タグ別アーカイブ: 秋田書店

「マル勇九ノ島さん」



マル勇九ノ島さん 1 (少年チャンピオン・コミックス)

おすすめコミック。木佐貫卓著、週刊少年チャンピオン連載中。

この世にはさまざまな世界が存在し、それぞれの世界で「勇者」と「魔王」の戦いが繰り広げられている。その勇者を手助けする組織「H・S・C(ヒーローサポートカンパニー)」に入社した天人類のフィオは、勇者様たちの役に立とうと熱望するが、配属されたのは、ダメ勇者を更生させるのが目的の第三課。フィオを導いた奇抜な上司・九ノ島竜一、何やら訳ありのクールな同僚・フレイヤとともに、各世界の勇者のサポートに奮闘する。

タイトルが「マル勇フィオ」ではなく、九ノ島さん、となっており、何やらただの上司じゃないらしいと予感させます。事実、九ノ島さんは、いい加減なようで要点を押さえているキレ者系です。彼にうまく乗せられて、任務にあたるフィオとフレイヤ。世界を救わなくなってしまった勇者たちを説得し、魔王に立ち向かわせることができるかどうか、がメインストーリーとなります。

初単行本ということで、画力は今一歩ですが、独特の世界観を持ち、キャラが立っていて読みやすく、展開も意外性があってよいかと。フィオとフレイヤの成長譚になると思われるので、二人の衝突と友情を熱く描ききってほしいところ。

試し読みはこちら。〆

「絢爛たるグランドセーヌ」


絢爛たるグランドセーヌ 1 (チャンピオンREDコミックス)

オススメコミック。「ドロテア~魔女の鉄鎚~」「籠女の邑」のCuvie(キューヴィー)著、チャンピオンRED連載中。

お隣のお姉さんに憧れて、バレリーナになることを決意した少女・有谷奏(ありやかなで)。体格、柔軟性、音感、秀でた所はない平凡な子であったが、優れた観察眼と学習能力、そしてバレエへの情熱で徐々に頭角を表していく。

バレエマンガと言えば曽田正人の「昴(すばる)」のイメージが強いのですが、あちらは奇人じみた超天才なのに対し、こちらは比較的平凡な普通の小学生の女の子、といった感じ。バレエは幼少のころから始め、ローザンヌなどのコンクールを経てプロになっていくのが常道。したがって、漫画でも幼少のころからの成長の過程を描かれるのが定番となっており、本作も今は「小学生編」と見るのが良いでしょう。憧れのお姉さん、厳しい先生、将来は強力なライバルになりそうな友人、登場人物は整ってます。成長していくのが楽しみ。

主人公・奏の秀でたところは、疑問を感じたら、まず自分で考え、識者に相談し、解決策を模索するところ。前述した通り、決して天才肌ではないけれど、努力と感性によって大成していくタイプの女の子。問題にぶち当たって悩み苦しみながらも、逆境を糧に羽ばたいていく様は見事。素直にがんばれと応援したくなる、正統派のスポーツもの主人公です。まだまだバレエが楽しくてしょうがない、といった風ですが、この先、様々な障害や苦悩を味わう事になるのでしょう。困難を撃ち破って強くなるヒロインの姿に注目です。

…余談ですが。平積みされていたのを筆者を調べず衝動買いし、読み終わった後、確認してみたら、なんと著者はCuvie先生ではありませんか! 成年コミックを中心に、いくつか著書があるのは知っていましたが、他作品がどうにも煮え切らない感じだったのに対し、本作ではガッツリ読める作品になっていてビックリです。

一体何が…と思って調べていたら、先生は元々バレエをやっておられたとのこと(というか女性だったのを初めて知った)。これはますます期待大。なお、特集ページはこちら、で、試し読みはこちら

「フラグタイム」

フラグタイム(1) (少年チャンピオン・コミックス・タップ!)

オススメコミック。「りびんぐでっど!」のさと著、Champion タップ!連載中。

3分間だけ、時を止めることができる女子高生・森谷美鈴。内気な彼女は、困ったことがあると時間を止めて逃げだしてしまう悪い癖がある。そんな彼女の趣味は、止まった時間の中での人間観察。ある日、時間を止め、出来心からクラス一の美少女・村上遥のパンツを覗いていると、止まった時の中で遥だけが動き出す。時間と覗きの秘密を知られてしまった美鈴は、秘密を守る代わりに遥のお願いを聞くことになるのだが……。

時を止める百合漫画です。時を止めて自分だけの世界を楽しんでいた美鈴にとって、遥は明らかに侵入者であるのですが、一緒に悪戯を繰り返していくうちに共犯者へ代わり、次第に恋愛の対象となっていきます。

