月別アーカイブ: 2016年9月

「グレンデル」



グレンデル 1 (ゼノンコミックス)

おすすめコミック。オイカワマコ著、月刊コミックゼノン連載中。

護るべき王女を見捨てて逃げた女剣士・カメリア。牢に入れられ裁きを待つ身であったが、一つの依頼を果たすことで刑を免除すると告げられる。その依頼とは、伝説の竜の子ども・グレンデルをとある国へ送り届けること。敵を斬るたびに痛みを感じてしまうというカメリアは、泣きながら敵を蹴散らしていく。グレンデルを狙う刺客たちを退け、無事に送り届けることができるのか。

大泣きしながら剣を振りまくるカメリアが見どころの作品ではありますが、その割にガンガン斬り倒していくので、正直最初はそれがどうした程度の設定で、あんまり引っかからないフックではあります。が、2巻の終わりでカメリアとグレンデルの関係性に大きな変化が訪れ、非常に重要な前振りだったことに気が付きます。

同行する竜・グレンデルにも隠された能力があり、物語が進み、この世界における竜の在り方が次第にわかってくると、非常に厄介な同行人であることが判明します。本人も自身のことを知っていくにつれ、恐怖を感じるようになりながらも、成長していきます。

カメリアとグレンデルの旅路には、行く手を阻むものもあれば、味方をするものもあり。人間と竜ということなる種族の友情を育みながら、約束の地を目指します。そこには不幸が待っているとは知らずに……。

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「レストー夫人」



レストー夫人 (ヤングジャンプコミックス)

おすすめコミック。三島芳治著、週刊ヤングジャンプ増刊「アオハル」連載完結。全1巻。

この学校では、、毎年二年生が「レストー夫人」という演劇をする。
7つのクラスで同じ劇を違う台本にし、7種類の「レストー夫人」を上映する。
何かの実験なのかもしれない。

こんな書き出しで始まるお話です。

とあるクラスの「レストー夫人」の始まりから終わりまでを、複数の登場人物の視線で追っていきます。中心となるのは、ヒロイン・レストー夫人役の志野。彼女は、普段から、貴族のようなお上品なしゃべり方をしている不思議な子。ルックスがよいこともあって、すぐにヒロインに決まったが、何やら不安を抱えている様子。

劇の記録係であるスズキは、そんな志野の一挙手一投足を記録していました。授業中に記録しているところを先生に見つかってしまい、記録帳を取り上げられてしまうのですが、そのとき志野が意外な行動を起こします。

デルフィーヌ役の川名、アキノリとユーフラシー役の井上と鈴森、衣装係の石上、それぞれの役割、それぞれの小さいような大きいような悩みと向かい合いながら、徐々に劇が完成へと近づいていきます。

一つ一つが印象に残り、独自性も高い秀逸な群集劇です。また、どれもが優しい物語のため、読んだ後に心落ち着きます。さっと短時間で良作を読みたいときにオススメ。

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「かげきしょうじょ!」と「かげきしょうじょ!!」



かげきしょうじょ! 1 (ヤングジャンプコミックス)



かげきしょうじょ!! 1 (花とゆめCOMICS)

おすすめコミック。「花宵道中」の斉木久美子著、メロディ連載中。

由緒正しき歴史を持ち、美しく聡明な女子しか入学できない紅華歌劇音楽学校。卒業すると、女子だけのミュージカル劇団「紅華歌劇団」へ入団できるという、いわば養成学校である。元国民的アイドルJPX48のメンバー・奈良田愛は、とある不祥事でJPXをクビとなり、新天地を求めてやってきた。美少女だけどクールで無表情、他人に無関心な愛だったが、同じ紅華の同級生・渡辺さらさの天真爛漫さに影響され、心揺さぶられる。仲良くなりたいとは思わないが、どうしても気になってしまう愛。一方のさらさは、明るく前向きだが、無神経な発言で愛をいらだたせる。果たして二人に友情が生まれることはあるのか……? そして憧れの歌劇団へ入団できるのか?

「かげきしょうじょ!」はヤングジャンプで連載されていた入学前後の話、連載誌をメロディに移して連載再開し「かげきしょうじょ!!」(!が二つ)はその続編となります。この絵柄でなんでヤングジャンプで連載していたのかという謎の作品。一応ジャンルとしては少女漫画ではありますが、男性でも違和感なく読めます。

舞台となる紅華歌劇団音楽学校は、宝塚音楽学校をモデルとしています。生徒たちは、憧れのオスカルやアントワネットを演じるスターになるために、厳しいカリキュラムをこなしながら、友人でありライバルである仲間たちと切磋琢磨していきます。

主人公の奈良田愛と渡辺さらさの二人は、その中でも突出した存在として、ストーリーの中心人物となります。クールで不愛想なお姫様の愛と、怖いもの知らずで長身長(178cm、でかい)の男役さらさのコンビ。性格のまったく違う二人の凸凹友情ストーリーとなっています。

また、紅華歌劇団の対比として、歌舞伎も重要なファクターとなっています。女しかいない紅華歌劇団、男しかいない歌舞伎の世界。これ以上の対比があるでしょうか。ここに気付いた作者はすごいなと感心しました。ちなみに、歌舞伎に影響を受けたさらさは、誰にもまねできないスキルを身に着けていたりします。

ヒロイン二人以外も、魅力的な女の子が多い作品です。夢を目指して奮闘する歌劇学校の生徒たちは、今日も厳しいレッスンに挑んでいるのです。まだ活躍の機会はないですが、個人的に沢田千夏と千秋の双子に期待してます。何か一芸持ってそう。

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「なのは洋菓子店のいい仕事」



なのは洋菓子店のいい仕事 1 (少年サンデーコミックス)

おすすめコミック。「神のみぞ知るセカイ」の若木民喜著、週刊少年サンデー連載中。

丘の上のケーキ店「なのは洋菓子店」。気まぐれな天才パティシエの長男・大夢(タイム)、店をやりくりする次男の正路(せいじ)、末っ子のぱせりの3人が経営中。ただし、お店は経営不振。その理由は……パティシエがケーキを作ってくれないから? 丘の下の和菓子屋「しらかわ」とはライバル関係にあり、しらかわの美人姉妹・ほの香とかの香ともライバル関係。正路は今日もかの香に憎まれ口をたたかれるが、本当は嫌いじゃなくて……。

煙草を吸い、やる気はないけど天才パティシエ。というとんでもないキャラの大夢。ただし、これにはやんごとなき理由があり、物語が進むにつれ、その理由に登場人物たちは振り回されていきます。

店にやってくる個性的な客人のために、さまざまな洋菓子を作ります。グルメ漫画(?)らしく、ストーリーに合わせた洋菓子がたくさん登場しますが、大夢の作るケーキはどれもおいしそうで、たまにはケーキも食べてみたいと思わせるほど。

ラブコメ要素も色濃く、幼馴染でありライバルであるかの香を中心に、さまざまなタイプの女の子が登場します。この辺りは、「神のみ」で培ったキャラクターメイキングが活かされていると思われ、テンプレから少しプラスアルファしたような個性的なキャラが多く新鮮なのが特徴です。

ケーキに恋に。甘いストーリーに癒されます。そして甘いものを食べたくなる作品です。

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