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「総合タワーリシチ」

 
総合タワーリシチ (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)


オススメコミック。あらた伊里著、まんがタイムKRコミックス「つぼみ」連載終了、完結。

都立今川高校総合学科、新入生代表・霧上神奈(きりがみかんな)は、勉強、スポーツ、美術、音楽に至るまで、なんでも1位じゃなければ気が済まない、究極の負けず嫌い。人の上に立つことにエクスタシーを感じる神奈であったが、高校に入り、自分が井の中の蛙であったことを知る。クラスの中でも最もアホそうな4人組・ちゃらんぽらんズに、勉強以外の科目で敗れ、唯一残された勉強でも、普段はボーっとしている不思議少女・羽座岡悠(はざおかゆう)に敗れ自信を喪失する。しかし、100点満点の答案を受け取った悠の意外な行動にブチ切れた神奈は、その場で悠をはり倒し……。

まずタイトルの「タワーリシチ」ですが、これはリシチというタワーがあるわけではなく、ロシア語で「同志」という意味です。「総合」は秀才が集う総合学科から来ているものと思われます。ググってみるまで分かりませんでした……。なお、1巻の表紙が悠、3巻(最終巻)の表紙が神奈です。

本編の内容は、主人公の神奈と悠の友情物語を中心とした、女子高生の青春&コメディです。何でも一番、努力が大事と思っていた神奈を、悠を初めとした友人たちの存在が(強制的に)変えていきます。普段は遊んでいる連中が、それぞれの得意ジャンルになると圧倒的な力を発揮し太刀打ちできない現状に、神奈は悲観すると同時に、彼女らの才能を認めるようになります。

特に努力の天才・悠に対しての想いは複雑で、彼女のエキセントリックな行動に振り回されながらも、自分にないものを持つ彼女に次第に惹かれていきます。また、悠も何かと自分をフォローしてくれる神奈に友情を抱くようになっていきます。

ちゃらんぽらんズの面々も曲者揃いで、中でも個人的に好きなのは、美術の天才・日下部ちはや、通称”バベルの塔”。美術で使う道具、製作物などかさばる物が多いのに、捨てられない+片付けられない+めんどくさがりのために、彼女の机の周りはモノであふれるゴミ御殿と化しているのでした。友人たちに何とかしろと言われ、彼女が取った行動とは……。

ほか、キャラクターが個性的で、ストーリーもちょっとだけシリアスを出してみたりで、軽そうな見た目に反して意外と読ませる良作です。アニメ「夏色キセキ」あたりが好きな人には特にオススメです。〆

 

「城下町のダンデライオン」

城下町のダンデライオン (1) (まんがタイムKRコミックス)(Amazon)

オススメコミック。ライトノベルの表紙や挿絵で活躍している春日歩(かすがあゆむ)著、まんがタイムみらくキララ連載中。

11人家族の大所帯、櫻田家は国を治める王家の一族。父の国王を初め、後継ぎとなる9人の兄弟姉妹はそれぞれ特殊な能力を持っている。例えば三女の茜の場合、自身と触れた物の重力を制御し、自由に空を飛ぶことができる能力・重力制御「グラビティコア」。彼女ら王族の安全を保証するため、街のいたる所に監視カメラが仕掛けられているが、目立つことが大嫌いな人見知りの茜は、今日も必死にカメラを避けて登校するのだった。

監視カメラの設置理由はもう一つ。それはTV番組「今週の櫻田家」の放送のため。文字通り王家の活動記録を放送する番組で、兄弟姉妹の中から次期国王を選ぶ選挙のための宣伝に使われています。より活躍し人気を集め、次期国王を目指し兄弟が切磋琢磨する……はずなのですが、三女の茜を筆頭に、父国王の後を継ぎたいという兄弟がほとんどいないというあり様。

ヒロインは一応茜ですが、第二話以降は彼女の兄弟姉妹のエピソードが中心。各々の特殊能力が巻き起こすドタバタと、選挙戦を絡めたストーリーになっています。

個人的に、次女の奏(かなで)がお気に入り。莫大な貯金と引き換えに、古今東西、未来のものでも自由に生成できる能力・物質生成「ヘブンズゲート」を持つ彼女。何でも生成できる半面、思いついたら勝手に生成してしまうために、常に貯金に気を付けておかないと破産してしまうという危険な能力。数少ない、国王を目指す兄弟姉妹の一人。がんばれ。

試し読みはこちら

「みそララ」&「恋愛ラボ」

     

みそララ(5) (まんがタイムコミックス) | 恋愛ラボ(6) (まんがタイムコミックス) (Amazon)

オススメコミック。宮原るり著。まんがタイム連載中。ヤングキングアワーズで「僕らはみんな河合荘」を連載中の著者の代表作。

突然会社が倒産し、デザイン会社に再就職することになった麦田美苑(むぎたみその)。経理兼新米ライターとして、個性的な社員とともに今日も仕事に励むのであった。

著者が元々デザイン会社の人間とあって、実体験をモチーフにしたお仕事系4コマ漫画。成功と失敗を繰り返しながら、少しずつ成長していく主人公の麦田美苑と、同僚の美人デザイナー・米原梨絵、駆けだし営業・粟屋真琴の穀物トリオ(麦・米・粟)で仕事に臨む。辛いことも多いけれど、良いものを創るために、楽しく仕事に取り組む姿勢が素敵。がんばれば必ずしも報われるわけではない、という現実も描かれており、好感のもてるプロットが多い。

