タグ別アーカイブ: ラブコメ

「大上さん、だだ漏れです。」



大上さん、だだ漏れです。(1) (アフタヌーンKC)

おすすめコミック。「じごくあね」の吉田丸悠著、アフタヌーン連載中。

ちょっとエロいことに興味を持つお年頃、高校一年生の大上芽衣子は、トイレで隠れで男性器の本を読んでしまうちょっと性欲過剰な子。一方、物静かで何を考えているのか分からない男子・柳沼慎一郎は、とある理由から、人に触る、触られることに極端に拒否反応を示す。高校では孤立気味で友達がいない二人だったが、大上が柳沼のある秘密を知ってしまったことから、二人は秘密を共有する友達となる。

エロ妄想というものは、決して人には知られてはいけないもの。特に大上はその手のことに興味津々で、バレないようにとびくびくしながら過ごしていましたが、柳沼に出会ってしまったことで、そのことが露呈します。

柳沼は自分に触れたものが本音を話してしまう、という特異体質の持ち主。周囲には秘密にしているため、なるべく人を近づけないようにしていましたが、大上との接触で発覚してしまいます。

偶然接触してしまった大上の本音、第一号は「ちんこ見せて」というとんでもない一言でした。以降、触れた際には、大上のエロ妄想はだだ洩れに……。そんな大上を無感情に見守る柳沼も、秘密を共有する友達として好意を抱くことになっていきます。

触りたいけど触れないという微妙な関係の二人。次々登場するにぎやかな面々を巻き込みつつ、大上のエロ妄想は次々と露呈していきます。そんな大上と柳沼に友情は恋心に発展するのか?

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「うちのメイドがウザすぎる!」



うちのメイドがウザすぎる!(1) (アクションコミックス(月刊アクション))

おすすめコミック。中村カンコ著、月刊アクション連載中。

「白人美幼女に私の作ったフリフリのお洋服をとっかえひっかえ着せ替えて、キャッハウフフする求人はありますか?」 ハローワークでとんでもない相談をしていたのは、右目に眼帯、重度のロリコンの鴨居つばめ。そんな職場はないと断られたものの……帰り道に金髪幼女の家政婦募集を見つけ、突撃する。雇先となったのは、ある理由で家政婦を片っ端から追い出している問題児・ミーシャ。つばめを毛嫌いするミーシャに対し、何とか仲良くなろうとつばめは奮闘するが……。

眼帯の理由はまだ明かされてませんが、つばめは初日に泥水をかけられてもめげない根性の持ち主。それもそのはず、辛い訓練を耐えてきた元自衛官だったのです。脱いだら腹筋バキバキのすごい女で、家事も器用にこなすパワフルウーマン。メイドつばめにとって、自身の理想を体現したようなミーシャに、最大限の奉仕をします。ただしロリコンなのが玉に瑕。

一方、亡くなった母の代わりは誰もいないと、つばめの奉仕を拒むミーシャですが、何度拒否されてもしつこく絡んでくるつばめに徐々に心を開いていきます。ミーシャにとっては、未知であり異質な存在であるつばめでしたが、メイドの才能があることは認めている様子。ただしロリコンなので要警戒。

つばめの奉仕愛はミーシャに届くか? ミーシャはつばめをよきメイドとして認めてくれるのか? 変化していく二人の関係性が見どころです。

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「愚かな天使は悪魔と踊る」



愚かな天使は悪魔と踊る 1 (電撃コミックスNEXT)

おすすめコミック。アズマサワヨ著、電撃マオウ連載中。

転入生・阿久津雅虎。見た目は普通の学生だが、その正体は悪魔。天使たちに押され気味な魔界を盛り上げるため、皆をやる気にさせる、カリスマ性のある人材を探しに来ていたのだった。転入早々、これはと思える美少女を見つける。金髪で小柄、性格もよい評判の美少女・天音リリー。阿久津は勇気をもって彼女に目的を告げるのだったが、実は彼女の正体は……。

