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「マル勇九ノ島さん」



マル勇九ノ島さん 1 (少年チャンピオン・コミックス)

おすすめコミック。木佐貫卓著、週刊少年チャンピオン連載中。

この世にはさまざまな世界が存在し、それぞれの世界で「勇者」と「魔王」の戦いが繰り広げられている。その勇者を手助けする組織「H・S・C(ヒーローサポートカンパニー)」に入社した天人類のフィオは、勇者様たちの役に立とうと熱望するが、配属されたのは、ダメ勇者を更生させるのが目的の第三課。フィオを導いた奇抜な上司・九ノ島竜一、何やら訳ありのクールな同僚・フレイヤとともに、各世界の勇者のサポートに奮闘する。

タイトルが「マル勇フィオ」ではなく、九ノ島さん、となっており、何やらただの上司じゃないらしいと予感させます。事実、九ノ島さんは、いい加減なようで要点を押さえているキレ者系です。彼にうまく乗せられて、任務にあたるフィオとフレイヤ。世界を救わなくなってしまった勇者たちを説得し、魔王に立ち向かわせることができるかどうか、がメインストーリーとなります。

初単行本ということで、画力は今一歩ですが、独特の世界観を持ち、キャラが立っていて読みやすく、展開も意外性があってよいかと。フィオとフレイヤの成長譚になると思われるので、二人の衝突と友情を熱く描ききってほしいところ。

試し読みはこちら。〆

「無敵看板娘」


無敵看板娘 1 (少年チャンピオン・コミックス)(Amazon)

オススメコミック。週刊少年チャンピオン連載終了、全17巻完結(続編「無敵看板娘ナパーム」も全3巻完結)。佐渡川準著。著者は8/13未明に逝去、享年34歳、死因は首つり自殺か。ご冥福をお祈りします。

とある町の小さなラーメン屋・鬼丸飯店の看板娘・鬼丸美輝。彼女の主な仕事は出前……なのだが、少年野球に乱入したり、不良を退治したり、道草くってサボりまくり。特に向かいのパン屋の看板娘・神無月めぐみとはライバル関係にあり、何かと張り合ってはご近所に迷惑をかけている。童心を忘れない、いい大人が暴れまくる格闘ギャグ漫画。

第一話で、ヒロインが母親の鉄拳制裁を受けゲロを吐くという、斬新な始まり方をする作品。ヒロイン美輝は、最強の母親から受け継いだ「鬼丸流葬兵術(即興技)」を駆使し、ライバル達とバカバカしい戦いを繰り広げます。まともに出前に行けない、という致命的な看板娘。とにかく悪が大嫌い、正義のために子供の喧嘩にも首を突っ込むというアホ娘。しかし、その天真爛漫さが町の人たちから愛されています。

個人的に好きなエピソードは、サーカス団を抜け出したキリンとガチで戦うお話(153話「迷える巨獣」)。”キリンの蹴りは大抵の動物をしに至らしめる破壊力”であり、加えて凄まじいリーチのヘッドバッドに対し、真っ向勝負を仕掛ける人間代表、ラーメン屋の出前・鬼丸美輝。はたして勝敗の行方は!? という、すごい発想のエピソードです。

この作品はアニメ化され、そこそこの人気だったと記憶してます。原作に忠実だったのは良かったです。以下、オープニング映像ですが、もちろん本編はこんなにシリアスな話ではありません。

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「実は私は」

実は私は 1 (少年チャンピオン・コミックス)(Amazon)

オススメコミック。増田英二著、週刊少年チャンピオン連載中。

考えていることがすぐ顔に出てしまう高校生・黒峰朝陽(あさひ)。嘘のつけない男、隠しごとのできない男として、ついたあだ名が”穴の開いたざる”通称”アナザル”。そんな彼は、クラスの同級生・白神葉子が好きだったが、なかなか告白できずにいた。白神は容姿端麗で口数が少なく、人付き合いも少ないミステリアスな女。友人に励まされ、意を決して告白に向かった朝陽であったが、放課後の教室で見たものは、牙を出し大きな羽を広げて伸びをする白神の姿だった……。

実は私は吸血鬼。秘密がばれてしまったら、学校を辞めなくてはならないけれど、黒峰君が秘密を守れるなら問題ない。しかし、アナザル朝陽が秘密を守り通すことができるのか? 彼らをつけ回すゴシップ好きの新聞部がいたり、白神以上にミステリアスな学級委員長がいたりのドキドキハラハラ系ラブコメ。

普段は無口で気難しい感じの白神ですが、気を許した朝陽の前では、関西弁でフランクな話し方をする女の子。朝陽に負けず劣らず考えていることが顔に出るわ、決して知られてはいけない秘密をあっさり見つかるわで結構ドジで可愛い。

設定はベタながらも、魅力的な登場人物と、展開の良さで読ませます。あと、朝陽は友人に恵まれていてうらやましい。いい奴ばかりです。試し読みはこちら。〆

「釣り屋ナガレ」

釣り屋ナガレ 8 (少年チャンピオン・コミックス)(Amazon)

