タグ別アーカイブ: 双葉社

「悪食のマリア」



悪食のマリア(1) (アクションコミックス)

おすすめコミック。「復讐教室」の要龍著。

特別な人間のみ入学できる、全寮制のミッションスクール・聖アヴリーン学園。教師が一人、シスターが一人、生徒数はたったの13人の女子。その中の一人、穂村蛍(ほむらけい)は、幼いころに両親を何者かに殺された過去を持つ。ある日の晩餐の際、停電が起きたわずかな時間の間に、生徒の一人が凄惨な死を遂げる。その光景に、蛍は両親を殺した「化物」のことを思い出し……。

外界から閉ざされた学園と、一癖も二癖もある生徒たち。殺人事件が起きたというのに警察に連絡するわけでもなく、翌日から日常の生活が再開する異常な状況。容疑者は残された12人の生徒。主人公・蛍は、探偵役の少女と共に、恐怖に震えながらも、生徒を殺した犯人(人を喰う化物?)を見つけ出す……というあらすじと思いきや、蛍の復讐心というか闘争心が物語を意外な方向へと導きます。

殺される前に犯人を見つける、のではなく、犯人(おそらく両親の仇)を見つ出して逆にぶっ殺す。

化物だろうが殺す。友達だろうが殺す。自分たちが学園から逃げ出すのではなく、仇敵を学園から決して逃がさず、ここで殺る。復讐を遂げる……。端麗な顔だちに似合わず、激烈なメンタルの持ち主、蛍さん素敵です……。

このままだと蛍のジェノサイドが始まってしまうので、探偵役の美少女・祭(まつり)が何とかするかと思われますが、敵は人の形をして人を喰う化物らしく、犯人探しも一筋縄ではいかないはず。変則クローズドサークル系ホラーものとして、この先の展開に期待。

試し読みはなし、掲載誌不明(巻末情報がないので調べられず)。ううむ、もう少し情報が欲しい……。〆

「鳥獏先輩なに賭ける?」



鳥獏先輩なに賭ける?(1) (アクションコミックス)

おすすめコミック。「兄の嫁と暮らしています。」の、くずしろ著、漫画アクション連載中。

「私と賭けをしましょう」。鳥獏京(とばくけい)は、無類のギャンブル好き。可愛いけれどちょっとおバカなのが玉にきず。事あるごとに、真面目な後輩・馬締忠(まじめただし)に絡んではギャンブル勝負を申し込むが、まったく勝てずに今日も地団駄を踏むのだった……。

ノリと展開的には、「だがしかし」に近い感じ。扱うものは子供っぽいもので、ルックスは良いのに色々と残念な年上の女性と、振り回される青年という構図も共通です。ただし、こちらは題材がギャンブルとなっています。

ギャンブルと言えば、「カイジ」や「賭ケグルイ」のように、大きな金額や命を懸けて戦うような作品が多いですが、本作はコイントス、じゃんけん、〇×ゲームなど、ギャンブルと言っていいのかどうか、抵抗のある内容の低レベルの勝負が繰り広げられます。また、賭けの報酬も、ジュース一本から己のプライドまで、ゆるい感じの内容となっています。

それもそのはず、鳥獏先輩はちょっとアホ。何の脈略もなく吹っ掛けてくる図々しさが、彼女のチャームポイント。勝算も悪だくみもなく、ただただ、ギャンブルを楽しみたいだけの女子だったのです。良い遊び相手となってしまった馬締君は、そんな先輩をうざいと感じながらも、なんだかんだで勝負してあげる好青年。決して、時折見せる先輩の可愛さと色香に負けているわけではなく。

アホゆえに無意識に振りまいてしまう好意と、真面目ゆえに振り回されてしまう純情。図らずとも進行する、二人の恋のギャンブルの行方はいかに? 

試し読みはこちら。〆

「NKJK」



NKJK(1) (アクションコミックス(月刊アクション))

おすすめコミック。吉沢緑時著、月間アクション連載終了、全2巻完結。

西宝夏紀(さいほうなつき)と富士矢舞(ふじやまい)は、幼稚園のころからの大親友。仲良く同じ高校へ進学したが、富士矢が大病を患い入院してしまった。もう元の生活に戻れないかもしれないらしい。何か親友の力になれないか? 悩める西宝は、富士矢の母親から「娘を笑わせてほしい」と依頼される。人体には免疫力を高めるNK(ナチュラルキラー)細胞というものがある。そのNK細胞の力によって、娘を回復させることができるかもしれない、というのである。お嬢様育ちの西宝はお笑いというものがよくわからない、しかし親友のためならと、笑わせるためのお見舞いが始まった。

病気療養中の友人を笑わせるために、日々様々なネタを仕込み、お見舞いに行く、というお話です。しかし何分、そういったものに触れてこなかったお嬢様二人なので、世間で面白いといわれているものが、どうして面白いかも理解できません。演じる方も見る方も、ギクシャクした感じで、ネタの披露後に微妙な空気になるという失敗続き……。

