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「バレーの球語」



バレーの球語(1) (裏少年サンデーコミックス)

おすすめコミック。僕男(ぼくおとこ)著。裏サンデー連載中。個人的にかなりおすすめの作品になりそう。

25歳のフリーター冴島春男。高校時代は熱心にバレーに打ち込んでいたが、今はバイトとパチンコだけのしがない人生。そんな春男に転機が訪れる。友人から高校のバレー部のコーチを務めてくれないかと頼まれ、再びバレーに関われるならと快諾したのだった。しかし、彼が担当することになったのは、男子ではなく女子バレー部だった……。

青年と少女たちのスポコンバレー漫画です。主人公春男と、ヒロインたちの二つの視点から物語は進みます。

自分のミスで最後の大会に負けたことに、今もトラウマを持っている春男。大学ではこれといった目的を持てず中退、その後はなんとなくフリーターを続けているという、なんともパッとしない感じに。思い出すのはかつての自分とミスばかりでしたが、コーチを託されたことで奮起し、再びバレーボールに向き合うこととなります。しかし、男子かと思ったら扱いが難しそうな女子チーム。しかも、思ったより体が動かなくなっている自分に再度失望してしまいます。

そんな彼が出会ったのは、まさにこれからバレーを始めようかという初心者少女・七瀬零奈(ななせれな)。レシーブを教えてと頼む純真で夢見る彼女に勇気をもらい、いつか「どっかんスパイクを打たせてやる!」約束をします。それからは、がむしゃらに、ひたすら自分に向き合い始めます。何かをやるんだ、とにかくやるんだ、やらなきゃだめなんだ、という強い意志を取り戻し、戦う青年(オッサン)が熱く描かれています。

一方で、彼の教え子たちも曲者ぞろい。特に孤高の3年生コンビ美波楓(みなみかえで)と本宮蘭(もとみやらん)は、かつてとある事件で他の部員が去ってしまった後も、二人きりで強くなろうと努力してきた異端の猛者。熱血とか友情とか、少年漫画のような青春を謳歌する少女二人に、春男はどう向き合きあい、信頼を勝ち取ることができるのか。

コーチとして成功し、かつてのトラウマを払しょくすることができるのか、教え子たちはバレーを通して何を学んでいくのか。テーマも面白いし、キャラも可愛いし、色々と展開ができそうで、この先楽しみです。

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「春と盆暗」



春と盆暗 (アフタヌーンKC)

おすすめコミック。熊倉献(くまくらこん)著、アフタヌーン連載終了。

バイト仲間のサヤマさんは、笑顔がチャーミングな女性。でもちょっと変わったところがあって、接客の際、しつこいお客さん相手には、見えないところで手をグーパーグーパー。その理由とは? カラオケボックスにやってきた女子高生、お客様名簿の名前がいつも違う。よく見ると中央線の駅の名前? 連れてくる男性もいつも違う。はたして何者なのか? その他二編、全四編+おまけのオムニバス作品。

今一つパッとしない男子と、ちょっと不思議な発想をする女子の恋愛もの。淡々とした日常の中で、どこにでもありそうで絶対ないファンタジー感がよい。また、変な娘だな……と思いつつも、少しでもその娘の事を知りたいとする男子陣がほほえましい作品。

なんとなく手に取ってみましたが、落ち着いた内容で気に入りました。読了後、連載誌どこだったのだろうか、と巻末を見たらアフタヌーンとあり、ああ、アフタヌーンっぽいわ、と納得(伝われ)。

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「天久鷹央の推理カルテ」



天久鷹央の推理カルテ (1)

おすすめコミック。原作:知念実希人、イラスト:緒原博綺、キャラクター原案:いとうのいぢ。月刊コミック@バンチ連載中。

天医会総合病院統括診断部診療部長・天久鷹央(あめくたかお)。各科で診断困難とされた患者も、常人離れした診察術で、たちどころに診断してしまう天才女医。しかし彼女が診察するのはただの病人だけではない。河童を見た、幽霊を見たなど、患者たちが持ち込む怪奇的な事件に興味を持ち、自ら医療の力で解決に導いていく。