一方で、自分は利用されているだけなのかもしれない、彼女に抱く恋心は女の子としておかしなことかもしれない、遥にとって自分はどんな存在なのか、悩み苦しむことになります。やがて時を止めることが怖くなり、否応なく現実から逃げることができなくなって、自分だけの世界が崩れ去っていきます。

シンプルな変態百合ものかと思った出だしですが、次第に真剣味を帯びてくる美鈴の心理描写が良く描かれている作品です。もう一方のヒロインである遥は、小悪魔系でつかみきれない複雑な心象が魅力的。端的に言うと、何考えているか分からないお年頃の女の子、しかも美少女。

一般誌に比べると地位が低いとされるWebコミックですが、たまに秀作が出てくるから面白い。長く続けるとだれてくるので、そこそこ続けて欲しい良作。試し読みはこちら〆。

「スクール人魚」

スクール人魚(1) (チャンピオンREDコミックス)

オススメコミック。「RAY-レイ-」「地球の放課後」の吉富昭仁著。チャンピオンRED連載終了、完結。

夜中、学校のプールでおまじないを唱えると「人魚」が現れる。そしてその「人魚」の肉を食べると恋がかなうと言うウワサがあった。春子と芳子の二人が、こんな荒唐無稽のウワサを信じたのは、実際に体験した女の子の手記を見つけたからだ。二人は「人魚」を捕えるための武器を持ち、夜の学校に忍び込んだのだが……。

凶器を振り回しながら人魚を追い回すというおどろおどろしい内容の作品ですが、狩猟の対象である人魚がスクール水着の少女たちなので、なんとなくエロチックな感じになってます。学校に出現する人魚なんだからスクール水着だろうというコンセプトだけでも面白い。

人魚を捕まえて食べて恋愛成就、を基本エピソードとし、シチュエーションの異なる複数のコンビが挑みます。しかし、人魚は校舎内を縦横無尽に泳ぎまくり、簡単には捕まりません。そこで明かされる手記には書かれていなかった内容、もし人魚を捕まえることができず朝を迎えてしまったら……。

全2巻と短い内容ですが、中身が濃く、きれいにまとまっており、それでいて少しエロス。少し変わった作品を読みたい人には推奨です。〆

「しこたま」

       

しこたま 1 (少年チャンピオン・コミックス) (Amazon)

オススメコミック。ニシカワ醇著、別冊少年チャンピオン連載中。

子供のころからの夢”甲子園出場”を目指し、超強豪校・国際天上学園に入学した少女・剛力たま。父との猛特訓で身に付けた「ノーザンクロス投法」より繰り出される速球で、エースとして大活躍する……はずだったが、女子と言うことで入部できず。たまは新しいチームを作り、試合で勝った方が公式な野球部となる賭けに出る。

一方、相撲部では、角界入りが目標と言う少女・大関しこが、圧倒的な強さで道場破りを達成していた。しかし彼女もまた、相撲は女人禁制、しかも上半身裸で取り組むなど破廉恥過ぎるという理由で入部を拒まれてしまう。道場破りの一部始終を見ていたたまは、しこの資質を見抜き、彼女こそ新チームのキャッチャーにふさわしいと勧誘をするが……。

大筋では、よくあるスポ根漫画(女子でも男子に勝てるぞ系)なのに、主人公たちの設定が異色なために、真剣にやればやるほどエロとコメディ色が強くなる変な作品。

例えばピッチャー”たま”は、筋力アップのためのウェイトを、ウエスト、アーム、二―ソックス、さらにブラパッド(50kg×2)、ブルマ(100kg)に仕込むという徹底ぶり。その全てを外した時に真の力が出せます。また、何故かスカートをはいたまま投球することが多く、投げる度にパンチラ…というかパンモロです。

キャッチャー”しこ”は、幼少より力士になるべく育てられたため、マワシ一丁でも羞恥心がありません。(一応少年誌なので)長い髪で乳首を隠し、半裸でバッターボックスに立ちます。野球はど素人ですが、相撲で鍛えられた強靭な下半身と、規格外のパワーで活躍。その他、何かやるたびに大抵は胸圧で制服が吹き飛びます。

一見するとエロコメのようですが、当人達が真剣で、まったく照れる様子がないために、だんだん露出が気にならなくなります。マワシ一丁でバッターボックスに立っていても違和感がない。いや、だいぶあるけど、まあいいか、みたいな。

とりあえず、”しこ”と”たま”がいれば、どんな展開になろうとこの作品は成立します。野球じゃなくてもいいくらいなので、名作「わたるがぴゅん」のようなトンデモ野球、無茶苦茶展開を期待しています。〆

