タグ別アーカイブ: バトル

「終極エンゲージ」



終極エンゲージ 1 (ジャンプコミックス)

おすすめコミック。漫画:三輪ヨシユキ、原作:江藤俊司。少年ジャンプ+連載中。

地球が宇宙の中心になっている超未来。全宇宙を巻き込んだ格闘大会「地球女王決定戦」。各惑星の代表が、戦って戦って戦い抜いて、最も強い女性が、地球王の妃となり、宇宙の実権を握ることになる。ナヴィア星の代表・キーアは、偶然にも次期地球王ルス・ユガに出会い、恋に落ちる。ルスのために勝利を誓うキーアであったが、初戦から最強の戦士・ディアナと戦うことになってしまう。果たしてキーアは勝利し女王となることができるのか……。

という冒頭から始まりますが、諸般の事情により、話は未来に飛びます。いや、一話丸ごとってすごいわ。

ルスの息子、クリシュナ王子は、地球の王が名ばかりとなり、女王に支配されることを危惧していました。ならば自分で女王を育てようと、自分のクローン(♀)を作り出し、地球最強の花嫁にすることを思いついてしまいます。かくして生まれた究極の花嫁候補・カルキ。彼女を強くし、地球女王決定戦の勝利させようと修行を続けますが、思ってもいない事態が発生します。

自分のクローンでありながら、自分と異なる思想を持つ女の子を育成し、将来の妃にしようという、ぶっ飛んだお話。クローンの方は色々問題ありで、こいつを何とかして制御しなければ……という感じで旅が始まりますが、次第に問題なのは王子の方であることが判明します。王子に言われるがまま、各星の強敵を打倒し、女王になった先に待つ未来は、果たして地球にとってよい未来なのか、悩みながらカルキは成長していきます。

王子と王妃候補、全宇宙の未来を決める二人の旅は、宇宙の存亡をかけた大冒険となりそうです。

試し読みはこちら。〆

「あいどるスマッシュ!」



あいどるスマッシュ!(1) (サイコミ)

おすすめコミック。TNSK著、サイコミ連載中。

時はアイドル世紀末。文明は衰退し、アイドル同士の争いが絶えない世界。300年に一度開催される「アイドルスマッシュ」に勝利するため、今日もアイドルたちは戦い続ける。新人アイドル・つくねは、普段は地味な干物女。しかし、ファンの応援を得ると、飛び切りの美少女に変身。歌って踊って戦って、頂点を目指して邁進する。

曲を歌う=必殺技で攻撃する、というような感じで、アイドル同士で戦うバトルもの。メイドアイドル、不良アイドル、妹系アイドルなど、さまざまなアイドルがアイドルスマッシュを目指して競い合います。

世界観は「北斗の拳」のような世紀末となっており、荒くれもの=はぐれアイドルのような形で、そこかしこに存在する模様です。この辺り、近代劇にしなかったのは、先に何があるか分からない不安感をあおるために、一役買ってます。つくねの旅は、後戻りできない、荒野をさまよう危険な冒険なのです。

アイドルの戦いは、基本的に肉弾戦ですが、アイドルによっては、例えば常にバラを出し続けることができるなど、特殊な能力を持つ者もいるようです。はたしてアイドルと言っていいのやら戸惑いますが、基本的には歌って踊って可愛いので、まあOK。ヒロインつくねが一番シンプルで地味な感じもしますが、まだ底を見せていないこともあり、今後の成長と活躍に期待。

試し読みはこちら。〆

「ディアボロのスープ」

ディアボロのスープ(1) (講談社コミックス) (Amazon)

オススメコミック。岡崎純平著、別冊少年マガジン連載中。

“人民よ魔女を称えよ、さすれば魔女は人民を満たさん”。魔女たちが統治するエダークス王国は、魔女が国民を守り、魔女は国民たちから称えられる魔女の王国。農耕に向かず収穫の少ない土地で、魔女だけが作れ栄養の底上げを行う「魔女のスープ」により人々は生きながらえていた。そこに侵攻してくる軍国、近代兵器を持つ科学の国・スペルビア帝国により、王国は危機に瀕していた。村人たちの犠牲により、帝国の攻撃からからくも生き延びた下級魔女・ほおりは、帝国への反撃を誓い、謎の男テンマや他の魔女らと共に反抗を開始する。