新潮文庫nexの同名小説のコミカライズ版となります。原作者は現役の医師であり、各話の終わりには、筆者の医療トリビアが掲載されています。

医学の力で、不可解な事件を解決していく天才ドクターの話。医療の知識を活かして、患者の症状や事件現場の状況から真相を究明しつつ、さらに病気も治してしまいます。例えるならNHKのTV番組「総合診療医 ドクターG」のような感じです。

天久先生は天才ではありますが、性格や言動にやや難があり、なんでも首を突っ込んでいったり、患者の応対がぶっきらぼうだったりします。しかし、あまりある知識と冷静な判断力で問題を看破していくところが魅力的。

いくつかエピソードがありますが、中でも「不可視の胎児」の話は秀逸。赤ん坊を妊娠したという少女、しかしエコーに胎児の姿は見られない。おそらく想像妊娠かと思われたとき……。ほか、考えさせられるようなエピソードが多く、今後も期待できます。

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「兄の嫁と暮らしています。」



兄の嫁と暮らしています。(1) (ヤングガンガンコミックス)

おすすめコミック。くずしろ著、ヤングガンガン連載中。

両親を早くに亡くし、兄妹二人で暮らしてきた岸辺志乃(きしべしの)17歳。その兄も亡くし、今は兄の嫁の希(のぞみ)さんと暮らしている。血のつながりはないけれど、義姉と義妹として仲良く暮らす二人。面倒見がよく、きれいでとても優しい希さんだが、兄がすでに他界している今、いつまでも甘えていいものかと、志乃は今日も悩むのであった。

義理の姉と暮らす女子高生の物語。義姉・希さんはとにかくできた人で、義妹・志乃が不満を抱くところはない。いつでも優しいし、可愛いし、兄のことを好きだったことが随所に現れ、周りの人を幸せにしてくれるような素敵な大人の女性です。のろけが多いのが唯一の欠点か?

一方の志乃は、いたって普通の女子高生。希さんに頼りたいと思いながらも、あまり煩わせたくないと悩みます。例えばクラスTシャツを作るとき、皆が親にお金を出してもらう中、自分で工面してみたり。義姉との距離感を保とうとしますが、そんな想いも受け止めてしまう希さんに脱帽する日々。

二人の間にいるはずの、兄であり旦那が他界している中、二人の関係がどこまで続くのか、続けていってもよいのか? 自分たちが見ているのは、義姉を通してみる兄の面影、義妹を通してみる旦那の思い出ではないのか。本当は他人の二人の、近いような遠いような姉妹の絆が描かれます。

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「木根さんの1人でキネマ」



木根さんの1人でキネマ 1 (ジェッツコミックス)

おすすめコミック。アサイ著、ヤングアニマルdensi連載中。

とある会社のOLにして課長・木根真知子(きねまちこ)三十ウン歳。映画好きが興じて、大学時代からずっと「1人でキネマ」という映画感想ブログを更新している。毎週たくさんの映画を見ては、ブログを更新する日々だったが、趣味を分かち合える仲間がいないことがちょっと寂しい。それもそのはず、木根さんの好きな映画は、ちょっと偏ってディープな作品が多いのだ。名作からB級作品まで、映画を見て熱狂したり激怒したり、今日も木根さんは我が道を行く。

映画好きなら、うん、そうなんだよね! と同調してしまうような感想ネタが多く出てきます。第一話から、「ターミネーター」シリーズのどのタイトルが面白かったか=それは「2」一択なのでは? という話題からスタートします。しかし、木根さんの所感は世間とは異なるので、そこで当然摩擦が発生するわけですが、まあ、映画好きあるあるですよ。

ゲームでもアニメでも漫画でもそうですが、人それぞれなんだから仕方ない、というお約束事を越えて毒を吐くという木根さん。時には妥協もするけれど、好きなものを好きと(自宅では)言い切る素晴らしい映画オタです。世間に流されまいとするその姿勢と、しかし社会に出れば完全に擬態し隠れオタに徹するところも共感が持てます。大人になるってことは、程度をわきまえることなのサ……。