ただし酒を飲むと豹変するので注意。

一方、美苑の働く会社のシスコンデザイナー・棚橋の妹が登場するのが、まんがホームにて連載中の「恋愛ラボ」(ラブラボ)。上記作品と一部で話がリンクしています。

お嬢様学校として有名な私立藤崎女子中学の生徒会長にして、品行方正、容姿端麗、成績優秀、学園のアイドル”藤姫”こと真木夏緒。一方、素行不良で自称恋愛の達人(嘘)、違った意味でアイドル”ワイルドの君”こと倉橋莉子。ある日、莉子が生徒会室に届け物を持っていくと、抱き枕とキスの練習をする真木の姿があった。生徒会長の誰にも言えない秘密、それは生徒会室で一人取り組む、素敵な彼を射止めるための「恋の練習」。秘密を共有するために、半ば無理やり生徒会役員にされてしまった莉子は、真木とともに今日も恋愛の研究に取り組むのであった。

お姉さま方が仕事してるのに、こちらは恋愛の研究、というか妄想恋愛に取り組むのである。研究のお題目は「曲がり角での上手なぶつかり方(全力疾走)」「魅力的なうなじの見せ方(ティモテ)」など、定番? なものを変化球で再現練習します。

普段は優秀な生徒会長が、恋愛研究に関してはウブというかバカで可愛い。生徒会役員も徐々に増え、気になる相手も出てきてついに実践の時が?

ただし真木に「ランジェリー」は禁句。理由は見てのお楽しみ。

「みそララ」試し読みはこちら。「恋愛ラボ」の試し読みはこちら。〆

※この記事は2011/11/28に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「ガズリング」

ガズリング 1 (芳文社コミックス) (Amazon)

オススメコミック。才谷ウメタロウ著、週刊漫画TIMES連載中。

バドミントン経験なし、興味なしの女子高生・武智紗羽(たけちさわ)は、先輩のラケットで勝手に遊んでいたことが原因で、バドミントン部に入部することになってしまう。たまたま入部した紗羽であったが、インターハイ連覇の超高校級プレイヤー・野地に憧れ、友人たちと共にバドミントンに入れ込んでいく。

いわゆるスポーツ青春もの。オリンピックでの藤井&垣岩組の大活躍も記憶に新しいバドミントン漫画です。ガズリング(gosling)とは、1.ガチョウの子ども(ひな)/2.未熟者、青二才の意。バドミントンの羽はガチョウの羽16枚でできており、それを追いかける自分達はまさしくガズリング(ガチョウの子)、若くて未熟者、そして寝ても覚めてもバドミントンのことだけを考えろ、という3つの意味を持たせています。

スポーツ漫画を描くのは初めてだという作者ですが(あとがきより)、主人公達のバドミントンにかける情熱、競技特有のスピード感、ストーリー展開、健康美、すべてにおいて優秀です。

……後は、負け所がどこになるのかが問題。勝ち続けて全国大会に行くより、負けて仕切り直しする方が個人的に好き。勝ち続けると必ずだれるし緊張感がなくなるのが嫌。1年生が主人公である設定を是非活かしてもらいたい。掲載誌もその辺りよろしくです。試し読みはこちら

※この記事は2013/01/20に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「かみさま日和」

かみさま日和 1 (芳文社コミックス) (Amazon)

オススメコミック。「ビーチスターズ」の森尾正博著。週刊漫画TIMES連載終了。全3巻。

初出勤の日に会社が倒産してしまい、しかも社員寮を頼りにしていたため住む場所も失ってしまったOL・有坂史美香(ありさかふみか)。さらに財布も落としてしまい途方に暮れていたところ、親切な男・矢部に助けられ、連れてこられた先は神社だった。なし崩し的に巫女として働くことになった史美香だったが、神社に集まる様々な人々に触れあい成長していく。

巫女萌え漫画ではない。お仕事系。テーマは巫女さんです。巫女の主な仕事は神官のサポート、清掃、雑用、中でも多いのはデスクワークだそうです。なんと地味な……。

最初の仕事となるゴミ捨てでは、境内のゴミ(大量)を土木用一輪車に乗せ、ゴミ捨て場までえっちらほっちら運ぶと言う、巫女っぽくないガテン系の作業。ただのゴミ捨て作業ではなく、境内をきれいに保ち自分も清らかでいることを目的とした重要な仕事だと教わります。その他、神社の行事や礼儀作法など、史美香と一緒に学べます。

よく見ると、最初はだらしない立ち姿だった史美香が、途中から凛として、立ち姿が美しくなっていたりします。巫女・史美香の成長と、かつて存在したと言う伝統の祭事「天晴祭り」の実現に向け奮闘する神社の物語です。うまく3巻でまとまっており、テンポよく面白い。〆

※この記事は2012/05/21に「Psychelia.com」に掲載したものです。