腹黒天使でした。

宿敵をスカウトしようとした阿久津は、逆に天音に弱みを握られた上に、戦いに負けて服従を余儀なくされてしまいます。天音の命令で、同族である悪魔狩りを手伝うことになる阿久津ですが、めげることなく、天音を打倒し、堕天させることに賭けます。一方の天音は、何やら別の目的があるらしく、阿久津を完全服従させ更生させようと企みます。学校では優等生を演じていますが、阿久津の前では高圧的でわがままな一面も見せます。

敵対する二人ですが、やがて恋心のようなものが芽生えてきます。本当はコイツいいやつなのか? 堕天か更生か、愛か憎しみか、二人の葛藤が見どころ。互いの目的がちょっとふわふわしている感じはしますが、テンポがよく、先も楽しみなよいラブコメです。天音は可愛いだけじゃなく、顔芸もできる良いキャラです。

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「クリミナーレ!」



クリミナーレ! 1 (裏少年サンデーコミックス)

おすすめコミック。水色すいみん(鎌田一世、今野龍之介)、裏サンデー連載中。

「ナチュラルボーン被害者(生まれついての被害者)」という特殊な体質を持つ高校生・市村民人。窃盗、ひき逃げ、痴漢など、ありとあらゆる犯罪に巻き込まれていしまうという体質で、彼の周りは危険がいっぱい。そんな彼のクラスは、犯罪者たちを集めた特別なクラスだった。ストーカー、殺し屋、強姦魔、クラッカー……個性豊かなクラスメイトとともに、民人の学園ライフが始まる。

クリミナーレとは、イタリア語で犯罪者という意味。同名のCDドラマシリーズとは別の作品です。犯罪者予備軍を集めたクラスで、犯罪を呼び寄せる主人公とクラスメイトとのドタバタコメディです。

ストーカーのヒロイン・小森さんをはじめ、次から次へとヤバイ奴ら(犯罪者予備軍)が登場します。基本的にネジが外れているため、それはまずいでしょ、というのをとことんやるのがいっそ清々しい。

主人公の方はというと、ラッキースケベの要領で犯罪を呼び込んでくるので、それもまた大迷惑。ただし、犯罪に巻き込まれ慣れしているため、防弾チョッキを着こんでいたり、吹き飛ばされても華麗な五点着地を見せるなど、人間性能は高い。凡庸ながらサバイバリティが高いという、今までにいなかった主人公で好感度高し。

3巻以降は、そんな彼らの天敵・怪盗ハルカナも登場し、恋の戦争が勃発します。流れ弾をくらったクールな殺し屋・セーラがどんどん可愛くなっていくのですが、それは読んでみてのお楽しみ。

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「淫らな青ちゃんは勉強ができない」



淫らな青ちゃんは勉強ができない(1) (マガジンエッジKC)

おすすめコミック。カワハラ恋著、少年マガジンエッジ連載中。

学力優秀、人付き合いはちょっと苦手な女子高生・堀江青(ほりえあお)。官能小説化を父に持ち、名前の由来はアオカンのアオ。エロい環境に育ったこともあり、男はみんな狼、どいつもこいつも性欲の塊だという、偏った観念を持っている。そのため、青春には目もくれず、大学では一人暮らしをするために、猛勉強をしていた。しかし、とあることがきっかけで、クラスのリア充男子・木嶋拓海に興味を持たれ、恋愛を意識するようになってしまい……。

青ちゃんは偏った性知識があるために、木嶋の行動をすべてエロい行動に結びつけて考えてしまいます。第三者目線で見ると、学生同士のピュアな恋愛のはずが、青ちゃん視点では、変態妄想全開になります。なんてことのない、木嶋のちょっとした一言でパニくって右往左往する青ちゃんと、振り回される木嶋の行動が面白いラブコメ。青ちゃんのデレ顔が常に可愛い。

興味がないはずの木嶋に、惹かれていったり、離れていったり。揺れる恋心と下がっていく成績。勉強するために集中しなきゃいけないのに、気になって集中できない、という青春真っ盛りの青ちゃん。その前に恋のライバルが出現して、平和な日常がさらに崩されていきます。果たして志望校へ合格できるのか、木嶋との恋の行方はどうなっていくのか?