登場する映画ネタは、インディ・ジョーンズ、スターウォーズなどメジャー系がほとんどですが、映画のシナリオをオマージュしたようなストーリーになっており、原作を知っているとより楽しめます。基本は洋画ですが、最近では「エヴァンゲリヲン」を扱うなど、懐の広さもあり。ネタも付きそうにないので、今後も長く楽しめそうです。

ああ、マンガ読んでたら「バッドボーイズ2バッド」が異常に見たくなってきた(いや、面白いかどうかはわからんよ?)。久々にTSUTAYAでも行くか……。

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「マル勇九ノ島さん」



マル勇九ノ島さん 1 (少年チャンピオン・コミックス)

おすすめコミック。木佐貫卓著、週刊少年チャンピオン連載中。

この世にはさまざまな世界が存在し、それぞれの世界で「勇者」と「魔王」の戦いが繰り広げられている。その勇者を手助けする組織「H・S・C(ヒーローサポートカンパニー)」に入社した天人類のフィオは、勇者様たちの役に立とうと熱望するが、配属されたのは、ダメ勇者を更生させるのが目的の第三課。フィオを導いた奇抜な上司・九ノ島竜一、何やら訳ありのクールな同僚・フレイヤとともに、各世界の勇者のサポートに奮闘する。

タイトルが「マル勇フィオ」ではなく、九ノ島さん、となっており、何やらただの上司じゃないらしいと予感させます。事実、九ノ島さんは、いい加減なようで要点を押さえているキレ者系です。彼にうまく乗せられて、任務にあたるフィオとフレイヤ。世界を救わなくなってしまった勇者たちを説得し、魔王に立ち向かわせることができるかどうか、がメインストーリーとなります。

初単行本ということで、画力は今一歩ですが、独特の世界観を持ち、キャラが立っていて読みやすく、展開も意外性があってよいかと。フィオとフレイヤの成長譚になると思われるので、二人の衝突と友情を熱く描ききってほしいところ。

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「なのは洋菓子店のいい仕事」



なのは洋菓子店のいい仕事 1 (少年サンデーコミックス)

おすすめコミック。「神のみぞ知るセカイ」の若木民喜著、週刊少年サンデー連載中。

丘の上のケーキ店「なのは洋菓子店」。気まぐれな天才パティシエの長男・大夢(タイム)、店をやりくりする次男の正路(せいじ)、末っ子のぱせりの3人が経営中。ただし、お店は経営不振。その理由は……パティシエがケーキを作ってくれないから? 丘の下の和菓子屋「しらかわ」とはライバル関係にあり、しらかわの美人姉妹・ほの香とかの香ともライバル関係。正路は今日もかの香に憎まれ口をたたかれるが、本当は嫌いじゃなくて……。

煙草を吸い、やる気はないけど天才パティシエ。というとんでもないキャラの大夢。ただし、これにはやんごとなき理由があり、物語が進むにつれ、その理由に登場人物たちは振り回されていきます。

店にやってくる個性的な客人のために、さまざまな洋菓子を作ります。グルメ漫画(?)らしく、ストーリーに合わせた洋菓子がたくさん登場しますが、大夢の作るケーキはどれもおいしそうで、たまにはケーキも食べてみたいと思わせるほど。

ラブコメ要素も色濃く、幼馴染でありライバルであるかの香を中心に、さまざまなタイプの女の子が登場します。この辺りは、「神のみ」で培ったキャラクターメイキングが活かされていると思われ、テンプレから少しプラスアルファしたような個性的なキャラが多く新鮮なのが特徴です。

ケーキに恋に。甘いストーリーに癒されます。そして甘いものを食べたくなる作品です。

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「競女!!!!!!!!」



競女!!!!!!!! 1 (少年サンデーコミックス)

おすすめコミック。「揉み払い師」の空詠大智(そらよみだいち)著、週刊少年サンデー連載中。アニメ化。

新体操部でオリンピックを目指せるほどの逸材・神無のぞみ。高校卒業を控え、体育大学への推薦をもらえることになったが、稼げないことを理由に断ってしまう。貧乏な一家を支えるために、彼女が選んだのは「競女」(けいじょ)といわれるギャンブル競技の選手。強い選手になれば億単位の収入があると聞き、後先考えずに競女の選手を目指すことにしたが……。

