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「空挺ドラゴンズ」



空挺ドラゴンズ(1) (アフタヌーンKC)

おすすめコミック。桑原太矩著。good!アフタヌーン連載中。

空を飛ぶ竜が存在する世界。捕鯨船ならぬ捕龍船クイン・ザザ号は、龍を捕獲し、解体し、売却することを生業としていた。さらにクルーたち、とりわけ「龍捕り(おろちとり)」の達人・ミカ(♂)は、捕った龍を食べるのを何よりの楽しみにしていた。今日はどんな龍が食えるのか。クイン・ザザ号は東へ西へと空を飛ぶ。

主に新人クルー・タキタ(♀)の目を通して、捕龍船の暮らしぶりを描きます。龍を探して飛び続け、見つけたら捕まえる、捕まえたら解体し、売れるものは売り、食べるところは食べる生活。

あらすじを読む限りや、初見では「ダンジョン飯」のドラゴン専門版かと思いきや、捕龍船の人間ドラマや龍との戦いを描いた独創性の高いファンタジーものでした。ひたすら食い気のために戦う者、居場所を探してこの場にたどり着いた者、憧れていた父と同じ職に就いた者など、様々な理由をもつクルーたちが集まっています。

彼らが捕る龍たちも、いわゆる一般的なファンタジーの龍とは異なり、多種多様な形状、生態系を持っているようです。クルーたちは、龍の特徴に合わせて戦略を立て、捕獲を試みます。しかし、中には彼らの想像を超える龍が現れ大苦戦したり……。

それでも食い気にはかなわない? 龍を食べてみたくなる快作。試し読みはこちら。〆

「人魚姫のごめんねごはん」



人魚姫のごめんねごはん 1 (ビッグコミックススペシャル)

おすすめコミック。原著:野田宏、イラスト:「盤上のポラリス」の若松卓宏、やわらかスピリッツ連載中。

お魚たちの王国に暮らす人魚姫・エラ。ある日、友達の鰹男(かつお)が人間たちに釣られてしまったことを知る。冷酷で野蛮な人間は恐ろしいが、鰹男の供養のために、地上の魚料理屋へ行くことを決意したエラ。そこで彼女が見たのは、鰹のたたきにされてしまった鰹男だった。手を合わせ供養するエラだったが、客の一言で、禁断の行為に手を出してしまう……。

居合わせた客の(食わずに帰るなら)「釣られたカツオも成仏できねぇな」の一言で、カツオのたたきを食すことになったエラ姫は、そのお味に感動してしまうのでした。

お友達を食べちゃったという、その行為に強い背徳感を抱きながらも、美味を忘れることができないエラ姫は、第二、第三の被害者(魚)も供養のためと地上へ向かい、そしてそのお味を堪能してしまいます。決して食すまい、という誓いも美味の前では無意味。「ごめんね、〇〇、いいお味です」が決め言葉。

自分は人魚姫失格だ、という苦しみを抱きながらも、魚を食べるのはおいしい、という欲望に抗えない姫の、共喰いグルメコメディです。エラ姫がダメよダメよと言いながらも、自分の欲望に忠実なところが可愛くもあり、恐ろしくもある怪作。冷静に考えると、かなりサイコティックなエラ姫ですが、この人単なるあんぽんたんじゃなかろうか、と気づくと急に愛しくなる不思議。

試し読みはこちら〆。

「なのは洋菓子店のいい仕事」



なのは洋菓子店のいい仕事 1 (少年サンデーコミックス)

おすすめコミック。「神のみぞ知るセカイ」の若木民喜著、週刊少年サンデー連載中。

丘の上のケーキ店「なのは洋菓子店」。気まぐれな天才パティシエの長男・大夢(タイム)、店をやりくりする次男の正路(せいじ)、末っ子のぱせりの3人が経営中。ただし、お店は経営不振。その理由は……パティシエがケーキを作ってくれないから? 丘の下の和菓子屋「しらかわ」とはライバル関係にあり、しらかわの美人姉妹・ほの香とかの香ともライバル関係。正路は今日もかの香に憎まれ口をたたかれるが、本当は嫌いじゃなくて……。

煙草を吸い、やる気はないけど天才パティシエ。というとんでもないキャラの大夢。ただし、これにはやんごとなき理由があり、物語が進むにつれ、その理由に登場人物たちは振り回されていきます。

店にやってくる個性的な客人のために、さまざまな洋菓子を作ります。グルメ漫画(?)らしく、ストーリーに合わせた洋菓子がたくさん登場しますが、大夢の作るケーキはどれもおいしそうで、たまにはケーキも食べてみたいと思わせるほど。

ラブコメ要素も色濃く、幼馴染でありライバルであるかの香を中心に、さまざまなタイプの女の子が登場します。この辺りは、「神のみ」で培ったキャラクターメイキングが活かされていると思われ、テンプレから少しプラスアルファしたような個性的なキャラが多く新鮮なのが特徴です。

ケーキに恋に。甘いストーリーに癒されます。そして甘いものを食べたくなる作品です。

試し読みはこちら。〆