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「古見さんは、コミュ症です。」



古見さんは、コミュ症です。 1 (少年サンデーコミックス)

おすすめコミック。オダトモヒト著、週刊少年サンデー連載中。

今日から始まる高校生活。特徴のないただの学生・只野仁人(ただのひとひと)は、期待に胸を膨らませて校門をくぐる。最初に出会ったのは黒髪ロングの超美少女。思い切って挨拶してみたが、奇妙な目でにらまれ、返事をしてもらえなかった……。後にその少女の名前は、古見硝子(こみしょうこ)だとわかる。そして、古見さんはコミュ症(コミュニケーション障害)で、人と話すのが大の苦手だったと判明。偶然その事実を知ってしまった只野は、古見さんの友達作りに協力することになった。

クラスのマドンナ的存在で寡黙な美人。でも、本当は人と話すのが大の苦手、「おはよう」すら言えない古見さん。周りは敬遠するけれど、本当は友達がたくさん欲しい、そんな女の子です。

只野くんは、そんな彼女にシンパシーを感じ、まったくしゃべらない彼女の友達作りを手伝うことになります。ただし、彼は特徴のないただの一般男子。彼らの通う学校には、一癖も二癖もある学友たちが通っていて、一筋縄にはいきません。

コミュニケーション能力の異常に高い幼馴染(ただし女装)、極端にあがり症の女の子など、一風変わった生徒たちと、コミュニケーション能力ゼロの古見さんを引き合わせるという、難儀な仕事に振り回されながらも、次第に古見さんと心を通わせていく只野くん。

無口な女の子、というのはよく登場しますが、本人は会話したいのにどうしてもできない、というのは珍しいのではなかろうか。現時点でまったく回復の見込みはないのですが、努力は感じる古見さん。はたしていつか二人の努力が報われるときが来るのか。

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「なのは洋菓子店のいい仕事」



なのは洋菓子店のいい仕事 1 (少年サンデーコミックス)

おすすめコミック。「神のみぞ知るセカイ」の若木民喜著、週刊少年サンデー連載中。

丘の上のケーキ店「なのは洋菓子店」。気まぐれな天才パティシエの長男・大夢(タイム)、店をやりくりする次男の正路(せいじ)、末っ子のぱせりの3人が経営中。ただし、お店は経営不振。その理由は……パティシエがケーキを作ってくれないから? 丘の下の和菓子屋「しらかわ」とはライバル関係にあり、しらかわの美人姉妹・ほの香とかの香ともライバル関係。正路は今日もかの香に憎まれ口をたたかれるが、本当は嫌いじゃなくて……。

煙草を吸い、やる気はないけど天才パティシエ。というとんでもないキャラの大夢。ただし、これにはやんごとなき理由があり、物語が進むにつれ、その理由に登場人物たちは振り回されていきます。

店にやってくる個性的な客人のために、さまざまな洋菓子を作ります。グルメ漫画(?)らしく、ストーリーに合わせた洋菓子がたくさん登場しますが、大夢の作るケーキはどれもおいしそうで、たまにはケーキも食べてみたいと思わせるほど。

ラブコメ要素も色濃く、幼馴染でありライバルであるかの香を中心に、さまざまなタイプの女の子が登場します。この辺りは、「神のみ」で培ったキャラクターメイキングが活かされていると思われ、テンプレから少しプラスアルファしたような個性的なキャラが多く新鮮なのが特徴です。

ケーキに恋に。甘いストーリーに癒されます。そして甘いものを食べたくなる作品です。

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「ちこたん、こわれる」



ちこたん、こわれる(1) (ヤングマガジンコミックス)

おすすめコミック。「イモリ201」の今井ユウ著、ヤングマガジン連載中。

高校一年生・桜坂亮平(おうさかりょうへい)は、一度聞いた声は忘れない、好きな声はスマホに録音して学校で聞くという、極度の声フェチ。一方、同じクラスで、いつでもヘッドホンとマフラー着用の宮原チコは、教師に怒られてもまったくしゃべらない不思議な女の子。ある日偶然、そんなチコの声を聞いてしまった亮平は、可愛らしいその声に一目ぼれしてしまう。何とか仲良くなろうと話しかけるが、相手にしてくれないチコ。執念実って、ようやくきっかけをつかんだと思いきや、チコは事故で死んでしまう……。