「実は私は」

実は私は 1 (少年チャンピオン・コミックス)(Amazon)

オススメコミック。増田英二著、週刊少年チャンピオン連載中。

考えていることがすぐ顔に出てしまう高校生・黒峰朝陽(あさひ)。嘘のつけない男、隠しごとのできない男として、ついたあだ名が”穴の開いたざる”通称”アナザル”。そんな彼は、クラスの同級生・白神葉子が好きだったが、なかなか告白できずにいた。白神は容姿端麗で口数が少なく、人付き合いも少ないミステリアスな女。友人に励まされ、意を決して告白に向かった朝陽であったが、放課後の教室で見たものは、牙を出し大きな羽を広げて伸びをする白神の姿だった……。

実は私は吸血鬼。秘密がばれてしまったら、学校を辞めなくてはならないけれど、黒峰君が秘密を守れるなら問題ない。しかし、アナザル朝陽が秘密を守り通すことができるのか? 彼らをつけ回すゴシップ好きの新聞部がいたり、白神以上にミステリアスな学級委員長がいたりのドキドキハラハラ系ラブコメ。

普段は無口で気難しい感じの白神ですが、気を許した朝陽の前では、関西弁でフランクな話し方をする女の子。朝陽に負けず劣らず考えていることが顔に出るわ、決して知られてはいけない秘密をあっさり見つかるわで結構ドジで可愛い。

設定はベタながらも、魅力的な登場人物と、展開の良さで読ませます。あと、朝陽は友人に恵まれていてうらやましい。いい奴ばかりです。試し読みはこちら。〆

「死人の声をきくがよい」

死人の声をきくがよい (チャンピオンREDコミックス) (Amazon)

オススメコミック。ひよどり祥子著。チャンピオンRED連載中。

死んだ人間の姿が見える少年・岸田準は、ある日、行方不明になっていた幼なじみの早川涼子の霊を見る。何かを訴えかけようとしている早川の後について行くと、不気味な洋館にたどり着く。そこには生前の早川のものらしき耳が落ちていた……。

遊びのない、直球勝負のホラー漫画です。古くもなく新しくもないですが、安定して怖くて面白いです。

行く先々で悪霊が原因のトラブルに巻き込まれる早川君ですが、まったく喋らない(喋れない?)早川さんが、能面のような表情のまま、身振り手振りで手助けしてくれます。また劇中、早川さんは自分の通夜に参列するという、史上類を見ないウルトラCを達成します。

自分の事件が解決しても、岸田君の元を中々去ろうとしない早川さんですが、その理由が物語の大きな鍵になりそうです。〆

※※この記事は2013/02/11に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「釣り屋ナガレ」

釣り屋ナガレ 8 (少年チャンピオン・コミックス)(Amazon)

オススメコミック。竹下けんじろう著、週刊少年チャンピオン連載終了作品。

釣りを題材にした漫画です。もうすぐ完結全11巻。何となく8巻の表紙が好きなのでサムネイルにしてみました。ワカサギ釣って天ぷらにしてウマいの図。

主人公の釣り屋・流氷馬は釣りで生計を立てながら全国を巡っている少年。氷馬が扱うのは釣果、釣り場の情報、エサなど釣りに関するものすべて。依頼人の要望に応え、あるいは未知の獲物を釣るために創意工夫を凝らして戦う物語。

途中、連載の中断もあって勢いが落ちますが、あの手この手で魚達と戦うナガレが素晴らしい。特に対マグロ戦はアイデアが斜め上をいきすぎてツッコミようがない釣り方をします。釣るというか襲いかかるというか……。他にもいろいろ、釣りが好きなら見ておいて損はないでしょう。〆

※この記事は2011/03/07に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「てんむす」

てんむす 1 (少年チャンピオン・コミックス)(Amazon)

オススメコミック。稲山覚也(いなやまかくや)著。週刊少年チャンピオン連載中。

その昔、巫女たちが祭祀の際に行ったとされる大食い競技があった。天地の恩恵を受ける巫女らは人々に尊敬され「天壌宇迦産霊神子(あめつちうかむすびのみこ)」、すなわち「天娘(てんむす)」と呼ばれた。

時は流れ現代、祭祀は天食祭と呼ばれ今も続いていた。選手はみな女性で学生、聖地・以勢神宮での全国大会を目指して、各校の食い道部による戦いが行われている。小さな体に似合わず大食いの少女・春風天子は、食いしん坊であることから女の子扱いされないことに悩んでいたが、大食い競技の魅力にひかれ(大食いでも美しい部長に魅かれ)競技に打ち込むことになった……。