魔女の武器は大小さまざまな召喚獣、ただし魔女本体は生身の人間と同じで、戦闘には向いていません。帝国軍に包囲されればあっさり倒されて終わり。元々軍隊を持たない国なので、このまま侵略されたら負けるのは目に見えているため、軍師ともいえる謎の男テンマの力を借りての反撃戦。でも魔女は非力で戦闘経験不足、テンマは魔女を戦いの道具としてしか見ていない、という問題あり。はたして王国は侵略の危機を脱することができるのか。

決して画がうまいとも漫画がうまいとも言えないですが、話の続きが気になる作品。今はただの烏合の衆が立派なチームに成長し、帝国にひと泡吹かせることができるのか、テンマとは何者なのか、ほおりは村人の想いに応えることができるのか、作者は漫画がうまくなるのか。試し読みはこちら

※この記事は2013/04/20に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「長歌行」

長歌行 1 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ) (Amazon)

オススメコミック。長歌行は”ちょうかこう”と読む。夏達(シャアタァ)著、ウルトラジャンプ連載中。

西暦626年、中国、唐の時代。次期皇帝となる父・李建成を叔父の李世民に殺された姫・李長歌(りちょうか)は、命からがら長安から脱出し、李世民への復讐を誓い挙兵のための行動を開始する。女ながら武芸に富み某術を学んだ秀才である彼女は、性別を偽り少年軍師として朔州の公孫恒の下へ潜り込むのだった。

永寧姫(えいねいき)こと李長歌の、復讐の物語です。とはいえ敵ははるか遠く、まずは足場固めをといったところ。その過程で、自ら策謀をめぐらし実戦を経験していくことで、少しずつ成長していきます。やがて復讐のための孤独な戦いは、国を、民を守る戦いへと姿を変え、魅力的な人物に出会い、自分を助けてくれる人々と共に歩み出します。

クールでドライな優等生タイプの永寧姫ですが、それゆえに利害を超えて信義やプライドのために戦う人々には強い関心を持つようで、劇中の登場人物に大きな影響を与えられます。また、自分が女であることには無関心で、パートナーのウイグル人女性・弥弥古麗(みみくり)には自覚して行動しろと怒られる始末。あることがきっかけで、今後はばれないようにしていくのも大変な模様。はたしてどうなるか。

試し読みはこちら。〆

※この記事は2013/04/01に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「石影妖漫画譚」

     

石影妖漫画譚 1 (ヤングジャンプコミックス)(Amazon)

オススメコミック。河合孝典著、週刊ヤングジャンプ連載終了、完結。

江戸時代、ボロ長屋の一角に住む烏山石影(からすやませきえい)は、妖怪を専門に描く変わり種の絵師。妖怪に異常な関心を持ち、妖怪の噂を聞きつけては危険を顧みることなく出向いてき、その姿を描くことに情熱を注ぐ偏執狂。彼の持つ妖筆「毛羽毛現(けうけげん)の筆」で描かれたモノは、具現化して妖怪と戦う能力を持ち、その力で身を守ることができるが、その能力ゆえにさまざまな事件に(自分から)巻き込まれることになる。

突出した人気はないだろうし、すでに完結した作品ですが、リンク先には試し読みやらWEBオリジナルアニメやらコンテンツは非常に充実しています。ずいぶん偏った人気があるのだろうか?

石影の元には、街の人々から妖怪に関するさまざまな事件が持ち込まれます。多くは危険な妖怪の仕業。彼は妖筆の力を借り、個性豊かな妖怪を召喚、妖怪たちと戦い事件を解決に導きます。筆を持てばべらぼうに強い彼ですが、一方で、妖怪に関係ないものには一切興味を示さず、収入なく食うことすら事欠く引きこもり絵師です。こんな大人になっちゃだめだ。

彼に味方をしてくれる妖怪もいます。その一人が妖筆を与えてくれた毛羽毛現(けうけげん)(←2巻表紙)。髪盛り過ぎちゃって、不思議な髪形になってますが、れっきとした妖怪です。時には彼女の助けを借り、強力な妖怪と対峙します。ちなみに歌舞伎俳優大好きのミーハー。

序盤は短編が主体ですが、中盤以降は巻をまたぐような中編、長編の多い作品です。ストーリーが良質、キャラクターも多彩で書き分けができているし、次回作も期待できる漫画家の1人だと思います。是非。〆

※この記事は2013/02/19に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「ベアゲルター」

ベアゲルター(1) (シリウスKC) (Amazon)