競女の競技内容は、プールの上に置かれた浮き場の上で、手足を使わずに押し合い、浮き場外へ落とすというもの。古い例でいえば、アイドル水泳大会の浮島戦、最近の例でいえば、DOAエクストリームのどんけつゲーム。競馬のように、誰が勝つかにかける公営ギャンブルということになってます。

複数人での試合が基本で、相手を押し出す手段は主に胸と尻。ゆえにちょっといやらしい戦いになります。物語の最初の方は、ちょっとエッチだけど、競技自体は押し合うだけの地味なお話なのかな……と思って読み始めるのですが、次第に設定がぶっ飛んできて、尻で顎先をかすめて脳震盪……から始まり、ヒロインの必殺技「真空烈尻(しんくうれっけつ)」の衝撃で敵を水着ごと吹き飛ばしたり、一度触った尻の特性をコピーできる「尻の財宝(ヒップ・オブ・バビロン)」、胸をねじってから突撃するドリル乳激(パイげき)「パイ・パイル・パイパー」など、読者のはるか斜め上にイってしまいます。

こうなると単なるエロバカっぽいのですが、ストーリーも手堅く、スポ根ものとしてのお約束を抑えつつ、試合展開と勝敗で荒らしてくるので、かなり熱い(個人的な考え方ですが、主人公が毎回勝つ作品は退屈)。アニメ化も決定しており、この先楽しみな作品です。

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「終電ちゃん」



終電ちゃん(1) (モーニング KC)

おすすめコミック。藤本正二著。モーニング連載中。

JR中央線新宿発高尾行きの最終電車に現れる終電ちゃん。仕事やお酒で帰りの遅くなった人々が、乗り遅れてはならないその日最後の電車、終電。終電ちゃんは、酔いつぶれた乗客たちを叱咤し、電車に詰め込み、明日はもっと早く帰れと檄を飛ばす。そこにはさまざまな人間ドラマがあった……。

終電の擬人化、ということでよいのでしょうか。電車の精霊というか主というか、不思議なキャラクターです。とりあえず、終電の屋根の上に乗って現れます。作品内で、終電ちゃんの存在がなんなのか、明確はされておらず、そこにいて当たり前の存在として描かれています。

終電ちゃんは、乗客たちのアイドルであり、また、頼れる母のような存在。乗客たちの悩みを聞き、トラブルがあれば解決し、あえて嫌われ役になってでも、終電としての職務を全うしようとします。職人気質、時に融通が利かない、プロの終電なのです。

そして、終電はもちろん中央線だけではないので、おてんばな山手線の終電ちゃん、おっとりな小田急線の終電ちゃんなど、続々と終電ちゃん仲間が登場してきます。人間ドラマで終わりと思いきや、終電ちゃん同士のドラマもあり、今後に期待が持てる作品。それにしても、終電の擬人化という発想ができたのが素晴らしい……。

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「お客様は神様です。」



お客様は神様です。(1) (シリウスKC)

おすすめコミック。メイジメロウ著、月刊少年シリウス連載中。

コンビニ業界では有名な魔店・ネコマーケット威張鬼(いばらき)店。ありとあらゆるモンスター客が現れ、過酷な接客に耐え切れず、新人はあっという間に辞めていく……。そんな悲惨な環境で働き続ける青年・白塚佑司(しらつかゆうし)のもとに、新たなバイト志願者、朱羅々(しゅらら)ちゃんがやってきた。笑顔がとてもチャーミング、何かわけありでバイト生活を続ける彼女は、「お客様は神様です」を標語に今日も笑顔の接客。しかしそんな彼女には秘密があって……。

タイトルのように、「お客様は神様」であることを徹底するために、どんなに粗野な客も丁重におもてなしをする朱羅々。彼女に触発されて周りも……とはいかず、お客様のご要望ならと、殴られても平気だったり、強盗にも笑顔で接客等の度を越した徹底ぶりにややヒキぎみ。すべては親の借金を返すため、けなげに働く仏のような朱羅々でしたが、怒らせるととんでもないことが起こってしまいます。