大食いという珍しいジャンルの漫画です。本作では大食いをスポーツと位置付け、勝つための大食い技術、知識、科学などのウンチクを散りばめながら、青春モノとして楽しく読めるようになっています。

そば14人前やらカツ丼3人前とか聞くだけで胸がむせてしまいそうですが、天子は極上の笑顔で楽しそうに食べる不思議な娘(んっ…まいよぉ~♪)なので不快感を感じない。苦痛に顔をゆがめるライバルたちとの対比もあって可愛らしい。また、食べるモノによって戦略が変わるのが良い。ただ食ってるだけではダメ。かつ食ってばかりでもないので、お話としても面白い。これは良作。

現状の最新巻は第2巻で、食い道部の仲間たちのエピソードを抑えつつ、いよいよ天食祭予選が開幕、1回戦を戦っています。展開として、大会が始まるのがちょっと早すぎるような気もしますが、まだまだ伸び白十分。今後も期待。〆

※この記事は2011/08/15に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「ライコネンの熱帯魚」

ライコネンの熱帯魚 1 (チャンピオンREDコミックス)(Amazon)

オススメコミック。山西正則著、チャンピオンRED連載中。

誰も訪れない、校舎の奥の一室にある熱帯魚愛好会の部室。そこに棲む少女・ライコネンは、フィンランド生まれの魔女。40年間も学校に居ついて、魔術の研究と新薬の開発、そして熱帯魚の飼育を続けている。ひょんなことから、魔女ライコネンに感銘を受けた少年・瀬古原は、即座に愛好会に入会するが、掛け持ちしている美術部の活動で飼育をさぼりがち。ある日、彼の愛魚エンゼルフィッシュが死にかけてしまう。ライコネンに助けを求めると、「今後この子を”一生”かけて世話をすること」を条件に、治療をしてもらうことになったが……。

熱帯魚飼育のウンチクが詰まったラブコメ。ライコネン先輩の怖ろしい「人類品質改良実験」の被験者となった瀬古原くんと、愛魚エンゼル、彼らを取り巻く面々のドタバタものです。そんな中で、クールで無表情・無感動なライコネン先輩が徐々に人間らしくなっていくという部分もあり。

著者の作品としてはこれが初単行本とのことですが、非常に漫画がうまい。いくつか印象に残るカットもあり、展開もおもしろく、登場人物も魅力的。連載誌がチャンピオンREDということで女子多目ですが、描き分けもできているしエロさがないので気にならない。キーワードとなる熱帯魚は要所要所で大切な役割を持ち、ウンチクが小出しにされるので飼ってみたいなあとも思わせる。一方で金がかかるんだな、とも。

今後の展開にかなり期待。〆

※この記事は2011/10/06に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「空が灰色だから」

空が灰色だから 1 (少年チャンピオン・コミックス) (Amazon)

オススメコミック。阿部共実著、週刊少年チャンピオン連載中。

年頃の少年少女たちの変な青春ショートストーリー。基本的にはコメディ、のはず。

妙ちくりんで痛々しいヤツがわんさか出てきます。恥ずかしがりを克服しようと、バニー服で深夜徘徊を試みるおバカ。レアなブランド服を手に入れるために、運命とかいう憎いあいつと全力で戦うおバカ。みんなもやってるガガスバンダスにのっかる……のっかりたいけどあれぇ?な、おバカ。

ちっとも甘酸っぱくねぇ、毒々しい辛口の青春の勘違いが詰まってます。お前はどうしてそうなっちゃったのよ? という感じに。絵柄がそんなにかわいくはないけれど、だからこそ、話の中身で戦っている素敵マンガ。是非おすすめしたい。〆

「昭島スーサイド☆クラブ」

昭島スーサイド☆クラブ 1 (チャンピオンREDコミックス)(Amazon)

オススメコミック。菅原キク著、チャンピオンRED連載終了(面白いのに)。

舞台は東京・昭島(あきしま)。佐倉涼介はどこにでもいる普通の高校生。怖い不良には逆らわず、二―トの兄を煙たがりながらも世話を焼き、やり場のない怒りを抱えながら日々を過ごしていた。ある時、不良同士の喧嘩に、なぜか魔法少女のコスプレをした少女が乱入し、不良たちをホウキで殴り一掃する奇異な現場を目撃する。よく見ると、コスプレ少女の正体は、クラスメイトで学園一の才媛・垣之上すうであった。不良相手に怯まず問答無用で戦う彼女に魅かれた涼介は、自分も仲間に入れてくれと頼みこむ。彼はその日から「昭島スーサイド☆クラブ」の一員となったのであった。

