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「ツイテル彼女」

ツイテル彼女
ツイテル彼女。 (1) (電撃コミックスNEXT)

オススメコミック。二区著、電撃D-MANGAオンライン連載中。

吉田一樹は、29歳奥手の童貞サラリーマン。そんな彼に美人の彼女ができた。彼女の名は双葉さん。可愛くて優しくて天使のような女性。しかし双葉さんは、女性でありながら男性器のツイテル彼女、ふたなりの女性なのであった。相思相愛ながら、刺すか刺されるかの禁断の関係。吉田君の恋の行方は……。

いわゆるTS(Transsexual(性転換))とは異なり、女性器も男性器も最初からついてる女性と付き合う事になった男性の話。自分の彼女はすごい可愛いけど、股間にはアレがあるという、主人公・吉田君のジレンマと、一方のツイテル彼女・双葉さんも自分の身体について苦しんでいるという悲哀を描いている……作品ではありますが、双葉さんが性的にかなりオープンな言動をする人で、しかもどちらかというと男性寄りな発言が多く、吉田君の尻の穴で童貞卒業を狙っているという、恐るべきラブコメ。

これはゲイなのか、それとも正常な愛の形なのか、判断しかねる状況ではありますが、双葉さんが可愛いのには変わりなく、主人公と読者を混乱させます。こんな彼女になら掘られても……いやいや、やばいやばい。

巻末では、双葉さんの幼なじみで、ワケありの美人歯科助手・篠原愛も加わって、さらなる混乱を巻き起こしていきます。果たして吉田君が無事童貞を卒業する日は来るのか、二人の愛はどのような方向へ向かっていくのか、注目せざるを得ない怪作です。もっと注目されるべき。

読んでおいて損はない、試し読みはこちら〆。

「モコと歪んだ殺人鬼ども」

モコと歪んだ殺人鬼ども 1 (フラッパーコミックス)(Amazon)

オススメコミック。反転邪郎(はんてんしゃろう)著、月刊コミックフラッパー連載中。

警視庁の地下3階、三畳一間の子供部屋、そこに暮らす少女・泡沫(うたかた)モコ。見た目は子供、しかしその正体は、天才を越えた天才、ハイギフテッドと呼ばれ、難事件をいくつも解決してきた特別犯罪捜査支援室巡査部長(22歳)。新たに配属された新人刑事・灰島柩(はいじまひつぎ)とともに、奇妙で異常な事件の謎解きに挑む。

子供の様な容姿と言動ですが、洞察力、推理力に優れ、実は天才捜査官のモコ。相棒となるのは、配属されたばかりの新人で、何かと付きまとってくるモコをうっとうしいと感じつつも、その才能を認め共に捜査する青年灰島。二人の凸凹バディものです。

扱うのが異常犯罪なので、結構グロい描写もあります(精神的にも肉体的にも)。そんな犯罪を一見子供の様なモコが解決していく、という点が特異な作品。

設定上、モコは22歳になっていますが、現職の警察官ということでリアリティを持たせた結果なのだろうか。この手の作品だと、十代の少女探偵という肩書でも成立しそうではあるので珍しい。警察内でも腫れもの扱いされていることもあり、この辺りの設定は後に活きてくるのかもしれないです。

試し読みはこちら。〆

「アーサー・ピューティーは夜の魔女」

アーサー・ピューティーは夜の魔女 (MFコミックス フラッパーシリーズ)(Amazon)

オススメコミック。コミックフラッパー連載中、「フランケンふらん」「ヘレンesp」の木々津克久著。

謎のバクテリアの感染爆発によって、高い能力を身につけた人類は、人に似て人のフリをし人類を支配していた魔の者たちの存在に気付き、そして狩り始めた。アーサー・ピューティーは夜の魔女として恐れられていた存在だったが、団結した狡猾な人間達に追い詰められ、仲間達の下へ逃げ伸びていくのだった……。