キツネ目のヒロイン朱羅々が非常にかわいらしく、しかし精神的にも肉体的にも恐ろしい、という非常に困ったキャラクター性が魅力の作品です。お客様のためならば……を基準に行動を起こすため、何をどう解釈されるか分らず迂闊なことを言えない恐怖。

奇想天外なモンスター客と、度を越した店員朱羅々にはさまれ、白塚に安息の日はありません。さらに朱羅々のニート兄・鬼童丸(きどうまる)も加わり、今日もネコマーケットに騒動が……。

試し読みはこちら〆。

「会いにいくよ」


会いにいくよ (少年マガジンコミックス)

オススメコミック。原作のぶみ、「はじめの一歩」の森川ジョージ著、週刊少年マガジン連載終了、完結。

元暴走族の異色絵本作家・のぶみの体験記をマンガ化。2011年3月11日東日本大震災。東京で被災したのぶみは、被災者の子供たちを少しでも励まそうと、協力者たちから4000冊もの絵本を集め、被災地に贈る。しかし、のぶみの元には、被災者のことを考えていない、無神経で自分勝手、偽善であると非難が集中する。そんなつもりではない! このままじゃいけないと、思い立ったのぶみは被災地にボランティアに駆けつけるが……。

偽善と言われても、がんばって被災者の役に立つんだ、という内容の本です。一方で、一人の人間ではどうしようもない、現実の壁にぶち当たり、苦悩し続ける主人公が強く印象に残ります。

当時が誰もが感じた、何かしなきゃならないけど、何をすれば良いのか良く分からない。援助物資を送りたいけれど、交通事情などでままならない。ボランティアでさえ足手まとい。そういった状況と、感情がよく表現されている作品だと思います。

ボランティアに出かけていき、被災者の役に立ってはいるのだけれど、片付けるべき瓦礫の量が膨大すぎて立ちすくむ主人公ら。決して観光に来たわけではないけれど、装備の甘さ、無計画性、手作業による非効率性など、自己満足と言われても否定できない状況が、ますますみじめにさせていきます。

それでもなお、できることを一つ一つこなしていき、子供たちの笑顔と出会う。ガレージに船が突き刺さった工場を掃除する、工場がいつ再開するとも知れず。決して大きなことではないけれど、自己満足かもしれないけれど、世の役に立つ仕事をこなし、家路につく。街の灯りを見て何を思うか。一人の絵本作家の5日間。そんな作品です。

試し読みはこちら。〆

追伸
迷いましたが、リンクしておきます。
3.11① 東日本大震災発生時のNHKの実況(Youtube)

「ツイテル彼女」

ツイテル彼女
ツイテル彼女。 (1) (電撃コミックスNEXT)

オススメコミック。二区著、電撃D-MANGAオンライン連載中。

吉田一樹は、29歳奥手の童貞サラリーマン。そんな彼に美人の彼女ができた。彼女の名は双葉さん。可愛くて優しくて天使のような女性。しかし双葉さんは、女性でありながら男性器のツイテル彼女、ふたなりの女性なのであった。相思相愛ながら、刺すか刺されるかの禁断の関係。吉田君の恋の行方は……。

いわゆるTS(Transsexual(性転換))とは異なり、女性器も男性器も最初からついてる女性と付き合う事になった男性の話。自分の彼女はすごい可愛いけど、股間にはアレがあるという、主人公・吉田君のジレンマと、一方のツイテル彼女・双葉さんも自分の身体について苦しんでいるという悲哀を描いている……作品ではありますが、双葉さんが性的にかなりオープンな言動をする人で、しかもどちらかというと男性寄りな発言が多く、吉田君の尻の穴で童貞卒業を狙っているという、恐るべきラブコメ。

これはゲイなのか、それとも正常な愛の形なのか、判断しかねる状況ではありますが、双葉さんが可愛いのには変わりなく、主人公と読者を混乱させます。こんな彼女になら掘られても……いやいや、やばいやばい。