普段は物静かな優等生の少女、しかし放課後は街を守る正義の味方「ケアリー☆マジック」としてコスプレして戦います。彼女の戦う理由は、理不尽で不合理な世の中を否定するため。当人の言葉を借りるなら「世界に違うというために」。過去彼女に何があったかはまだ明かされませんが、殴られ傷ついてもへこたれず、死ぬ気(スーサイド)で戦う姿勢には狂気すら感じます。

そんな”すう”がリーダーのチーム「昭島スーサイド☆クラブ」には、喧嘩がめっぽう強いが妹には甘い男・宍戸、難聴の美少女だけど毒舌筆記の春奈という個性豊かな仲間がおり、涼介は4人目の加入者となり、街にはびこる悪と戦っていきます。

主人公だけが普通の人なので、格好良く勝利することなどほとんどなく、泥臭い戦いを強いられますが、めげずに戦い続ける若さが魅力的。そして、常に危なっかしさを感じさせる「ケアリー☆マジック」の活躍に期待。この娘はネジが飛んでいる。〆

※この記事は2013/01/27に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「フランケン・ふらん」

フランケン・ふらん 8 (チャンピオンREDコミックス)(Amazon)

超オススメコミック。木々津克久(きぎつかつひさ)著、チャンピオンRED連載終了、最終巻。何度か取り上げてきましたが、これで終わり。悲しい。

天才医学者にしてマッドサイエンティストである斑木ふらんの診療録。最終巻の見どころは……事故で体の中心から左右に真っ二つになってしまったふらん。右半身と左半身に分けて自分を手術し、脳の回復を待って再び結合することにした(もうすでにこの作品を知らない人には意味不明だが、それができるのが人造人間たるふらんの能力)。順調に回復を見たものの、左脳のふらんと右脳のふらん、脳の働きによって性格の異なる二人のふらんの意見が対立。ついにはふらん(右)が研究所を飛び出してしまう……。といったお話など。

奇抜なストーリーと手術描写(≒グロ描写)でコアな人気を博した作品でした。グロ描写に耐性があればぜひ読んでいただきたい快作。ドラマCD化はされましたがアニメ化とか(描写上かつ倫理上)絶対無理、そこが悲しくはある。あと、マイナー作品ゆえに店頭在庫がない。この作品が書架にあるかないかで、その書店のコミックスに関する知識とこだわりが分かると言っても過言ではない。

全巻通して一番印象に残ったのは、2巻のエピソード「MULTIPLIES2」。ふらんの手術により、週に一度、細胞分裂で二人に増えてしまう体となった泉屋洋華。意図せぬ泉屋洋華の増殖に対し、ふらんは片っ端から処分(殺害)することで対応しようとするが間に合わない。このまま1人が2人、2人が4人、4人が8人と増え続けてしまうと、40週を過ぎたあたりで1兆人を越え、地球は泉屋洋華の底に沈んでしまう。ふらん「人一人の命は地球より重いって…じっさいそうなんですよ~ 泉屋洋華は地球には荷が重い」。という、皮肉的なエピソードが好き。ケレン味ありすぎです。どこに行った人権。

終わらせるにはもったいない作品ではありますが、まあ、あまり長く続けて内容が軽くなるのもよろしくないので潮時か? 木々津克久先生の次回作にものすごく期待してます。

試し読みはこちら。短い。〆

※この記事は2012/02/27に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「名探偵マーニー」

名探偵マーニー 1 (少年チャンピオン・コミックス) (Amazon)

オススメコミック。「フランケンふらん」の木々津克久(きぎつかつひさ)著、週刊少年チャンピオン連載中。

女子高生探偵マーニーこと真音(マリオン)の、一風変わった探偵モノ。

天才マッド医学者ふらん、目が見えず耳も聞こえず話すこともできないエスパー少女ヘレン(ヘレンESP)に続き、著者の放つ最新作は少女探偵が主人公。ぼさぼさの髪型を除けば、的確な推理、快活な語りなど、少年少女探偵のステレオタイプに近いマーニーですが、巻き起こる事件の方が特徴的です。

公園で誘拐される子供たち、しかし小一時間もすると無事に帰ってくる、この事件の真相とは? 親戚の結婚式に出席した友人は気になる男性に出会う、続いて葬儀に出席すると再びその男性と出会う、これは運命の巡り合わせなのか、それとも。その他、奇抜な事件が巻き起こり、マーニーが解決に乗り出します。

少年誌らしく、手堅くて楽しめる作品になりそうです。個性的なキャラクターが欠けている気がしますが、今後のテコ入れに期待。〆

※この記事は2012/12/10に「Psychelia.com」に掲載したものです。