オススメコミック。「無限の住人」の沙村広明著、ネメシス連載中。

金のなる島「石婚島(いしくなぎじま)」で行われている謎の「取引」を巡って争う暴力団組織と、それぞれの思惑を持って集まった3人の女の物語。その3人とは、機械の右手を持つ隻眼の殺し屋・トレーネ、拳銃付きのヌンチャクの使い手・睫毛(ジエマオ)、件の島の出身の一般人・忍。復讐、仕事、成り行き、それぞれの事情を抱え、三つ巴の戦いが始まった。

「無限の住人」同様、個性が強すぎる奇想天外なキャラクターと、猛烈で残酷なアクションが魅力の作品です。普通の人が出てこない。

島で行われている「取引」の秘密を探るため、暴力団より派遣された忍のチームが追跡調査を行いますが、そこに現れる女殺し屋たちが暴れまわって「取引」を引っかき回します。はたして「取引」とは何なのか、誰がこの争いの勝者となるのかが見所です。

個人的に、全聾(耳がまったく聞こえない)のヤンデレ拷問屋ソリさんがおすすめです。言動が不安定すぎて、今後何しでかすかわかりません。

掲載誌が季刊誌なので、次の巻が出るのはいつのことやら。試し読みはこちら

※この記事は2013/03/11に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「スワロウテイル人工少女販売処」

スワロウテイル人工少女販売処 (ハヤカワ文庫JA)(Amazon)

ハヤカワ文庫JA、藤真千歳(とうまちとせ)著、人工妖精(フィギュア)と呼ばれる少女を主人公にしたSFです。ワンフェスにかけてみた。

種のアポトーシス(プログラムされた細胞死)という病気に感染してしまった者は、東京湾(関東湾)に浮かぶ人工島に隔離されていた。島では感染を防ぐために男性地区と女性地区に区分し、男女を別々に住まわせていた。

異性の代わりとして造られたのが人工妖精と呼ばれる人造人間たち。彼、彼女らは微細機械(マイクロマシン)によって構成されているが、人間と同じように脳や心臓があり、魂を持ち、容姿も年齢もさまざま。人間と異なるのは、肉体的に成長をしないこと、背中には羽を持ち、「人間に危害を加えてはならない」などの規則を破れないこと(ロボット3原則のようなもの)。

主人公の揚羽(あげは)は、人工妖精の中でも最も劣等な5等級に分類され、羽が黒く醜くて、学習能力が低いことから自称「バカ」。ただし、彼女には”死んだ妖精の心を読む”能力と、人工妖精でありながら原則に反して殺傷ができる、という特異な才能を持っていた。揚羽はその能力を活かし、暴走した人工妖精「傘持ち(アンブレラ)」による連続殺人事件の真相を追っていた。

あらすじ長くてすみません。どこで区切っても話が通じないぐらい設定が凝ってます。世界観だけでお腹いっぱい楽しめる。物語もバトルあり謎解きあり恋あり旅ありハードボイルドあり陰謀ありのSFロマンが盛沢山。オススメです。〆

※この記事は2010/07/26に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ[完全版]」

それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ[完全版]Ⅰ (朝日ノベルズ)(Amazon)

なつかしい。「それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ」は十年近く前の人気ライトノベルシリーズで、そこそこ人気ながらも完結せずに終わってしまった作品の(今度こそ)完結版。庄司卓著、イラストは赤石沢貴士。

今の購買層に合ったのか、それとも昔の若者達が買っているのか、そこそこ売れているらしい。

天才ゲーマー女子高生・山本洋子は、その腕を見込まれて未来の戦争に参加することになった。その戦争は様々な利権をかけて国の代表者同志が戦う代理戦争で、安全な脱出転送装置のためにパイロットは絶対に死傷することはない。スカウトされた洋子は特一級打撃戦艦(スーパーストライク)「TA-29 ヤマモトヨーコ」に搭乗し、仲間と共に戦う。

SFバトルにギャグ要素を取り入れた物語です。ロボットや戦闘機ではなく戦艦というのが特徴。火力が凄まじく、統一場粒子兵器ザッパーはその気になれば惑星一つ吹っ飛ばせる超威力。その割に敵チームと口げんかしながらドンパチやる陽気さが面白い。

なお、アニメ版(約10年前)の監督は「化物語」でおなじみ新房昭之氏でした(参考動画:TV版OP)。OVA版は面白かったけれど、TV版は不評だった気がする。まあ、昔の話です。〆

※この記事は2011/01/17に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「蒼き鋼のアルペジオ」

蒼き鋼のアルペジオ 2巻 (ヤングキングコミックス)(Amazon)