死んでしまったのに、チコは普通に登校してきます。一体なぜ? 実はチコはロボットだったのです。から始まるストーリー。正確には、とある理由により、自宅からリモートコントロールしているドローン。また、ドジっこ属性が強すぎて、すぐトラブルに巻き込まれて死んでしまう体質の持ち主。その秘密を共有した亮平は、秘密がばれて学校に来られなくならないように、また迂闊に死んでしまわないように(ドローンが壊れてしまわないように)チコを全力サポートします。

「実は私は」等をモデルにしていると思われますが、ヒロインが何度死んじゃってもいい、という大義名分のもと、色々と無茶な展開を入れてきます。定番ですが、幼馴染でツンデレ気味のヒロインもおり、三角関係もあり。また、声が好き、という点も、後々重要なファクターになっていきます。惚れた声のドローンには会えても、チコ本体には会えないという設定が秀逸。チコ本人に対面する日は来るのか?

なお、単行本巻末には、破壊してしまったドローンの機体リストあり。巻が進むにつれ増えていきます。どんだけ壊れてるんだよ、という。

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「寄宿学校のジュリエット」



寄宿学校のジュリエット(1) (講談社コミックス)

おすすめコミック。「星天高校アイドル部」の金田陽介著、別冊少年マガジン連載中。

ダリア学園における二つの学生寮勢力、黒犬(ブラックドギー)と白猫(ホワイトキャット)。出身国のいざこざから、事あるごとに対立を続け、時には殴り合いの大喧嘩をすることも。黒犬のリーダー犬塚露壬雄(いぬづかろみお)は、喧嘩が強く仲間の信頼も厚い、理想のリーダー。彼には初等部のころから、一人の女の子に惚れていた。それは、宿敵・白猫の女リーダー、ジュリエット・ペルシアだった。許されざる禁断の恋、はたして彼の想いは届くのか……。

ベースになっているのは、シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」。愛する二人はしかし、敵対する貴族の息子娘だったというやつです。二人の逢瀬は絶対に仲間に知られてはいけない、背徳の恋。本作でもそこがベースとなっています。また、それ以前に。犬塚は想いを告げられるのか、ジュリエットはそれを受け入れられるのかが序盤のポイント。

ややネタばれすると、告白は想いを物理的にぶちかます方向で早々に成就しますが、もちろん、本筋はその後。犬塚の熱烈な支持者である蓮季、ジュリエットを守る自称騎士のスコット、異なる対立勢力などから、二人の関係がばれないように立ち回っていきます。味方を欺くためとはいえ、時にはジュリエットにアイアンクローをかましたり、サマーソルトで反撃されたりしますが、それも秘密を守るため。

障害を乗り越え、強い絆で結ばれていくであろう二人。バレたら一発で破局、リーダーとしての互いの信頼も失う状況で、いつか周囲に認められ、晴れて真のカップルとなることはできるでしょうか?

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「かぐや様は告らせたい」


かぐや様は告らせたい 1 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)

オススメコミック。赤坂アカ著、集英社のオンラインコミックサイト「となりのヤングジャンプ」にて連載中。

生徒会副会長、超お金持ちのお嬢様の四宮かぐやと、生徒会長、お金はないが努力の男子、白銀御行(しろがねみゆき)。ともに眉目秀麗、学業優秀で生徒からの憧れの的でお似合いの二人。二人はお付き合いしているんでは? といううわさも広まっていた。

互いに相手を意識している二人、しかし、”自分から告白をする”ことはプライドが許さない。何とかして、自分が有利な形で相手に告白させるために、あの手この手で告白トラップを仕掛けあうのだった……。

今までなかった形の、ちょっと変わったラブコメです。映画のペアチケットを手に入れたものの、自分から映画に行きましょうを言い出せないために、相手に言わせることに全力を尽くす二人。特にかぐや様の方は自分に素直になれないタイプで、恋ではないと思い込んでいる厄介なお嬢様。