実際にネタも寒いので、ほとんど笑えないのですが、本作はそれが狙いなので問題なし。笑わせることに苦戦する西宝と、よくわからないけれど友人のがんばりを受け止めてあげようという富士矢。二人の不思議でシュールだけど、実は熱い友情が見どころ。

一方で富士矢の病は徐々に進行し、回復の見込みがないことがわかってきます。そんな時に、西宝は笑いの研究なんてしていてよいのかと葛藤します。しかしそんな彼女を支えてくれる仲間たちに励まされ、今日もNK細胞を信じてがんばるのです。雲行き怪しい中、果たして奇跡は起こるのか?

全二巻完結です。試し読みはこちら。〆

「GROUNDLESS」

GROUNDLESS(1)-隻眼の狙撃兵- (アクションコミックス)

オススメコミック。影待蛍太著、双葉社アクションコミックス。

島国アストリアで続く内乱。銃器店を営むウォルドロン夫婦は、不安定な情勢の中でも、子供に恵まれ、幸せな日々を過ごしていた。そんな二人の元に、予期せぬ大型の発注がまいこんだ。夫婦力を合わせて銃器をかき集め、倉庫いっぱいの武器を集めることに成功する。しかしその夜、二人と娘を悲劇が襲うことになる…。

静かに復讐に燃える、隻眼の女スナイパーのお話。実力未知数ながらも、自警団に身を置き、町の存続をかけた戦いに臨みます。ヘたれはヘたれながら、少しでも役に立てば御の字…という作戦でしたが、すさまじいことがおきます。

スナイパーの作品はいくつかありますが、この作品のスナイパー描写は独特で、印象に残るものが多いのが特徴です。椅子に座ったまま、淡々と引き金を引き続ける、機械のような女。鬼気迫る表情を描写するのではなく、背中を見せる、天井からの見た目など、画郭の工夫があり、一発一発で震える部屋が威力を物語っています。

そして二巻以降では、忘れたころに無双しだし、カタルシスが半端ないです。二巻同時刊行だったこともあり、早く続きが見たいと思わせる、是非ともご一読頂きたい作品。

試し読みはこちら。

「りきじょ」


りきじょ(1) (アクションコミックス(月刊アクション))

オススメコミック。歌麿著、月刊アクション連載中。

弓道のスポーツ推薦で高校に入学した 明石丸美。しかし、胸が大きくなりすぎて思うように弓が引けなくなり、退部を余儀なくされる。このままでは退学。後の無くなった丸美は、担任に勧められ「りきじょ」部の門をたたく。そこは力士な女子が集まる相撲部だった。戸惑う丸美であったが、持ち前の体格の良さと運動神経を買われ、りきじょ部で研さんを積むこととなった。

女子高生相撲部漫画です。必殺の”ぶちかまし”を強化して、個性的なライバルとの戦いへ臨む主人公の成長譚。表紙がデブい…もといぽっちゃりしてますが、実際の丸美はもう少しスタイルが良いです。もっとも、今後の物語上、体格が良くなっていくのかもしれませんが。

元(現?)成年コミックの作家とあって、エロい方向に持っていくのかと思いましたが、内容はいたって純粋な相撲スポコンです。相撲の基本なども説明されており、良く分からなかったけどそういう技だったんだ、と納得できる解説あり。

ぽっちゃり女子が支持されるか微妙ではあるので、長くは続かないかもしれませんが、非常に個性的な一冊。試し読みはこちら

「機械仕掛けのメルディーナ」

機械仕掛けのメルディーナ(1) (アクションコミックス(コミックハイ! ))(Amazon)

オススメコミック。宮ちひろ著、コミックハイ!連載中。

人間嫌いで機械好きの少女・メルディーナ。人と話すことが苦手で、幼いころ両親を亡くした彼女は、街から離れた家で一人暮らし。ある日、スクラップの山から巨大な蟹型マシーン・マキーナを発掘すると、彼を友達と呼び、一緒に暮らし始める。そんな彼女の住む街である事件が起き、マキーナと共に巻き込まれていく。

とにかく人間が嫌いの半引きこもり少女が、彼女を取り巻く優しい人々のおかげで次第に心を開いていく話……かと思ったら、案外強情な上に過度な機械愛のために一筋縄ではいかない。また、思いがけずアクションと陰謀満載なストーリーとなっております。

メルディーナはかなりのビビりなので、笑顔があるのは最初だけで、その後は全編通して、おどおどしているか驚いているか半泣きか泣いてるか叫んでるか最悪失禁してます。こんなに弱っちいヒロインも珍しく、新しいジャンルだと思いました……。なんていじめがいのある。

2巻へのヒキがよく、続きが気になる作品です。試し読みはこちら

※この記事は2012/12/24に「Psychelia.com」に掲載したものです。