月別アーカイブ: 2013年5月

「ミミック」

ミミック (マジキューコミックス)(Amazon)

オススメコミック。山田いぶき著、「amaro」および「マジキューコミックスWeb」連載終了。

クラスで噂の深窓の令嬢・姫小松にしき。入学式に毛皮のコートで現れ話題をさらうと、自家用クルーザーを持っているとか、使用するものはすべてお抱え職人の特注品だとか、さまざまな噂が飛び交うも、真相は謎。ある日、たまたま帰りが一緒になったクラスメイト・万(よろず)星彦が、彼女の後をつけていくと、そこには猪と戦う姫小松の姿があった……。

もう、表紙のまんまです。見た目は可憐な女の子ですが、学校帰りに巨大な猪をボウガンで仕留め、その肉を担いで洞窟(家)へ持って帰り調理。「山賊ダイアリー」にも通ずるところがある、獣狩り漫画です。その他、野草の調理などサバイバリティあふれる一冊。

ヒロインの可愛さと戦闘力(サバイバル力)のギャップ萌えが魅力。偽装バイオリンケースの中にFN
P90
ボウガンとナイフ(銃刀法違反)を仕込むセンスが素晴らしい。お嬢様ではないですが、山生活で世間ずれしているために、一般生徒との会話にさまざまな齟齬が生まれて笑いになっています。調理実習のための鳥肉をかってくるエピソードでは、その世間ずれが最高潮に達します。アホだ。

惜しむらくは、1巻完結のために、キャラクターの掘り下げが追いつかなかったこと。結局何でサバイバル生活をしているのか不明。描ききるためには連載期間がちょっと短かったか。連載誌に恵まれなかったこともあり、もう少し安定した雑誌だったらと悔やまれる。できれば、このまま続きを描いて欲しいところです。試し読みはこちら

「千年万年りんごの子」

千年万年りんごの子(1): 1 (KCx(ITAN))(Amazon)

オススメコミック。田中相(たなかあい)著、コミックITAN連載中。

まだ田舎の風習や言い伝えの残る、昭和後期の話。赤ん坊の頃、親に捨てられてお寺の養子となった青年・雪之丞。大学卒業後、青森のりんご農家の娘・朝日との縁談がまとまり、婿養子となって、夫婦でりんごを栽培することになった。戸惑いながらも田舎の暮らしに順応していく雪之丞だったが、ある日手に入れた不思議なりんごを朝日に食べさせたために、夫婦を引き裂く不可思議な事件に巻き込まれていく。

落ち着いた感じの夫と、明るく朗らか元気嫁のりんご栽培記…と思いきや、思わぬファンタジーが始まる作品。口にしてしまったのは村の禁忌、決して取ってはいけないりんご。しだいに朝日の身体に影響を与えていきます。雪之丞はそうはさせじと対策を講じていきますが、りんごの力には及ばず……。

時間制限があるため、それまでに雪之丞が何とかすることができるのか、引き裂かれていく夫婦愛を取り戻すことができるのかが見所。試し読みはこちら〆。

「思春期のアイアンメイデン」

思春期のアイアンメイデン(1) (ヤングガンガンコミックスSUPER)(Amazon)

オススメコミック。「この彼女はフィクションです。」の渡辺静(わたなべしずむ)著、ヤングガンガン連載中。

真山春来(まやまはるき)と姫宮月子(ひめみやつきこ)、共に中学二年生。幼なじみの二人だったが、小学生の時、女子が特別な授業を受けた日から、互いの性別を意識して疎遠になっていく。だんだん大人になっていく月子に対し、変わらずガキのままの春来は、嫉妬すると同時に疑念を抱いていた。どうやら月子が変わった原因は、女子だけに訪れる「あの日」のせいだという。「あの日」とはいったい……。

そして衝撃の真実を目撃してしまう春来であった、という話ですが。衝撃過ぎて一瞬思考が追いつきません。まさか、そんなことになっているとは。わかんねーよ、絶対。今どきの女子は凄いのです。

以後は秘密を共有する二人と、周囲の人間を巻き込んでのドタバタコメディとなります。ファンタジックかつミステリアスな要素を含んでおり、続きが気になる作品。期待してます。

試し読みはこちら。〆

※この記事は2013/05/18に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「ディアボロのスープ」

ディアボロのスープ(1) (講談社コミックス) (Amazon)

オススメコミック。岡崎純平著、別冊少年マガジン連載中。

“人民よ魔女を称えよ、さすれば魔女は人民を満たさん”。魔女たちが統治するエダークス王国は、魔女が国民を守り、魔女は国民たちから称えられる魔女の王国。農耕に向かず収穫の少ない土地で、魔女だけが作れ栄養の底上げを行う「魔女のスープ」により人々は生きながらえていた。そこに侵攻してくる軍国、近代兵器を持つ科学の国・スペルビア帝国により、王国は危機に瀕していた。村人たちの犠牲により、帝国の攻撃からからくも生き延びた下級魔女・ほおりは、帝国への反撃を誓い、謎の男テンマや他の魔女らと共に反抗を開始する。

魔女の武器は大小さまざまな召喚獣、ただし魔女本体は生身の人間と同じで、戦闘には向いていません。帝国軍に包囲されればあっさり倒されて終わり。元々軍隊を持たない国なので、このまま侵略されたら負けるのは目に見えているため、軍師ともいえる謎の男テンマの力を借りての反撃戦。でも魔女は非力で戦闘経験不足、テンマは魔女を戦いの道具としてしか見ていない、という問題あり。はたして王国は侵略の危機を脱することができるのか。

決して画がうまいとも漫画がうまいとも言えないですが、話の続きが気になる作品。今はただの烏合の衆が立派なチームに成長し、帝国にひと泡吹かせることができるのか、テンマとは何者なのか、ほおりは村人の想いに応えることができるのか、作者は漫画がうまくなるのか。試し読みはこちら

※この記事は2013/04/20に「Psychelia.com」に掲載したものです。