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「世界制服」&「聖モエスの方舟」

     

世界制服 1 (サンデーGXコミックス)(Amazon)
聖モエスの方舟 1 (サンデーGXコミックス)(Amazon)

オススメコミック。「センチメントの季節」など文字通りセンチメンタルな作風を得意とする榎本ナリコ著、サンデーGX(ジェネックス)連載終了と連載中。

「世界制服」は”世界””制服”と”SF”をテーマにしたオムニバスギャグ作品。いわゆるセカイ系作品で、主人公の行動いかんで世界がどうにかなってしまうというお話がメイン。ニートの超能力少年、現実世界にアップロードされたバーチャル美少女、地球侵略しに来たはずの異星人など、奇想天外な主人公たちが登場。

その中の一節にあるのが「聖モエスの方舟学園」で、宇宙戦艦の士官学校で戦う少女たち…をテーマにしたフィギュアシリーズのフィギュア達のお話。短編ではありますが、作者曰く「うっかりぐるぐる考えていたら、ものすごく世界観が広がってしまった」(あとがきより)とのことで、スピンオフ作品として連載が開始されました。それが「聖モエスの方舟」。

男子が希少となってしまった未来の地球。モエナ・ジェラシードは、聖モエス学園が共学であるのにつられ入学するが、入学式の日に学園は宇宙船へと形を変え宇宙に飛び立つ。実は学園は謎の敵と戦う宇宙戦艦で、人類を救うための能力を持った少年少女たちを育成する士官学校であった。戸惑うモエナと仲間たちに対し、宇宙の向こうから大エネルギー弾・星弾(エトワーレイ)が降り注ぐ……。

「世界制服」はサブカルネタを多分に織り交ぜたギャグ漫画。それまでの作者の作風とはまったく異なる作品で、新境地というか暴走ぶりが素晴らしい。怪作が多く楽しめます。試し読みはこちら

「聖モエスの方舟」は設定先行で描かれているようで、左の第一巻表紙はモエナの変身した戦闘服姿(本人に資質があれば身につけている宝石で自由に変身できる)なのですが、……2巻が終わってもいまだ変身してません。重厚なSF大作のように、世界観設定や前フリを押さえつつじっくり話が進んでいきます。漫画的にはこんなゆっくりペースで大丈夫かと心配する反面、いよいよ変身となったらどんな力を発揮するのか楽しみでもあります。

尻つぼみにならず、10巻以上長く続けば名作になるかも。期待を持って推薦〆

※この記事は2011/07/11に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「マンけん。」

マンけん。1 (サンデーGXコミックス)(Amazon)

オススメコミック。加瀬大輝著、サンデーGX(ジェネックス)連載中。

容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群でクラスメイトからの人気も高い女子高生・日笠倖(ひがささち)。実は親にも友達にも内緒でマンガを描いており、プロデビューも控えた逸材だった。そんな彼女の隣の席には、いつも下手くそなマンガを描き続け、極度のオタクと発言から”デンパちゃん”と名付けられた少女・豊崎アリスがいた。倖はアリスを毛嫌いしていたが、とある事件をきっかけにちょっとだけ親しくなり、彼女の所属する漫画研究会に入会してしまうのであった。

題名通りのマン研のお話。仲良しこよしの部活系マンガと思いきや、意外にも熱血を売りにした漫画でびっくりすることでしょう。それもこれも、主人公・日笠倖の魅力がなせる技。何でもできるキャラクターは、器用貧乏で逆に魅力薄になりがちですが、「漫画家」という確たるものがあるおかげでブレません。漫画バカですコイツは。

編集者に期待されデビューを待たれながらも、自分の実力不足を真摯に受け止め慢心せず、漫画以外のジャンルでも才能あるものを素直に認め嫉妬し、弱きものを助ける正義の心。ライバルには絶対負けたくない! という熱い魂。非常に好感度の高いヒロインです。

さらに、主人公を師と仰ぐことになる豊崎アリスの成長も楽しみで、最初は落書き同然の素人漫画ながら、師匠に教えを乞い、徐々に実力がついていくところが見所です。ヒロインとの対比もあり、この未熟なキャラクターも魅力十分。

ストーリーはまだまだ駆け出しですが、今後の展開が楽しみな作品。ちなみに登場キャラクターの名前が、日笠、豊崎、竹達……どこかで聞いたことあるような、ないような。〆

※この記事は2012/04/23に「Psychelia.com」に掲載したものです。