巻末では、双葉さんの幼なじみで、ワケありの美人歯科助手・篠原愛も加わって、さらなる混乱を巻き起こしていきます。果たして吉田君が無事童貞を卒業する日は来るのか、二人の愛はどのような方向へ向かっていくのか、注目せざるを得ない怪作です。もっと注目されるべき。

読んでおいて損はない、試し読みはこちら〆。

「無敵看板娘」


無敵看板娘 1 (少年チャンピオン・コミックス)(Amazon)

オススメコミック。週刊少年チャンピオン連載終了、全17巻完結(続編「無敵看板娘ナパーム」も全3巻完結)。佐渡川準著。著者は8/13未明に逝去、享年34歳、死因は首つり自殺か。ご冥福をお祈りします。

とある町の小さなラーメン屋・鬼丸飯店の看板娘・鬼丸美輝。彼女の主な仕事は出前……なのだが、少年野球に乱入したり、不良を退治したり、道草くってサボりまくり。特に向かいのパン屋の看板娘・神無月めぐみとはライバル関係にあり、何かと張り合ってはご近所に迷惑をかけている。童心を忘れない、いい大人が暴れまくる格闘ギャグ漫画。

第一話で、ヒロインが母親の鉄拳制裁を受けゲロを吐くという、斬新な始まり方をする作品。ヒロイン美輝は、最強の母親から受け継いだ「鬼丸流葬兵術(即興技)」を駆使し、ライバル達とバカバカしい戦いを繰り広げます。まともに出前に行けない、という致命的な看板娘。とにかく悪が大嫌い、正義のために子供の喧嘩にも首を突っ込むというアホ娘。しかし、その天真爛漫さが町の人たちから愛されています。

個人的に好きなエピソードは、サーカス団を抜け出したキリンとガチで戦うお話(153話「迷える巨獣」)。”キリンの蹴りは大抵の動物をしに至らしめる破壊力”であり、加えて凄まじいリーチのヘッドバッドに対し、真っ向勝負を仕掛ける人間代表、ラーメン屋の出前・鬼丸美輝。はたして勝敗の行方は!? という、すごい発想のエピソードです。

この作品はアニメ化され、そこそこの人気だったと記憶してます。原作に忠実だったのは良かったです。以下、オープニング映像ですが、もちろん本編はこんなにシリアスな話ではありません。

試し読みはこちら

「千年万年りんごの子」

千年万年りんごの子(1): 1 (KCx(ITAN))(Amazon)

オススメコミック。田中相(たなかあい)著、コミックITAN連載中。

まだ田舎の風習や言い伝えの残る、昭和後期の話。赤ん坊の頃、親に捨てられてお寺の養子となった青年・雪之丞。大学卒業後、青森のりんご農家の娘・朝日との縁談がまとまり、婿養子となって、夫婦でりんごを栽培することになった。戸惑いながらも田舎の暮らしに順応していく雪之丞だったが、ある日手に入れた不思議なりんごを朝日に食べさせたために、夫婦を引き裂く不可思議な事件に巻き込まれていく。

落ち着いた感じの夫と、明るく朗らか元気嫁のりんご栽培記…と思いきや、思わぬファンタジーが始まる作品。口にしてしまったのは村の禁忌、決して取ってはいけないりんご。しだいに朝日の身体に影響を与えていきます。雪之丞はそうはさせじと対策を講じていきますが、りんごの力には及ばず……。

時間制限があるため、それまでに雪之丞が何とかすることができるのか、引き裂かれていく夫婦愛を取り戻すことができるのかが見所。試し読みはこちら〆。

「ジゼル・アラン」

ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)(Amazon)

オススメコミック。笠井スイ著、隔月刊漫画誌「Fellows!」にて連載中。

世間知らずのアランお嬢様が、何でも屋「ジゼル・アラン」を開店。犬の散歩から夜逃げまでをモットーに、訪れる人々の小さな依頼を請け負っていく。助手のエリックをこき使って……。

おそらくワケありで家を飛び出したお嬢様が、自立と社会勉強と好奇心のために働くお話は、まあ、予想通りの”私何も知らなかった”展開となるけれど、脇を固めるキャラクターが魅力的だし、各話の構成がしっかりしていて読みやすい。

