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「マルドゥック・スクランブル」

マルドゥック・スクランブル(1) (少年マガジンKC) (Amazon)

11月に第一作の劇場公開を控える「マルドゥック・スクランブル」のコミカライズ版。原作:冲方丁(うぶかたとう)、大今良時(おおいまよしとき)著、別冊少年マガジン 連載中。

小説のコミカライズにろくなものがないイメージがあったので敬遠してましたが、読んでみたら意外とよかった。帯&巻末の原作者メッセージは褒めすぎにしてもかなり読める。

画はさほどうまくないものの、コマ割りと構図が優秀、アクションとスピード感(緩急)も十分なレベル。ヒロインの内向的(だけど暴力的)な性格も良く出てると思います。

作画風景がYouTubeにアップされていますが(参考動画(YouTube))、著者は新人の女性なんですね。末恐ろしい。

現在は最新の2巻が発売中。原作小説は全3巻で発売中。なお、ライトノベルではなくハヤカワ文庫SFなのでお間違えなきよう。〆

「マルドゥック・スクランブル」

マルドゥック・スクランブル(7)<完> (講談社コミックス) (Amazon)

超オススメコミック。ハヤカワ文庫のSF小説「マルドゥック・スクランブル」のコミカライズ版。原作:冲方丁(うぶかたとう)、大今良時(おおいまよしとき)著、別冊少年マガジン連載終了。完結。

悲しい過去を持つ少女娼婦のルーン・バロットは、彼女を愛妾としていた男・シェルに喉を引き裂かれ車ごと爆破され瀕死の重傷を負う。死の直前、ドクター・イースターにより、命を助けられると同時に金属繊維の人工皮膚を与えられ、周囲の電子機器を自由に操ることのできる力「電子撹拌(スナーク)」を身に付ける。何故、自分は殺されなければならなかったのか? どんなものにも変身できるしゃべるネズミ・ウフコックの力を借り、自分を死に追いやったシェルの犯罪を暴くために戦うことを決意する。

原作小説やアニメ映画版より面白い。コミカライズが成功するまことに稀有な例だと思います。そんなにうまい画ではないけれど、漫画がうまい。緩急が良いし、原作のえぐいところを、重すぎず軽すぎず、うまくコミックに落とし込んでいると感じます。

ど底辺から這い上がっていくバロットが魅力的な作品。法的に禁止されている科学技術によって蘇った代償として、結果を残さないと生存すらままならない追い詰められた状況の中で、自分の存在価値、有用性を追い求めていく少女の戦い。

元少女娼婦というヒロイン的に最悪な前職、時に戦いに溺れ自分を見失うことも、相棒であるウフコックを濫用し傷つけることも、強敵ボイルドから情けなく逃げ回ることがあっても、それらをすべて糧にしてたくましく成長していく。戦うヒロインのお手本のような娘です。

試し読みはこちら。劇場版オフィシャルサイトはこちら(最終作「マルドゥック・スクランブル 排気」は9/29公開)。〆

※この記事は2012/06/11に「Psychelia.com」に掲載したものです。