「能なしの猿の大群め 霊長類とは我々のことなのに」とは、本作のヒロイン、アーサー・ピューティーの台詞。支配していた者が支配されていた者たちに追われ、個の力では負けないものの集団ではまるで歯が立たない。同類達の住処へ逃げ込んでもすぐに人間達がやってくる。行く先々でトラブルを引き起こしながらもアーサーの逃避行は続きます。

人間以外の視点から人間を視るという、社会風刺の効いた作品です。逃げるアーサーもやられっぱなしではいません。要所では力づく。なお、第6話には木々津克久の別作品のキャラクターも登場します。これは知っている人だけ楽しめる。〆

※この記事は2011/03/29に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「ペーパーウエイト アイ」

ペーパーウエイト アイ1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)(Amazon)

オススメコミック。原作:田沢孔治、作画:さかもと麻乃。コミックフラッパー連載中。

人形作家の美大生・桐生マリエは、自分の作品のファンを名乗る青年・鵠丸カレルに誘拐されてしまう。マリエはカレルの持つ洋館に監禁され、あなたの黄金の手で「ヒト」を創って欲しいと依頼される。逃げようとするマリエであったが、自分の創った人形たちが命を吹き込まれ行く手を阻む。唯一の救いは”新しく目指した自分自身”をテーマにした人形・マジェンカが身を守ってくれること。はたしてマリエはカレルから逃げのびることができるのか?

ペーパーウエイトアイとは、ガラスを素材としたドールアイのこと。つまり人形の目。ドールものとしては「ローゼンメイデン」が有名ですが、こちらは球体関節人形以外にも主人公の創作物はすべて命を吹き込まれる仕様。しかもマリエの創作物は自身のトラウマをテーマとして創られているため、突飛な造形を持ち凶暴でサイコパス。恐竜の骨格標本に胎児を首吊りでくくった人形とかマリエ恐るべし。逃げようとするとそんな人形たちが襲ってくる。

逃げては捕まりまた逃げる。マリエと人形たちの追いかけっこ。しかし、悪意を持つ人形たちとは違いカレルには何だかんだで良くされているので、誘拐した者された者という主従関係とは違う微妙な距離感が良い。熱烈なファンと創造主の関係がそこにはある様子。カレルの目指す”ヒト”の創作とは何なのか、人形たちはなぜ動き出したのか、マリエの持つ黄金の手とは? さまざまな謎を含ませつつ物語は続く。

試し読みはこちら

※この記事は2011/11/21に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「終末のマリステラ」

終末のマリステラ 1 (フラッパー)(Amazon)

オススメコミック。高野千春著。月刊コミックフラッパー連載中。

新天地創造に失敗した人類は、未曾有の災禍を引き起こし、世界は終末を迎えた。崩壊の中なんとか生き残った数少ない人類は、大空を舞う謎の魚群に襲われていた。絶望的な状況の中、弱き人々を守るべく、空を飛ぶ亜人種の少女たちの軍隊が結成される。頭上に光輪、背に白い羽を生やし戦う彼女らは「天使」と呼ばれた。

不思議な力で空を飛ぶ軍属の少女たちが、得体のしれない何かと戦う物語。ビジュアルを見て、まっさきに思い浮かべるのがストパンこと「ストライクウィッチーズ」ですが、まあ大体あってます……。ストパンと違うのは、主人公たちが獣人やエルフなど亜人種であること、パンツじゃないこと、ケルプと呼ばれる羽の生えたイルカのようなものと交配してレアメタルを産むこと、そしてあっさり死んじゃうこと。

かなり荒い内容と作画ではありますが、独特の世界観を持ち、今後の展開を期待させてくれる作品。現時点ではあまり天使や敵魚類についての説明がないので、何をすれば勝ちなのか、誰がための戦いかよくわからん。そのまま良く分からないうちに終わるか、次第にストーリーラインが見えてくるかで今後の評価が分かれそう。

試し読みはこちら。〆

※この記事は2012/10/16に「Psychelia.com」に掲載したものです。