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「会いにいくよ」


会いにいくよ (少年マガジンコミックス)

オススメコミック。原作のぶみ、「はじめの一歩」の森川ジョージ著、週刊少年マガジン連載終了、完結。

元暴走族の異色絵本作家・のぶみの体験記をマンガ化。2011年3月11日東日本大震災。東京で被災したのぶみは、被災者の子供たちを少しでも励まそうと、協力者たちから4000冊もの絵本を集め、被災地に贈る。しかし、のぶみの元には、被災者のことを考えていない、無神経で自分勝手、偽善であると非難が集中する。そんなつもりではない! このままじゃいけないと、思い立ったのぶみは被災地にボランティアに駆けつけるが……。

偽善と言われても、がんばって被災者の役に立つんだ、という内容の本です。一方で、一人の人間ではどうしようもない、現実の壁にぶち当たり、苦悩し続ける主人公が強く印象に残ります。

当時が誰もが感じた、何かしなきゃならないけど、何をすれば良いのか良く分からない。援助物資を送りたいけれど、交通事情などでままならない。ボランティアでさえ足手まとい。そういった状況と、感情がよく表現されている作品だと思います。

ボランティアに出かけていき、被災者の役に立ってはいるのだけれど、片付けるべき瓦礫の量が膨大すぎて立ちすくむ主人公ら。決して観光に来たわけではないけれど、装備の甘さ、無計画性、手作業による非効率性など、自己満足と言われても否定できない状況が、ますますみじめにさせていきます。

それでもなお、できることを一つ一つこなしていき、子供たちの笑顔と出会う。ガレージに船が突き刺さった工場を掃除する、工場がいつ再開するとも知れず。決して大きなことではないけれど、自己満足かもしれないけれど、世の役に立つ仕事をこなし、家路につく。街の灯りを見て何を思うか。一人の絵本作家の5日間。そんな作品です。

試し読みはこちら。〆

追伸
迷いましたが、リンクしておきます。
3.11① 東日本大震災発生時のNHKの実況(Youtube)