オススメコミック。「ミミツキ」の相川有著。月刊コミックバーズ連載中。
「普通科二年二組 阿嵩小杖。探偵に生まれつきました」
はっきりものを言えない少女・蓮出留津(はすでるつ)。イスカリオテ学園に転入してきたその日に、自称探偵を名乗る少女・阿嵩小杖(あがさこづえ)に出会う。阿嵩は留津や他人には無関心。思っていることを隠そうとしない、自分と正反対の性格に留津は魅かれる。そんな折、学内で殺人事件が発生する。阿嵩は事件解決に向け動き出すが……。
ミステリもの。興味のないことにはまったくの無関心ですが、事件となると目を覚まし、精力的に活動するヘンな少女が主人公。その無関心ぶりは徹底しており、担任教師の名前を覚えず同級生にもまったく興味を示しません。しかも無表情で無愛想のおまけつき。右目に深い傷がありますが、本編では触れられていません。なお、名前の阿嵩の由来は、おそらく推理作家アガサ・クリスティーと思われます。某博士と同じです。
留津を助手役にし、学園で起きた殺人事件を推理し、事件の真相に迫っていきますが、事件は単調なようで複雑な人間関係の元に成り立っており、調査は難航します。匂いをかぎわける能力を持つもう一人の助手・唯井否(ただいいな)の力を借り、類まれなる推理力で真相に迫る…のですが。
ちょっと展開が早く、読者に推理する暇を与えてくれない印象を受けました。もう少し証拠物件や証言をフォーカスした作りになっていると、もっと面白くなるかと思われます。それでもキャラクターの良さで十分楽しめますが。
ちなみに、一話完結式ではありません。1巻終了時でも事件は完結せず、続巻となっています。よって解決編に期待。試し読みはこちら。〆