マンネリ化することなく、毎回いろいろなネタで楽しめます。
回を追うごとにデレ度は上がっていくが、ほぼ進展しないのも面白い。もうつきあっちゃえよ、レベルで焦らされるという。また、キーパーソンになりそうな、ゆるふわ系の書記もかわいらしい。

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「ツイテル彼女」

ツイテル彼女
ツイテル彼女。 (1) (電撃コミックスNEXT)

オススメコミック。二区著、電撃D-MANGAオンライン連載中。

吉田一樹は、29歳奥手の童貞サラリーマン。そんな彼に美人の彼女ができた。彼女の名は双葉さん。可愛くて優しくて天使のような女性。しかし双葉さんは、女性でありながら男性器のツイテル彼女、ふたなりの女性なのであった。相思相愛ながら、刺すか刺されるかの禁断の関係。吉田君の恋の行方は……。

いわゆるTS(Transsexual(性転換))とは異なり、女性器も男性器も最初からついてる女性と付き合う事になった男性の話。自分の彼女はすごい可愛いけど、股間にはアレがあるという、主人公・吉田君のジレンマと、一方のツイテル彼女・双葉さんも自分の身体について苦しんでいるという悲哀を描いている……作品ではありますが、双葉さんが性的にかなりオープンな言動をする人で、しかもどちらかというと男性寄りな発言が多く、吉田君の尻の穴で童貞卒業を狙っているという、恐るべきラブコメ。

これはゲイなのか、それとも正常な愛の形なのか、判断しかねる状況ではありますが、双葉さんが可愛いのには変わりなく、主人公と読者を混乱させます。こんな彼女になら掘られても……いやいや、やばいやばい。

巻末では、双葉さんの幼なじみで、ワケありの美人歯科助手・篠原愛も加わって、さらなる混乱を巻き起こしていきます。果たして吉田君が無事童貞を卒業する日は来るのか、二人の愛はどのような方向へ向かっていくのか、注目せざるを得ない怪作です。もっと注目されるべき。

読んでおいて損はない、試し読みはこちら〆。

「実は私は」

実は私は 1 (少年チャンピオン・コミックス)(Amazon)

オススメコミック。増田英二著、週刊少年チャンピオン連載中。

考えていることがすぐ顔に出てしまう高校生・黒峰朝陽(あさひ)。嘘のつけない男、隠しごとのできない男として、ついたあだ名が”穴の開いたざる”通称”アナザル”。そんな彼は、クラスの同級生・白神葉子が好きだったが、なかなか告白できずにいた。白神は容姿端麗で口数が少なく、人付き合いも少ないミステリアスな女。友人に励まされ、意を決して告白に向かった朝陽であったが、放課後の教室で見たものは、牙を出し大きな羽を広げて伸びをする白神の姿だった……。

実は私は吸血鬼。秘密がばれてしまったら、学校を辞めなくてはならないけれど、黒峰君が秘密を守れるなら問題ない。しかし、アナザル朝陽が秘密を守り通すことができるのか? 彼らをつけ回すゴシップ好きの新聞部がいたり、白神以上にミステリアスな学級委員長がいたりのドキドキハラハラ系ラブコメ。

普段は無口で気難しい感じの白神ですが、気を許した朝陽の前では、関西弁でフランクな話し方をする女の子。朝陽に負けず劣らず考えていることが顔に出るわ、決して知られてはいけない秘密をあっさり見つかるわで結構ドジで可愛い。

設定はベタながらも、魅力的な登場人物と、展開の良さで読ませます。あと、朝陽は友人に恵まれていてうらやましい。いい奴ばかりです。試し読みはこちら。〆

「思春期のアイアンメイデン」

思春期のアイアンメイデン(1) (ヤングガンガンコミックスSUPER)(Amazon)