そうでなくても、ジゼルが可愛いからすべてが許される感じ。とにかく表情が豊富で、笑ったり怒ったり忙しい。服もいいものをたくさん持ってます。性格は好奇心旺盛、行動的、利発。見ていて飽きない娘です。

隔月刊ということで、次巻が出るのがいつのころやらですが、次も買ってみようと思います。〆

※この記事は2010/09/27に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「淀川ベルトコンベアガール」

淀川ベルトコンベア・ガール 1 (ビッグコミックス)(Amazon)

オススメコミック。村上かつら著、「月刊! スピリッツ」連載。

家庭の事情で高校に行けず、淀川沿いのベルトコンベア工場で働く少女、瀬川かよ。一人ぼっちの彼女には友達が欲しいという切実な願いがあった。淀川を走る電車の橋の下で、願いを叫ぶと叶うというおまじないを信じ、「ともだちが、ほしい!!」と叫ぶと、ある日工場にクールな美少女がやってきた。工場には場違いな彼女の名は、黒埼那子。何か理由があってアルバイトを始めたらしいが……。はたして、かよは那子と友達になることができるのか。

大人たちと働き同世代の友達がいないかよと、学校で好きでもない友達に囲まれている那子。工場で働くかよと進学校に通う那子。寮生活のかよと家族と暮らす那子。まったく異なる二人の少女の友情ストーリーです。友達とは何なんだろうか、と考えさせられる作品。

1巻はかよが主役、2巻は那子が主役の修羅場。負けるな那子。なんとかついていけかよ。〆

※この記事は2011/04/11に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「君と僕のアシアト~タイムトラベル春日研究所~」

君と僕のアシアト~タイムトラベル春日研究所~ 1 (ジャンプコミックスデラックス)(Amazon)

オススメコミック。よしづきくみち著、スーパージャンプ連載中。「魔法遣いに大切なこと」「フレフレ少女」のコミカライズを手掛けた著者のオリジナル作品です。

若き科学者・風見鶏亜紀(かざみどりあき)が経営する春日研究所は、研究所のある春日市内を20年間に渡りスキャンし続けたデータによって、望む時間・場所を模した架空の世界を脳内に再現することができる。被験者はまるでその時にタイムトラベルしたような体験ができるが、あくまで架空の世界であるので、現実の世界には影響を与えない、というもの。

よくあるタイムトラベルものですが、あくまで疑似体験であり、何かしたところで世界の改変はされない、という点で異なります(ただし架空世界に干渉することはできるし、短期間であれば生活が可能)。

現時点で最新刊は3巻。最初の方は忘れていた約束を思い出したり失くした物を探したり、イイ話の佳作ですが、最愛の妹の瑞紀(みずき)の登場とアシアト部屋の存在が分かってから一気に面白くなります。結構長く続きそうなので今後に期待。

なお、試し読みはこちら(集英社漫画ネット)。〆

「ヒナまつり」

ヒナまつり 1 (ビームコミックス)(Amazon)

オススメコミック。大武政夫著、Fellows! 連載中。

ヤクザ・新田の元に突然降ってきた超能力少女・ヒナ。正体不明の彼女は、超能力による見えない暴力を振るい強引に居候を決め込む。わがまま放題のヒナに翻弄される新田であったが、窮地に陥った時ヒナに助けられ、この奇妙な共同生活を認めるのであった。

ヤクザと超能力少女のバディもの……というかコメディ。強者であるはずのヤクザが少女一人に翻弄され、一方の少女はヤクザを頼らなければ生活できない、二人の年齢は親子ほど離れているという、一風変わったシチュエーション。これが高校生と異世界少女ならよくあるラノベですが、組み合わせの妙がいたるところで活きています。

本編中の新田の台詞「何この…世話係みたいな感じ……。」という言葉が示す通り、押しかけ女房と言うよりも変な小動物が住み着いちゃったような共同生活が面白い。ただし、ヒナが突如出現した理由は今のところ謎。彼女の秘密が物語に含みを持たせている。コメディとして上々、ストーリーの続きも気になる良作。試し読みはこちら。〆

