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「無関心探偵AGATHA」

無関心探偵AGATHA (1) (バーズコミックス)

オススメコミック。「ミミツキ」の相川有著。月刊コミックバーズ連載中。

「普通科二年二組 がさづえ。探偵に生まれつきました」

はっきりものを言えない少女・蓮出留津(はすでるつ)。イスカリオテ学園に転入してきたその日に、自称探偵を名乗る少女・阿嵩小杖(あがさこづえ)に出会う。阿嵩は留津や他人には無関心。思っていることを隠そうとしない、自分と正反対の性格に留津は魅かれる。そんな折、学内で殺人事件が発生する。阿嵩は事件解決に向け動き出すが……。

ミステリもの。興味のないことにはまったくの無関心ですが、事件となると目を覚まし、精力的に活動するヘンな少女が主人公。その無関心ぶりは徹底しており、担任教師の名前を覚えず同級生にもまったく興味を示しません。しかも無表情で無愛想のおまけつき。右目に深い傷がありますが、本編では触れられていません。なお、名前の阿嵩の由来は、おそらく推理作家アガサ・クリスティーと思われます。某博士と同じです。

留津を助手役にし、学園で起きた殺人事件を推理し、事件の真相に迫っていきますが、事件は単調なようで複雑な人間関係の元に成り立っており、調査は難航します。匂いをかぎわける能力を持つもう一人の助手・唯井否(ただいいな)の力を借り、類まれなる推理力で真相に迫る…のですが。

ちょっと展開が早く、読者に推理する暇を与えてくれない印象を受けました。もう少し証拠物件や証言をフォーカスした作りになっていると、もっと面白くなるかと思われます。それでもキャラクターの良さで十分楽しめますが。

ちなみに、一話完結式ではありません。1巻終了時でも事件は完結せず、続巻となっています。よって解決編に期待。試し読みはこちら。〆

「作者不詳 ミステリ作家の読む本(上)・(下)」

作者不詳 ミステリ作家の読む本 (上) (講談社文庫) (Amazon)

「厭魅(まじもの)の如き憑くもの」に続き二回目の紹介となる三津田信三(みつだしんぞう)著の怪奇推理小説です。

主人公である編集マン・三津田信三と友人の飛鳥信一郎が手に入れた一冊の推理小説「迷宮草紙」。七編の短編小説からなるこの本は、作者不詳、出自不明、読んだ者はすべて行方不明になっているという怪奇書。七編すべてが解答編なしの未解決事件で、その謎ときは読者に委ねるという構成になっている。

しかも。本を読み始めた二人を、本の内容に関連したさまざまな怪奇現象が襲い始める。各編の謎を解けなければ、本の呪いを受けて死ぬ。しかも期間は一週間。怪異の影に怯えながらも、二人は「迷宮草紙」の謎解きに挑む。

著者の作品すべてに言えることですが、推理小説として面白く、また怪奇小説としても楽しめ、かつ今回は推理小説を読んだ読者(主人公)の推理を、我々が読むという二重構成という工夫がされています。上下巻と結構なボリュームがありますが、短編×7なので案外さくさく読めてしまいます。

有名推理小説へのオマージュのようにも読めるので、推理小説が好きな人に特にオススメ。ただ、「迷宮草紙」の謎がすべて解けなければ、あなたに怪奇現象が降りかかるかも……〆

※この記事は2011/01/09に「Psychelia.com」に掲載したものです。