オススメコミック。「この彼女はフィクションです。」の渡辺静(わたなべしずむ)著、ヤングガンガン連載中。

真山春来(まやまはるき)と姫宮月子(ひめみやつきこ)、共に中学二年生。幼なじみの二人だったが、小学生の時、女子が特別な授業を受けた日から、互いの性別を意識して疎遠になっていく。だんだん大人になっていく月子に対し、変わらずガキのままの春来は、嫉妬すると同時に疑念を抱いていた。どうやら月子が変わった原因は、女子だけに訪れる「あの日」のせいだという。「あの日」とはいったい……。

そして衝撃の真実を目撃してしまう春来であった、という話ですが。衝撃過ぎて一瞬思考が追いつきません。まさか、そんなことになっているとは。わかんねーよ、絶対。今どきの女子は凄いのです。

以後は秘密を共有する二人と、周囲の人間を巻き込んでのドタバタコメディとなります。ファンタジックかつミステリアスな要素を含んでおり、続きが気になる作品。期待してます。

試し読みはこちら。〆

※この記事は2013/05/18に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「くろのロワイヤル おはよう」

くろのロワイヤル おはよう (講談社コミックス) (Amazon)

オススメコミック。木下由一著、週刊少年マガジンSPECIAL掲載。

ある朝、パジャマ姿の女の子が、突然道の真ん中で生着替えを始めた。目撃者は山野ひとし、高校生。着替えをしていたのは鮫島くろの、魔法使いの少女だった。一般人では見ることのできない魔法、しかし、ひとしはくろのの魔法を無効化できる体質を持っていた。正体を知られてしまったくろのは、ひとしを拉致監禁するのであった。

ワガママ魔女っ子くろのと一般人ひとしのラブコメ未満のギャグ漫画です(通称:魔女っコメ)。女の子の画がうまいとか、エロティックな表現が得意とか、そういった類の作家さんではありませんが、ヒロインを可愛く描けていることと、ゆるいコメディが秀逸です。

ちなみに、表紙はくろのと、机の下でくろのを支えているひとしですが、初版だと帯に隠れて見えません。芸が細かい。試し読みはこちら。〆

※この記事は2013/02/25に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「さんかれあ」

さんかれあ(1) (少年マガジンコミックス)(Amazon)

オススメコミック。「ケンコー全裸系水泳部 ウミショー」のはっとりみつる著、 別冊少年マガジン連載中。

ゾンビ娘萌えという危険なジャンルの作品です。生きた女にキョーミないというアホな主人公と、瞳孔が開きっぱなしのゾンビ娘のラブコメ。

ゾンビ映画好きの主人公・降谷千紘(ふるやちひろ)は、死んでしまった愛猫ばーぶを蘇らせるため、夜の廃墟で怪しげな実験を繰り返していた。実験が元でお嬢様学校の令嬢・散華礼弥(さんかれあ)と知り合うことになり、二人は協力して蘇生薬調合を行うが、とある事件のせいで礼弥が死んでしまう。しかし、礼弥が死ぬ前に服用していた蘇生薬のおかげでゾンビとして復活!

ネタばれになるので多くは語れませんが、礼弥にはゾンビ、というか死者ゆえのハンディーがあり、それを補うべく主人公が奔走します。放っておくと本当に死んでしまうので、いや死んでるんですが、肉体的な意味で消失してしまうので、ケアは怠れません。

また過保護に育った令嬢ゆえのガードの甘さ、無邪気さで色々と問題を起こします。娘ラブのお父様との確執があったり。

ウミショーが面白かったと思える人は読んで損なし。ゾンビ好きじゃなくても楽しい作品です。〆

※この記事は2010/10/12に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「いなり、こんこん、恋いろは。」

いなり、こんこん、恋いろは。 (1) (角川コミックス・エース 326-1)(Amazon)

オススメコミック。よしだもろへ著、ヤングエース連載中。

京都に暮らすごく普通の中学生・伏見いなりは、大好きな丹波橋くんに告白できずにいた。ある日の通学中、いなりは神社の河原で怪我をした子犬を見つけ介抱してあげる。助けた子犬は実は神の使いの子狐で、主人であるお稲荷様こと宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)は、助けてくれたお礼に一つだけ願いをかなえてあげると言う。いなりが望んだ願いとは……。

