある。あと、マイナー作品ゆえに店頭在庫がない。この作品が書架にあるかないかで、その書店のコミックスに関する知識とこだわりが分かると言っても過言ではない。

全巻通して一番印象に残ったのは、2巻のエピソード「MULTIPLIES2」。ふらんの手術により、週に一度、細胞分裂で二人に増えてしまう体となった泉屋洋華。意図せぬ泉屋洋華の増殖に対し、ふらんは片っ端から処分(殺害)することで対応しようとするが間に合わない。このまま1人が2人、2人が4人、4人が8人と増え続けてしまうと、40週を過ぎたあたりで1兆人を越え、地球は泉屋洋華の底に沈んでしまう。ふらん「人一人の命は地球より重いって…じっさいそうなんですよ~ 泉屋洋華は地球には荷が重い」。という、皮肉的なエピソードが好き。ケレン味ありすぎです。どこに行った人権。

終わらせるにはもったいない作品ではありますが、まあ、あまり長く続けて内容が軽くなるのもよろしくないので潮時か? 木々津克久先生の次回作にものすごく期待してます。

試し読みはこちら。短い。〆

※この記事は2012/02/27に「Psychelia.com」に掲載したものです。