非常にオススメコミック。Ark performance著、ヤングキングアワーズ連載中。現在の最新巻は3巻。

2038年、突如として世界中に謎の艦隊群「霧の艦隊」が出現。超兵器を有する霧の艦隊に人類は太刀打ちできず、すべての海洋より駆逐される。それから17年後。霧の艦隊を裏切ったメンタルモデル・イオナを有する潜水艦「イ401」に乗り込んだ千早群像とクルー達は、霧の艦隊に戦いを挑む。

メンタルモデルとは、戦艦の人体化のこと。分かりやすく言うと擬人化。霧の艦隊はかつては無人の戦艦群でしたが、何らかの理由でメンタルモデルが生まれたらしい、という設定。ヒロインのイオナ、敵軍のヤマト、コンゴウ、キリシマ、ハルナと、左の画像2巻表紙のタカオなどが存在。大抵は甲板に立ってます。

海洋戦闘もので「沈黙の艦隊」等が好きな人はツボにはまるでしょう。敵艦のソナーに探知されることなく、いかにこちらの攻撃を当てるか。しかも相手にはクラインフィールドという強力なバリアがあり、そのバリアを無効化して攻撃を叩き込むための戦術、化かし合いが楽しめます。

個人的にお気に入りのキャラクターは左画像のタカオさん。主人公達との出会い頭に必殺の超重砲をぶっ放し(海が割れる)、追撃に18発→54分離の対潜ミサイルの雨を降らせる素敵な女性です。霧の艦隊のテクノロジーは人類を超越しているので、普通に戦ったら絶対に勝てる気がしない。戦艦なのに沈降するし。それを主人公らの知謀で覆すのが面白いわけ。〆

※この記事は201/04/18に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「月華美刃」

月華美刃 1 (ジャンプコミックス)(Amazon)

オススメコミック。”げっかびじん”と読む。「TISTA」の遠藤達哉著、ジャンプスクエア連載中。

月の国のお転婆皇女・竹之内カグヤは、勉強嫌いのわがまま放題で配下の者たちを困らせていた。成人の儀を迎えようとしていたある日、母の銀后・フジヤが病に倒れる。母の思いをくみ改心して皇女らしくしようとするカグヤだったが、成人の儀がテロリストに襲撃され、一人地球に逃れることになってしまった。月の民から囚人の星・穢星と呼ばれる地球で、カグヤの月へ帰るための戦いが始まる。

カグヤ姫を下敷きにしたアクションもの。ノリとしては「ワンピース」に近い。巫暈支(フツヌシ)と呼ばれる伝国の宝刀を使い、個性豊かな追手たちと戦って行く。時代的には平安時代ぐらいか? 地球に対して月の技術ははるかに進んでいて、宇宙船や衛星があるような世界観です。お供に医者がいたり永遠の命があるわけではない。

一人前の皇女になろうともがくカグヤの成長譚ですが、実力に対して強力すぎる巫暈支(フツヌシ)の力をどう制御し戦っていくかが見所。サブキャラクターたちも個性豊かでキャラが立ってます。下地はできているので、この後のストーリー展開に期待大。

試し読みはこちら。1巻の半分近く読めます。〆

※この記事は2011/05/22に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「COPPELION(コッペリオン)」

COPPELION(11) (ヤンマガKCスペシャル) (Amazon)

オススメコミック。井上智徳著、ヤングマガジン連載中。

COPPELION(コッペリオン)
1.遺伝子操作によって生まれた、放射能の抗体を持った子供。
2.その子供たちで組織された、陸上自衛隊第三師団特殊部隊の名称。放射能によって汚染された東京での人命救助を任務としている。(表紙裏より)

西暦2036年。20年前に発生したお台場原発のメルトダウンによって、東京は廃都と化していた。放射能に汚染された街で、いまだ助けを待つ人々のために、放射能耐性を持つ子供たち”COPPELION”が救出に向かった。

件の大震災の影響により、アニメ化が流れた作品。内容からすれば仕方がないことですが、アニメ化も納得の面白さ。放射能防護服を着てかろうじて生きている人々と、その横を防護服も着ない学生がかっ歩するというちょっとシュールな光景はインパクト大。

主人公たちが救出に向かった東京に残った人々とは、何らかの事情があって街から離れられないワケありの人達であり、救助に来ましたと伝えても、じゃあ助けてくれとは素直に言わない面々。彼らを説き伏せ救助のヘリに乗せ、時には妨害勢力との戦闘も辞さない。また、世間から見れば特異な存在である自分の存在意義への疑いと葛藤の日々。生かすために、生きるために自分たちのできることは何なのか。

