タグ別アーカイブ: 週刊少年マガジン

「不滅のあなたへ」



不滅のあなたへ(1) (講談社コミックス)

おすすめコミック。「聲の形」「マルドゥック・スクランブル」の大今良時著、週刊少年マガジン連載中。

地上に舞い降りた謎の生命体。それは何のために生きているが分からないが、死んだ生物をコピーしながら学習し続ける不思議な存在。初めて出会った人間は、孤独な寒冷地から、暖かい森を目指して旅立とうという若者だった。その存在は、若者の飼っていたオオカミ・ジョアンとなって、共に歩み始める。その先に森があるとは限らない、広い広い雪原を、ゆっくりと歩み始めた一人と一匹だったが……。

謎の存在が、旅をしながら様々な人たちに会い、影響を受けて成長するロードムービー系の作品です。不死身、死者をコピーできる、何者かによって生み出されたらしい、という以外すべてが謎。言葉もしゃべれないそれは、果たしてどこへ向かい何をなすのか?

やがて現れる敵らしき存在、自分を慕ってくれる者たち、消えていく命……。人の営みと生死に触れながら、徐々に成長していくその存在と、彼に影響を与える美しくも儚い周囲の人間たちのドラマが描かれます。

試し読みはこちら〆。

「川柳少女」



川柳少女(1) (講談社コミックス)

おすすめコミック。五十嵐正邦著、週刊少年マガジン連載中。4コマ漫画。

普段まったくしゃべらず、伝えたいことはすべて川柳で伝える少女・雪白七々子。顔は怖いし喧嘩は強いが、川柳好きな男子・毒島エイジ。日々のあれこれを川柳にのせて、まったり学園生活を満喫中。

五七五系女子ラブコメ、という新たなジャンルを切り開いた作品。川柳や俳句といえば、過去には「GO!GO!575」なるアニメ、ゲームがありましたが、本作はそもそもヒロインがしゃべらないという大胆な作り。

七々子は基本的にしゃべらず、意思伝達は川柳(筆談)で行います。周囲の人間は理解があり(?)、声を出さなくても許容となってます。しゃべらない分、ちょっとした仕草や表情が可愛く、好感が持てます。川柳も堅いものではなく、日常会話をそのまま句にしたような感じでグッド。

そんな七々子が気になる男性が、元不良のエイジ。偶然出会った二人ですが、ともに文芸部へ入部し、川柳を通じて交流を深めていきます。エイジの句は……なんというか、独特の味があります。ちょっと不器用だけれど、なかなか頼りになりそうな好感の持てる男。はたして七々子の想いは届くのか?

キャラが立っていて、話も面白く、川柳だからといって堅苦しくもなく、気張らずゆるーく読める良作です。

試し読みはこちら〆。

「会いにいくよ」


会いにいくよ (少年マガジンコミックス)

オススメコミック。原作のぶみ、「はじめの一歩」の森川ジョージ著、週刊少年マガジン連載終了、完結。

元暴走族の異色絵本作家・のぶみの体験記をマンガ化。2011年3月11日東日本大震災。東京で被災したのぶみは、被災者の子供たちを少しでも励まそうと、協力者たちから4000冊もの絵本を集め、被災地に贈る。しかし、のぶみの元には、被災者のことを考えていない、無神経で自分勝手、偽善であると非難が集中する。そんなつもりではない! このままじゃいけないと、思い立ったのぶみは被災地にボランティアに駆けつけるが……。

偽善と言われても、がんばって被災者の役に立つんだ、という内容の本です。一方で、一人の人間ではどうしようもない、現実の壁にぶち当たり、苦悩し続ける主人公が強く印象に残ります。

当時が誰もが感じた、何かしなきゃならないけど、何をすれば良いのか良く分からない。援助物資を送りたいけれど、交通事情などでままならない。ボランティアでさえ足手まとい。そういった状況と、感情がよく表現されている作品だと思います。

ボランティアに出かけていき、被災者の役に立ってはいるのだけれど、片付けるべき瓦礫の量が膨大すぎて立ちすくむ主人公ら。決して観光に来たわけではないけれど、装備の甘さ、無計画性、手作業による非効率性など、自己満足と言われても否定できない状況が、ますますみじめにさせていきます。

それでもなお、できることを一つ一つこなしていき、子供たちの笑顔と出会う。ガレージに船が突き刺さった工場を掃除する、工場がいつ再開するとも知れず。決して大きなことではないけれど、自己満足かもしれないけれど、世の役に立つ仕事をこなし、家路につく。街の灯りを見て何を思うか。一人の絵本作家の5日間。そんな作品です。

試し読みはこちら。〆

追伸
迷いましたが、リンクしておきます。
3.11① 東日本大震災発生時のNHKの実況(Youtube)