※この記事は2011/07/25に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「みそララ」&「恋愛ラボ」

     

みそララ(5) (まんがタイムコミックス) | 恋愛ラボ(6) (まんがタイムコミックス) (Amazon)

オススメコミック。宮原るり著。まんがタイム連載中。ヤングキングアワーズで「僕らはみんな河合荘」を連載中の著者の代表作。

突然会社が倒産し、デザイン会社に再就職することになった麦田美苑(むぎたみその)。経理兼新米ライターとして、個性的な社員とともに今日も仕事に励むのであった。

著者が元々デザイン会社の人間とあって、実体験をモチーフにしたお仕事系4コマ漫画。成功と失敗を繰り返しながら、少しずつ成長していく主人公の麦田美苑と、同僚の美人デザイナー・米原梨絵、駆けだし営業・粟屋真琴の穀物トリオ(麦・米・粟)で仕事に臨む。辛いことも多いけれど、良いものを創るために、楽しく仕事に取り組む姿勢が素敵。がんばれば必ずしも報われるわけではない、という現実も描かれており、好感のもてるプロットが多い。

ただし酒を飲むと豹変するので注意。

一方、美苑の働く会社のシスコンデザイナー・棚橋の妹が登場するのが、まんがホームにて連載中の「恋愛ラボ」(ラブラボ)。上記作品と一部で話がリンクしています。

お嬢様学校として有名な私立藤崎女子中学の生徒会長にして、品行方正、容姿端麗、成績優秀、学園のアイドル”藤姫”こと真木夏緒。一方、素行不良で自称恋愛の達人(嘘)、違った意味でアイドル”ワイルドの君”こと倉橋莉子。ある日、莉子が生徒会室に届け物を持っていくと、抱き枕とキスの練習をする真木の姿があった。生徒会長の誰にも言えない秘密、それは生徒会室で一人取り組む、素敵な彼を射止めるための「恋の練習」。秘密を共有するために、半ば無理やり生徒会役員にされてしまった莉子は、真木とともに今日も恋愛の研究に取り組むのであった。

お姉さま方が仕事してるのに、こちらは恋愛の研究、というか妄想恋愛に取り組むのである。研究のお題目は「曲がり角での上手なぶつかり方(全力疾走)」「魅力的なうなじの見せ方(ティモテ)」など、定番? なものを変化球で再現練習します。

普段は優秀な生徒会長が、恋愛研究に関してはウブというかバカで可愛い。生徒会役員も徐々に増え、気になる相手も出てきてついに実践の時が?

ただし真木に「ランジェリー」は禁句。理由は見てのお楽しみ。

「みそララ」試し読みはこちら。「恋愛ラボ」の試し読みはこちら。〆

※この記事は2011/11/28に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「桃色メロイック」

桃色メロイック 1 (ヤングキングコミックス)(Amazon)

オススメコミック。福田晋一著、ヤングキング連載中。

ガテン系で元ヤン風の四宮大和。仕事に打ち込み、喧嘩も強い、ぼちぼちモテる彼だったが、惚れた相手は16歳の女子高生で自分の妹・四宮まさきだった。友人の制止も聞かず、周りの目も何のその、今日もまさきを迎えに学校へ……。

ヤングキングで妹萌え漫画をやるとこうなる。主人公は平凡な学生でもオタクでもなく、現実味のあるガテン系青年。一見まともですが、しかし中身は妹に欲情してしまうほどの危ない人。妹以外は基本的に全部ブスという怖ろしい感性を持ち、他の女のどんな誘惑も跳ね除ける鋼の変心を持っています。

一方の妹・まさきは、お兄ちゃん好きだけれど、当然恋愛感情ではなく、兄の恋心も知らないという状況。歳の割には精神年齢が低く、甘え上手の天然風。かなりキュートな女の子。さぞかしもてるでしょう。

大和の恋心は周囲の人間を巻き込みながら暴走していきます。果たして野望のままに妹と添い遂げることができるのか。それとも無事更生してまともな青年に戻ることができるのか。ヤングキングがどこまでやるのか楽しみにしています。〆

※この記事は2013/02/04に「Psychelia.com」に掲載したものです。