特徴ある登場人物たちの中でも、コッペリオン掃除係の小津姉妹は特に目立つ。電撃を放つ姉・歌音(かのん)と怪力の妹・詩音のコンビの問答無用っぷりは読んでいて爽快。障害はかたっぱしから破壊する。主人公チーム(言い遅れましたが保健係の3人、荊(いばら)・葵・タエ子)を完全に食うほどの活躍で、今後も期待。

試し読みはこちら

※この記事は2011/08/08に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「血潜り林檎と金魚鉢男」

血潜り林檎と金魚鉢男 1 (電撃ジャパンコミックス ア 1-1)(Amazon)

オススメコミック。「バニラスパイダー」の阿部洋一著、電子コミック誌・電撃コミックジャパン連載中。

「雨上がり」の「水場」で「出血」すると出現する謎の吸血鬼・金魚鉢男。彼に吸血されてしまうと、金魚になってしまい元には戻れない。妹を金魚にされてしまった葉山昊助(はやまこうすけ)は、通学中に、スクール水着に首からモデルガンをぶら下げた謎の少女・林檎に出会う。林檎は金魚鉢男に襲われてしまった人間を助けるために、被害者の血の中に潜って救う”血潜り”をやっているのだという。昊助は妹を人間に戻す手段を探すために、林檎に協力して血潜りを手伝うことになったが……。

「バニラスパイダー」「少女奇談まこら」など怪奇的、独創的な作品を描く著者の最新作。オンライン雑誌で連載中とあってマイナーな作品ではあるけれど、だからこその面白さがある。メジャー誌向きではないからこそできる内容。

なんでスクール水着なのか、どうして血潜りなんてことができるのか、金魚鉢男とは何者なのか。まったく説明がないセンス・オブ・ワンダーが、飛び過ぎておらず取っつきやすい(逆にぶっ飛んでてワケわからんけど面白いのが「エイリアン9」などの富沢ひとし作品)。

連載誌……ウェブコミックがどこまで続くか分かりませんが、だらだらと長く続けず5巻ぐらいで完結させて欲しい短期決戦系作品。期待してます〆

※この記事は2011/10/31に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「CLOTH ROAD(クロスロオド)」

     

CLOTH ROAD 1 (ヤングジャンプコミックス)(Amazon)

オススメコミック。脚本:倉田英之、漫画は「月面兎兵器ミーナ」や擬人化キティ(猫村いろは)で知られるOKAMA著。ウルトラジャンプ連載終了、全11巻完結。キラキラした表紙が特徴です。

繊業革命によって人類の文化が大きく変わった世界。ケーブルは糸に基盤は布地に、コンピューターは人間の衣服となった。”デザイナー”によって多彩な機能を盛り込んだ衣服が仕立てられ、”モデル”がその服を着て闘う”ウォーキング”バトル。捨て子の双子姉弟ジェニファーとファーガスは、自分たちの両親を探すため、ウォーキングで賞金を稼ぎ旅に出る。

モデルらしからぬ猪突猛進の姉・ジェニファーと、真面目だけど煮え切らないデザイナーの弟・ファーガスコンビのバトル&旅もの。独特の世界観が特徴の本作ですが、モデル=ファイター、衣服=武器内蔵戦闘服、デザイナー=衣服開発者、と置き換えれば大体合ってます。デザイナーやブランドによって製作される衣服が異なり、フリフリドレスだったりジャージだったり和服だったり、仕込まれた機能も多種多様。著者のデザイン力もあり、これら衣服が非常に魅力的。

数多く登場するトップモデルの中でも、メイ様ことメイ・ジューンは比類ない魅力をお持ちです(←8巻表紙上)。美と強さの探究者、強く、気高く、美しく、あふれる超カリスマ性と狂気。各国のトップモデルらを秒殺していく圧倒的パワーと戦いのセンス、転んでもただでは起きないリベンジ力、乱入、乱入、乱入。物語中盤でガキモデルどもに苦汁をなめさせられることになっても、終盤の見せ場できっちり全滅させる鬼メイ様。ああ素敵すぎる……もうこの人が主人公でいいんじゃないか?

