月別アーカイブ: 2018年1月

「ブランクアーカイヴズ」



ブランクアーカイヴズ(1) (アフタヌーンKC)

おすすめコミック。交田稜著、good!アフタヌーン連載中。

認知拡張症候群。その病気の患者は、対象の脳にアクセスし、幻覚を見せたり思考を読んだりできる。この病気についての相談所「社会福祉法人アーカイヴス」に、一人の少女が訪れる。らいかと名乗るその少女は、自分が誰にも視認できなくなってしまう症状が発症していた。アーカイヴスの調査員であり、人の心を読める症状を持つ吉野ひばりは、らいかを助けることを約束するが……。

「症状」によって、特殊な力を実現する「認知拡張症候群(ACS)」。人によって症状が異なり、本人も気づいてないこともあるという。その病気を発症した患者の調査、支援を行うのが主人公らのお仕事。

心を読んだり、透明になったり、危機感値ができたり、一般的には「特殊能力」と呼びたいところですが、作中では「症状」である、とされ、あくまで症状に悩む病気の患者を救うという形になっています。

相手の脳に信号を送って幻覚を見せる点など、カオスヘッドのギガロマニアックスやカオスチャイルド症候群を彷彿させますが、非常に限定的な能力で万能ではないこと、当人たちが認識できていないこともあり、ちょっとだけ異なります。

他人に視認されなくなってしまったヒロイン・らいかですが、悲観的になりすぎることはなく、その能力をいかんなく発揮した活躍(主に金属バットによるステルス襲撃)を見せます。鏡や、スマホのカメラなどの電子機器を介さなければ発見できず(そのため扉絵がガラス越しなのかと)、粗暴気味な性格も相まって、ほとんど無敵のアサシン状態。

一方、クールで理知的なひばりは、諸般の事情で子供嫌い。人の心を読めますが、触られると情報過多でショートしてしまうという弱点を持ち、らいかを使いこなすのに一苦労。数々の症状を持つ患者に対し、このでこぼこコンビで解決を目指すバディものとなっています。

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「魔女の家 エレンの日記」



魔女の家 エレンの日記 1 (ドラゴンコミックスエイジ か 1-4-1)

おすすめコミック。「かりん」「碧海のAiON」の影崎由那著、原作:ふみー。月刊ドラゴンエイジ連載中。

貧民区、路地裏の小さな家に暮らす少女・エレン。生まれつき病気で顔や足の皮膚はただれ、関節にも異常があり歩くのもままならない。母の介護を受け、ベッドの上でただ生きているだけの毎日だった。ある日、家の外で、黒猫の死骸を見つけ、哀れに思ったエレンは、家を飛び出し死骸を埋葬する。その日から、何かの歯車が狂い始め、彼女の世界は一変していく……。

謎解きADVゲーム「魔女の家」のスピンオフ作品。同名ゲームの前日譚を描いた小説のコミカライズ版です。ゲームでは主人公はヴィオラですが、この作品は敵役エレンが主人公となります。

愛と憎しみがたっぷりつまった物語です。醜い自分、思うように動かない体への憎しみと、それを誠心誠意介護してくれる母親への愛。しかし愛憎は裏返しのもの。母親の裏切りがエレンの憎しみに火をつけ、やがて魔女へと堕ちていくことに。

ひと悶着あった後、ようやく安息の地を手に入れたかと思いきや、「魔女の家」と言われたそこは、人間の命を欲する怖ろしい場所でした。エレンは自分の願いをかなえるために、魔女として、残酷な活動を開始してしまいます。このまま活動を続け、願いをかなえることができるのか、それとも彼女を止めるものが現れるのか?

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「ゴブリンはもう十分に強い」



ゴブリンはもう十分に強い (1) (電撃コミックスNEXT)

おすすめコミック。サラマンダ著、コミック電撃だいおうじ連載中。

魔王に仕え、勇者と戦うゴブリン。普通のファンタジーなら雑魚キャラクターだが、偶然から勇者を殺りまくり、LV99(カンスト)になってしまった最強ゴブリンがいた。その名もホンワサビ。強すぎるゴブリンさんは、今日もどこかで勇者をやっつけるのだった。

いわゆる、魔物側から見たファンタジーもの。基本的に下っ端の種族、MP0で魔法が使えない、倒したら1経験値と2ゴールド、しかし最強のゴブリンさんは魔王様と五分の強さ、というわけ分からん設定が存分に生かされたファンタジーギャグ作品。ゴブリンさんの日常もの……と言っていいのだろうか。

勇者一行は死んでも何度も復活できるという世界観となっていて、ゴブリンさんがやってることは人殺しなのですが、ゴブリンさんが強すぎて勝てる気しない&明るい性格と相まって、罪悪感がまったくありません。魔物の敵である人間たちを、さくさく殺って、脅威を取り除きつつお金を稼ぐ、というのがゴブリンさんの日常。ゴブリンさんにとって、勇者はレベルが低くてもゴールドを稼げるサービスモブ扱いです。

数多く出現する勇者たちの中で、異世界から召喚された勇者アキだけは特別で、ゴブリンさんに倒されすぎて、すでに戦う意欲もないというダメっ娘。そんなアキを見かねたゴブリンさんは、彼女を元の世界に帰してやるため、何かと手を尽くしてやるのです(ただし、最後にはしっかり殺る)。

一見ヘタレに見える勇者アキは、実は潜在的に強力な力を秘めているらしく、その成長を楽しみに見守るゴブリンさん。まあ、それでも遭遇したら問答無用で殺っちまうのですが。ゴブリンだもの。

いつか最強のゴブリンさんが、成長したアキに倒される日が来るのかもしれない、そんな期待を持ちつつ、ゴブリンさんのスローライフを楽しみましょう。

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