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「木根さんの1人でキネマ」



木根さんの1人でキネマ 1 (ジェッツコミックス)

おすすめコミック。アサイ著、ヤングアニマルdensi連載中。

とある会社のOLにして課長・木根真知子(きねまちこ)三十ウン歳。映画好きが興じて、大学時代からずっと「1人でキネマ」という映画感想ブログを更新している。毎週たくさんの映画を見ては、ブログを更新する日々だったが、趣味を分かち合える仲間がいないことがちょっと寂しい。それもそのはず、木根さんの好きな映画は、ちょっと偏ってディープな作品が多いのだ。名作からB級作品まで、映画を見て熱狂したり激怒したり、今日も木根さんは我が道を行く。

映画好きなら、うん、そうなんだよね! と同調してしまうような感想ネタが多く出てきます。第一話から、「ターミネーター」シリーズのどのタイトルが面白かったか=それは「2」一択なのでは? という話題からスタートします。しかし、木根さんの所感は世間とは異なるので、そこで当然摩擦が発生するわけですが、まあ、映画好きあるあるですよ。

ゲームでもアニメでも漫画でもそうですが、人それぞれなんだから仕方ない、というお約束事を越えて毒を吐くという木根さん。時には妥協もするけれど、好きなものを好きと(自宅では)言い切る素晴らしい映画オタです。世間に流されまいとするその姿勢と、しかし社会に出れば完全に擬態し隠れオタに徹するところも共感が持てます。大人になるってことは、程度をわきまえることなのサ……。

登場する映画ネタは、インディ・ジョーンズ、スターウォーズなどメジャー系がほとんどですが、映画のシナリオをオマージュしたようなストーリーになっており、原作を知っているとより楽しめます。基本は洋画ですが、最近では「エヴァンゲリヲン」を扱うなど、懐の広さもあり。ネタも付きそうにないので、今後も長く楽しめそうです。

ああ、マンガ読んでたら「バッドボーイズ2バッド」が異常に見たくなってきた(いや、面白いかどうかはわからんよ?)。久々にTSUTAYAでも行くか……。

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「かげきしょうじょ!」と「かげきしょうじょ!!」



かげきしょうじょ! 1 (ヤングジャンプコミックス)



かげきしょうじょ!! 1 (花とゆめCOMICS)

おすすめコミック。「花宵道中」の斉木久美子著、メロディ連載中。

由緒正しき歴史を持ち、美しく聡明な女子しか入学できない紅華歌劇音楽学校。卒業すると、女子だけのミュージカル劇団「紅華歌劇団」へ入団できるという、いわば養成学校である。元国民的アイドルJPX48のメンバー・奈良田愛は、とある不祥事でJPXをクビとなり、新天地を求めてやってきた。美少女だけどクールで無表情、他人に無関心な愛だったが、同じ紅華の同級生・渡辺さらさの天真爛漫さに影響され、心揺さぶられる。仲良くなりたいとは思わないが、どうしても気になってしまう愛。一方のさらさは、明るく前向きだが、無神経な発言で愛をいらだたせる。果たして二人に友情が生まれることはあるのか……? そして憧れの歌劇団へ入団できるのか?

「かげきしょうじょ!」はヤングジャンプで連載されていた入学前後の話、連載誌をメロディに移して連載再開し「かげきしょうじょ!!」(!が二つ)はその続編となります。この絵柄でなんでヤングジャンプで連載していたのかという謎の作品。一応ジャンルとしては少女漫画ではありますが、男性でも違和感なく読めます。

舞台となる紅華歌劇団音楽学校は、宝塚音楽学校をモデルとしています。生徒たちは、憧れのオスカルやアントワネットを演じるスターになるために、厳しいカリキュラムをこなしながら、友人でありライバルである仲間たちと切磋琢磨していきます。

主人公の奈良田愛と渡辺さらさの二人は、その中でも突出した存在として、ストーリーの中心人物となります。クールで不愛想なお姫様の愛と、怖いもの知らずで長身長(178cm、でかい)の男役さらさのコンビ。性格のまったく違う二人の凸凹友情ストーリーとなっています。

また、紅華歌劇団の対比として、歌舞伎も重要なファクターとなっています。女しかいない紅華歌劇団、男しかいない歌舞伎の世界。これ以上の対比があるでしょうか。ここに気付いた作者はすごいなと感心しました。ちなみに、歌舞伎に影響を受けたさらさは、誰にもまねできないスキルを身に着けていたりします。

ヒロイン二人以外も、魅力的な女の子が多い作品です。夢を目指して奮闘する歌劇学校の生徒たちは、今日も厳しいレッスンに挑んでいるのです。まだ活躍の機会はないですが、個人的に沢田千夏と千秋の双子に期待してます。何か一芸持ってそう。