オススメコミック。竹下けんじろう著、週刊少年チャンピオン連載終了作品。

釣りを題材にした漫画です。もうすぐ完結全11巻。何となく8巻の表紙が好きなのでサムネイルにしてみました。ワカサギ釣って天ぷらにしてウマいの図。

主人公の釣り屋・流氷馬は釣りで生計を立てながら全国を巡っている少年。氷馬が扱うのは釣果、釣り場の情報、エサなど釣りに関するものすべて。依頼人の要望に応え、あるいは未知の獲物を釣るために創意工夫を凝らして戦う物語。

途中、連載の中断もあって勢いが落ちますが、あの手この手で魚達と戦うナガレが素晴らしい。特に対マグロ戦はアイデアが斜め上をいきすぎてツッコミようがない釣り方をします。釣るというか襲いかかるというか……。他にもいろいろ、釣りが好きなら見ておいて損はないでしょう。〆

※この記事は2011/03/07に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「てんむす」

てんむす 1 (少年チャンピオン・コミックス)(Amazon)

オススメコミック。稲山覚也(いなやまかくや)著。週刊少年チャンピオン連載中。

その昔、巫女たちが祭祀の際に行ったとされる大食い競技があった。天地の恩恵を受ける巫女らは人々に尊敬され「天壌宇迦産霊神子(あめつちうかむすびのみこ)」、すなわち「天娘(てんむす)」と呼ばれた。

時は流れ現代、祭祀は天食祭と呼ばれ今も続いていた。選手はみな女性で学生、聖地・以勢神宮での全国大会を目指して、各校の食い道部による戦いが行われている。小さな体に似合わず大食いの少女・春風天子は、食いしん坊であることから女の子扱いされないことに悩んでいたが、大食い競技の魅力にひかれ(大食いでも美しい部長に魅かれ)競技に打ち込むことになった……。

大食いという珍しいジャンルの漫画です。本作では大食いをスポーツと位置付け、勝つための大食い技術、知識、科学などのウンチクを散りばめながら、青春モノとして楽しく読めるようになっています。

そば14人前やらカツ丼3人前とか聞くだけで胸がむせてしまいそうですが、天子は極上の笑顔で楽しそうに食べる不思議な娘(んっ…まいよぉ~♪)なので不快感を感じない。苦痛に顔をゆがめるライバルたちとの対比もあって可愛らしい。また、食べるモノによって戦略が変わるのが良い。ただ食ってるだけではダメ。かつ食ってばかりでもないので、お話としても面白い。これは良作。

現状の最新巻は第2巻で、食い道部の仲間たちのエピソードを抑えつつ、いよいよ天食祭予選が開幕、1回戦を戦っています。展開として、大会が始まるのがちょっと早すぎるような気もしますが、まだまだ伸び白十分。今後も期待。〆

※この記事は2011/08/15に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「空が灰色だから」

空が灰色だから 1 (少年チャンピオン・コミックス) (Amazon)

オススメコミック。阿部共実著、週刊少年チャンピオン連載中。

年頃の少年少女たちの変な青春ショートストーリー。基本的にはコメディ、のはず。

妙ちくりんで痛々しいヤツがわんさか出てきます。恥ずかしがりを克服しようと、バニー服で深夜徘徊を試みるおバカ。レアなブランド服を手に入れるために、運命とかいう憎いあいつと全力で戦うおバカ。みんなもやってるガガスバンダスにのっかる……のっかりたいけどあれぇ?な、おバカ。

ちっとも甘酸っぱくねぇ、毒々しい辛口の青春の勘違いが詰まってます。お前はどうしてそうなっちゃったのよ? という感じに。絵柄がそんなにかわいくはないけれど、だからこそ、話の中身で戦っている素敵マンガ。是非おすすめしたい。〆

「名探偵マーニー」

名探偵マーニー 1 (少年チャンピオン・コミックス) (Amazon)

オススメコミック。「フランケンふらん」の木々津克久(きぎつかつひさ)著、週刊少年チャンピオン連載中。

女子高生探偵マーニーこと真音(マリオン)の、一風変わった探偵モノ。

天才マッド医学者ふらん、目が見えず耳も聞こえず話すこともできないエスパー少女ヘレン(ヘレンESP)に続き、著者の放つ最新作は少女探偵が主人公。ぼさぼさの髪型を除けば、的確な推理、快活な語りなど、少年少女探偵のステレオタイプに近いマーニーですが、巻き起こる事件の方が特徴的です。

公園で誘拐される子供たち、しかし小一時間もすると無事に帰ってくる、この事件の真相とは? 親戚の結婚式に出席した友人は気になる男性に出会う、続いて葬儀に出席すると再びその男性と出会う、これは運命の巡り合わせなのか、それとも。その他、奇抜な事件が巻き起こり、マーニーが解決に乗り出します。

少年誌らしく、手堅くて楽しめる作品になりそうです。個性的なキャラクターが欠けている気がしますが、今後のテコ入れに期待。〆

※この記事は2012/12/10に「Psychelia.com」に掲載したものです。