やや話がそれましたが、天才と凡才、親と子、師と弟子。出会いと別れを繰り返し成長していく姉弟の物語です。独自の世界観とスケールの大きさ、漫画だけど色やツヤを感じさせる色彩美が特色の作品です。あとメイ様。

試し読み…というかヴォイスコミックはこちら。一巻丸々、すげえ。〆

※この記事は2011/11/07に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「弓導士」

弓導士 1 (電撃ジャパンコミックス ア 4-1) (Amazon)

オススメコミック。あまのあめの(天野雨乃)著、電子コミック雑誌「電撃ジャパンコミックス」連載中。

姉に薦められ、弓道部の見学に来た神道悟(しんどうさとる)。そこで弓を射る美しい先輩・要弓子(かなめゆみこ)に見とれていると、君も弓を引いてみないかと半ば無理やり弓を握らされる。とまどいながらも的を目がけて集中する悟。と、的に謎の男が浮かび上がり、突然異世界に引きずり込まれる。男は悟を”弓導士”と呼び襲いかかってくるが……。

何だかわからないうちに戦いに巻き込まれ、自分の才能を活かして戦う青年の物語。行方不明の姉も自分と同じ弓導士で、戦い続ければ行方が分かるかもしれない。

まあよくあるパターンですが、拳や剣や魔法ではなく、弓道をベースに”射ち合い”ます。遠距離でばすばす射ち合うので結構新鮮。射法八節、美しい姿勢から放たれる矢と、必殺必中ルール(射られるか外したら敗北)がよい味付けに。

著者は元々成年コミックや同人誌の作家ですが、キャリアのおかげか漫画がうまく、エロに走らないところが○。まだまだ序盤ですが、今後の展開に期待〆

※この記事は2012/02/15に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「ウィッチクラフトワークス」

ウィッチクラフトワークス(1) (アフタヌーンKC)(Amazon)

オススメコミック。水薙竜著、Goodアフタヌーン連載中。

普通の男子高校生・多華宮灰(たかみやほのか)と、クラスメイトで学園のアイドル火々里綾火(かがりあやか)。何の共通点もない二人だったが、ある日突然、多華宮が謎の巨大うさぎ軍団に襲われたところを、魔女の格好をした火々里に助けられる。実は火々里は街の平和を守る”工房の魔女”と呼ばれる者で、多華宮を守ることが使命だという……。

学園モノの割にはスケールがでかい魔法バトルと、繊細なデザインの魔女服、ライバルを圧倒的なパワーでのしていく火々里さんが魅力の作品。作中の台詞にもありますが、まさに”マリオのスター状態”。とにかく強い。クールで無口で無敵。

その無敵の秘密と、なぜ凡庸な人間である多華宮を護っているのか、がお話のテーマになっています。まあ、3巻になるとほとんど話が見えてくるのですが。個性的だけど弱いライバルたちや、2巻以降に登場する妹でブラコンの多華宮霞の編愛ぶりも素晴らしい。使う魔法もハチャメチャで○。

試し読みはこちら。〆

※この記事は2012/03/12に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「ねじまきカギュー」

ねじまきカギュー(1) (ヤングジャンプコミックス) (Amazon)

オススメコミック。中山敦支著、ヤングジャンプ連載中。

新米教師・葱沢鴨(ねぎさわかも)は、ヤバい系女子に好かれる女難体質の持ち主。ある日の通勤中、不良少女に絡まれた彼の元に、先生を守るという謎の少年・鉤牛十兵衛(かぎゅうじゅうべえ)が現れる。圧倒的なパワーで不良少女たちをのしてしまう十兵衛であったが、なぜ鴨先生を助けたのかは告げず、逆に決して己(オレ)には近付くなと言う。果たして彼の正体は……。

ネタバレする前に、試し読みはこちら。

以下、ちょっとネタバレ。鉤牛:カギューちゃんは女の子。幼いころ、いじめっ子から自分をかばってくれた愛する鴨先生のために戦います。見た目は滅茶苦茶硬派ですが、中身は乙女一直線の可愛い女の子です。作中でも特に強調されており、普段は目つきの悪いカギューちゃんが、恋する乙女モードになるとキラキラお目々の美少女に早変わり。

他のキャラクターも基本的に危険な娘たちばかりですが、乙女スイッチが入るとがらりと表情が変わるのが特徴的。愛ってすごい。

バトルも何だか分からないがやたら熱い展開のオンパレードで、カギューちゃんの無尽蔵の愛のパワァーに圧倒されること間違いなし。愛の力は無限大。面白いから是非読め。〆

※この記事は2012/03/21に「Psychelia.com」に掲載したものです。