変身。ヒロインいなりと憧れの丹波橋君を中心に繰り広げられるラブコメです。変身することでトラブルが起きたり解決したりが基本。いなりの物語も良いですが、いなりに能力を授けた宇迦之御魂神(通称うか様)のサブストーリーも秀逸(ちなみに2巻の表紙の神です)。

能力を授けてしまい、お稲荷様としての神通力が欠けてしまったうか様。何故かいなりの兄に敵視され、逆に自分の兄には偏愛を受け、男性不信の結果たどりついた趣味が乙女ゲーの腐女子です。ヒロイン以上のキャラ立ちっぷりが素敵。

変身モノという王道の割に個性的だし、テンポよく、お話も面白いのでオススメです。〆

※この記事は2011/06/05に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「ゆりキャン」

ゆりキャン 1 (ジェッツコミックス)(Amazon)

オススメコミック。原田重光 (企画・原案)、 瀬口たかひろ (イラスト)の「オレたま」コンビの作品。ヤングアニマル連載中。著者の代表作として他に「オヤマ菊之助」など。

超名門女子大に通う女子大生・ゆりか。端正な顔立ちの割に男にモテず、なぜか女子からは絶大な人気で、本人はいたってノーマルな女子だったが、多くの女性から求愛を受け困り果てていた。ある日、ゆりかの父親の会社が倒産し莫大な借金を背負ってしまう。窮地に立たされたゆりかは、女にモテる才能を利用し”スケコマシ”として女に食わせてもらう生活を始めることに……。

ちょっとエッチな青年向けなので紹介を止めておこうと思いましたが(一応全年齢向けのサイトです)、オススメせざるをえない面白さだったので紹介。

スケコマシ、あるいはジゴロと言った方が分かりやすいかと思いますが、女性の家に転がり込んで働きもせず飯をおごらせ金をせびるダメ人間のことですね。通常は男がなるものですが、主人公は女、百合展開が待ってます。主人公はいたってノンケ、対象となる女の子たちも基本的にノンケ。しかしそれすら超越してしまう主人公の魅力とテクニックで、次々と落として虜にしていきます。

虜にして何するかと言えば、ご飯をおごってもらう程度。ただし後半になると、落とせない女をプライドにかけて落とす、というわけわからん展開になっていきます。実にバカな努力ですが、口説き方も馬鹿馬鹿しくて良い。

ゆるいユリよりガチなユリ(?)がお好きな方は是非。〆

※この記事は2011/08/05に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「桃色メロイック」

桃色メロイック 1 (ヤングキングコミックス)(Amazon)

オススメコミック。福田晋一著、ヤングキング連載中。

ガテン系で元ヤン風の四宮大和。仕事に打ち込み、喧嘩も強い、ぼちぼちモテる彼だったが、惚れた相手は16歳の女子高生で自分の妹・四宮まさきだった。友人の制止も聞かず、周りの目も何のその、今日もまさきを迎えに学校へ……。

ヤングキングで妹萌え漫画をやるとこうなる。主人公は平凡な学生でもオタクでもなく、現実味のあるガテン系青年。一見まともですが、しかし中身は妹に欲情してしまうほどの危ない人。妹以外は基本的に全部ブスという怖ろしい感性を持ち、他の女のどんな誘惑も跳ね除ける鋼の変心を持っています。

一方の妹・まさきは、お兄ちゃん好きだけれど、当然恋愛感情ではなく、兄の恋心も知らないという状況。歳の割には精神年齢が低く、甘え上手の天然風。かなりキュートな女の子。さぞかしもてるでしょう。

大和の恋心は周囲の人間を巻き込みながら暴走していきます。果たして野望のままに妹と添い遂げることができるのか。それとも無事更生してまともな青年に戻ることができるのか。ヤングキングがどこまでやるのか楽しみにしています。〆

※この記事は2013/02/04に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「かりん」

かりん (1) (角川コミックスドラゴンJr.)(Amazon)

オススメコミック。ちょっと古いけど。ドラゴンコミックエイジ連載終了、全14巻。現在は「碧海のAION」連載中の影崎由那著。アニメ化もした作品です。

とある土地に住み着いた吸血鬼一家。人間の血をちょっぴりこっそり吸うことで、慎ましやかに暮らしていた。しかし、長女の真赤果林(まあかかりん)は他の家族とは異なり、血を吸うのではなく血が増えてしまう吸血鬼、すなわち増血鬼だった。