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「ゆりキャン」

ゆりキャン 1 (ジェッツコミックス)(Amazon)

オススメコミック。原田重光 (企画・原案)、 瀬口たかひろ (イラスト)の「オレたま」コンビの作品。ヤングアニマル連載中。著者の代表作として他に「オヤマ菊之助」など。

超名門女子大に通う女子大生・ゆりか。端正な顔立ちの割に男にモテず、なぜか女子からは絶大な人気で、本人はいたってノーマルな女子だったが、多くの女性から求愛を受け困り果てていた。ある日、ゆりかの父親の会社が倒産し莫大な借金を背負ってしまう。窮地に立たされたゆりかは、女にモテる才能を利用し”スケコマシ”として女に食わせてもらう生活を始めることに……。

ちょっとエッチな青年向けなので紹介を止めておこうと思いましたが(一応全年齢向けのサイトです)、オススメせざるをえない面白さだったので紹介。

スケコマシ、あるいはジゴロと言った方が分かりやすいかと思いますが、女性の家に転がり込んで働きもせず飯をおごらせ金をせびるダメ人間のことですね。通常は男がなるものですが、主人公は女、百合展開が待ってます。主人公はいたってノンケ、対象となる女の子たちも基本的にノンケ。しかしそれすら超越してしまう主人公の魅力とテクニックで、次々と落として虜にしていきます。

虜にして何するかと言えば、ご飯をおごってもらう程度。ただし後半になると、落とせない女をプライドにかけて落とす、というわけわからん展開になっていきます。実にバカな努力ですが、口説き方も馬鹿馬鹿しくて良い。

ゆるいユリよりガチなユリ(?)がお好きな方は是非。〆

※この記事は2011/08/05に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「恋愛怪談サヨコさん」

恋愛怪談サヨコさん 1 (ジェッツコミックス) (Amazon)

オススメコミック。「ああ探偵事務所」の関﨑俊三(かんざきしゅんみ)著。ヤングアニマル連載中。

霊感が人一倍強いカシマサヨコさん。自縛霊を土地の呪縛から解放し、自分に憑かせることができる不思議な女の子。多くの霊を救済し、今では800体を超す霊を連れて歩くほどになってしまった。普通の人がサヨコさんに近付くと、彼らの霊障によりまともではいられない。霊を救うのと引き換えに、人としての営みができなくなってしまったサヨコさんだったが、彼女に触れても何故か平気な男性・稲葉田(いなばでん)が現れる。心優しい稲葉くんに魅かれてしまったサヨコさんは、彼の気を引こうとあの手この手で絡んでいくが……。

一途、というかややストーカー気味のサヨコさんがお茶目なラブストー…リー…? 霊たちがお友達とあって、世間ずれが激しく、稲葉くんに害をなす者は容赦なく呪い倒す怖ろしい一面も。また、稲葉くんから見たら、誰もいない空間(幽霊がいる)に話しかけるサヨコさんは、可愛いけれど不思議な女の子として恐れられている。

果たしてサヨコさんは稲葉くんのハートを射止めることができるのか? 今後も楽しみです。〆

※この記事は2012/05/28に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「そこをなんとか」

そこをなんとか 1 (花とゆめCOMICSスペシャル) (Amazon)

オススメコミック。麻生みこと著、花とゆめCOMICS「Melody」連載中。BS・NHKプレミアムでドラマ化が決定している作品。

お金持ちになるために努力して弁護士になった改世楽子(かいせらくこ)。しかし、法改正のあおりで弁護士が増えすぎて就職難。何とかコネを利用して転がり込んだ弁護士事務所で、悪戦苦闘しながら新米弁護士として歩み出す。

楽子こと通称”らっこ”。貧乏ながらも、持ち前の明るさを活かしてキャバクラでバイトして学費を稼ぎながら学校に通い、念願かなって弁護士に慣れたのに就職先が見つからない。そこでキャバクラ時代に知り合った弁護士の先生に雇ってもらい……というハングリーな弁護士人生スタート。

さまざまな事件が扱われていますが、漫画的な非現実的なお話ではなく、かなりリアルな裁判を元にしています。離婚問題など重い話も面白く読めるように落とし込んでいます。ストーリーがお上手。

らっこのキャラクターも明るい新米、というだけでなく、時折弁護士らしい価値のあるシリアスな言葉を言う時があり、好感が持てます。ある種のギャップ萌えがあります。安定して続きそうなので今後も期待しています。

試し読みはこちら。〆

※この記事は2012/08/27に「Psychelia.com」に掲載したものです。