タグ別アーカイブ: 木々津克久

「アーサー・ピューティーは夜の魔女」

アーサー・ピューティーは夜の魔女 (MFコミックス フラッパーシリーズ)(Amazon)

オススメコミック。コミックフラッパー連載中、「フランケンふらん」「ヘレンesp」の木々津克久著。

謎のバクテリアの感染爆発によって、高い能力を身につけた人類は、人に似て人のフリをし人類を支配していた魔の者たちの存在に気付き、そして狩り始めた。アーサー・ピューティーは夜の魔女として恐れられていた存在だったが、団結した狡猾な人間達に追い詰められ、仲間達の下へ逃げ伸びていくのだった……。

「能なしの猿の大群め 霊長類とは我々のことなのに」とは、本作のヒロイン、アーサー・ピューティーの台詞。支配していた者が支配されていた者たちに追われ、個の力では負けないものの集団ではまるで歯が立たない。同類達の住処へ逃げ込んでもすぐに人間達がやってくる。行く先々でトラブルを引き起こしながらもアーサーの逃避行は続きます。

人間以外の視点から人間を視るという、社会風刺の効いた作品です。逃げるアーサーもやられっぱなしではいません。要所では力づく。なお、第6話には木々津克久の別作品のキャラクターも登場します。これは知っている人だけ楽しめる。〆

※この記事は2011/03/29に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「フランケン・ふらん」

フランケン・ふらん 8 (チャンピオンREDコミックス)(Amazon)

超オススメコミック。木々津克久(きぎつかつひさ)著、チャンピオンRED連載終了、最終巻。何度か取り上げてきましたが、これで終わり。悲しい。

天才医学者にしてマッドサイエンティストである斑木ふらんの診療録。最終巻の見どころは……事故で体の中心から左右に真っ二つになってしまったふらん。右半身と左半身に分けて自分を手術し、脳の回復を待って再び結合することにした(もうすでにこの作品を知らない人には意味不明だが、それができるのが人造人間たるふらんの能力)。順調に回復を見たものの、左脳のふらんと右脳のふらん、脳の働きによって性格の異なる二人のふらんの意見が対立。ついにはふらん(右)が研究所を飛び出してしまう……。といったお話など。

奇抜なストーリーと手術描写(≒グロ描写)でコアな人気を博した作品でした。グロ描写に耐性があればぜひ読んでいただきたい快作。ドラマCD化はされましたがアニメ化とか(描写上かつ倫理上)絶対無理、そこが悲しくはある。あと、マイナー作品ゆえに店頭在庫がない。この作品が書架にあるかないかで、その書店のコミックスに関する知識とこだわりが分かると言っても過言ではない。

全巻通して一番印象に残ったのは、2巻のエピソード「MULTIPLIES2」。ふらんの手術により、週に一度、細胞分裂で二人に増えてしまう体となった泉屋洋華。意図せぬ泉屋洋華の増殖に対し、ふらんは片っ端から処分(殺害)することで対応しようとするが間に合わない。このまま1人が2人、2人が4人、4人が8人と増え続けてしまうと、40週を過ぎたあたりで1兆人を越え、地球は泉屋洋華の底に沈んでしまう。ふらん「人一人の命は地球より重いって…じっさいそうなんですよ~ 泉屋洋華は地球には荷が重い」。という、皮肉的なエピソードが好き。ケレン味ありすぎです。どこに行った人権。

終わらせるにはもったいない作品ではありますが、まあ、あまり長く続けて内容が軽くなるのもよろしくないので潮時か? 木々津克久先生の次回作にものすごく期待してます。

試し読みはこちら。短い。〆

※この記事は2012/02/27に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「名探偵マーニー」

名探偵マーニー 1 (少年チャンピオン・コミックス) (Amazon)

オススメコミック。「フランケンふらん」の木々津克久(きぎつかつひさ)著、週刊少年チャンピオン連載中。

女子高生探偵マーニーこと真音(マリオン)の、一風変わった探偵モノ。

天才マッド医学者ふらん、目が見えず耳も聞こえず話すこともできないエスパー少女ヘレン(ヘレンESP)に続き、著者の放つ最新作は少女探偵が主人公。ぼさぼさの髪型を除けば、的確な推理、快活な語りなど、少年少女探偵のステレオタイプに近いマーニーですが、巻き起こる事件の方が特徴的です。

公園で誘拐される子供たち、しかし小一時間もすると無事に帰ってくる、この事件の真相とは? 親戚の結婚式に出席した友人は気になる男性に出会う、続いて葬儀に出席すると再びその男性と出会う、これは運命の巡り合わせなのか、それとも。その他、奇抜な事件が巻き起こり、マーニーが解決に乗り出します。

少年誌らしく、手堅くて楽しめる作品になりそうです。個性的なキャラクターが欠けている気がしますが、今後のテコ入れに期待。〆

※この記事は2012/12/10に「Psychelia.com」に掲載したものです。