太陽を怖がらず昼間に出歩けること、人間の食事を食べられること、吸血鬼の持つ魔法が使えないこと、代わりに月に一度血を出したくなること、など異端の吸血鬼であるかりん。ある日、その秘密が同級生の雨水健太(うすいけんた)にばれてしまう。普段なら妹の杏樹(あんじゅ)が記憶を消してなかったことにしているが、杏樹のある思惑のために記憶を残したままにする。はたして杏樹の一計とは……。

本作の吸血鬼には血の嗜好があり、何でもかんでも血を吸うのではなく、人間の体質に魅かれて吸血行為を行います。例えば、かりんの父親・ヘンリーは”プライド”、母親・カレラは”うそつき”、兄・煉(れん)は”ストレス”を持った人間の血を好み、吸われた人間は逆に体質を失い、プライドが高くなくなったり嘘をつかなくなったりストレスが減少したり。

かりんの場合は”不幸”に魅かれます。不幸な体質の人を見ると増血し、血を吸う(送り込む)ことができないと、我慢できずに鼻血となって大出血して気絶してしまいます。鼻血まみれのヒロイン、鼻血溜まりの廊下、という画期的な絵面が特徴の作品。凄惨と言うか間抜けと言うか……。

雨水くんはそんなかりんの嗜好にあったとても不幸な人物ですが、それゆえに近付けば近付くほど増血して鼻血を出してしまうので、かりんはいっそのこと彼を幸せにしてしまおうと奮戦します。昼ご飯を買うお金がない彼のために手作り弁当を作ったりしているうちに、いつしか恋心が芽生えていくラブコメ展開。はたしてかりんと雨水くんは吸血鬼の秘密を守り通し、楽しい学園生活を送ることができるのか。

妹の杏樹も魅力的なキャラクターで、この子はまだ大人になっていないので、夕方やくもりの間は太陽の下でも行動することができるという特性を持っています。ところかまわず増血する可能性のある姉をフォローするために、コウモリを飛ばして日夜警戒にあたるという何気に重要な役回り。物語終盤で彼女もまた大人の吸血鬼に変わりゆき、いよいよ人間の生活とはお別れ、姉のフォローができなくなってしまうというシークエンスがあるのですが、最後の悪あがきと献身ぶりは涙なくして見られない感動の物語となっています。是非読んでいただきたい。〆

※この記事は2012/01/09に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。」

時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)(Amazon)

オススメコミック。「乱飛乱外」の田中ほさな著、ゲッサン(月刊少年サンデー)連載中。

高校生の身で1人暮らし。それゆえ世間体を気にして、平凡で慎ましやかに暮らすことを旨とする少年・空木宗也(うつぎそうや)。ゴミ捨ての際はきっちり分別する几帳面。ある日、宗也のクラスにどこか世間ずれした美少女・時坂暦(ときさかこよみ)が転校してくる。時坂さんはなぜか宗也が気になる様子だが、宗也に思い当たるフシはない。その日から、宗也が分別して出したゴミが、毎夜毎夜、何者かの手によって逆分別される怪現象が起こり始める……。

地球にやさしい、の逆。諸般の理由により、地球に厳しくしていく羽目になった少年・少女のお話。その理由は本編を読んでいただくとして、あの手この手で環境破壊を試みますが、一見ネガティブなそれらの行為をうまくコメディとしてまとめあげられています。地球を守る主人公と、地球を守るために破壊するヒロインの口論は、まったく論点が噛みあってなくちぐはぐで面白い。

悪だくみをする時に、目が★になる時坂さんが可愛いです。「不法☆投棄ってやつですよね」とか台詞の☆の使い方も素敵。言ってることとまったくマッチしてねぇ。ほか、環境に関するちょっとした勉強になったりして、目立たないけれども良作です。〆

※この記事は2012/04/16に「Psychelia.com」に掲載したものです。