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「終極エンゲージ」



終極エンゲージ 1 (ジャンプコミックス)

おすすめコミック。漫画:三輪ヨシユキ、原作:江藤俊司。少年ジャンプ+連載中。

地球が宇宙の中心になっている超未来。全宇宙を巻き込んだ格闘大会「地球女王決定戦」。各惑星の代表が、戦って戦って戦い抜いて、最も強い女性が、地球王の妃となり、宇宙の実権を握ることになる。ナヴィア星の代表・キーアは、偶然にも次期地球王ルス・ユガに出会い、恋に落ちる。ルスのために勝利を誓うキーアであったが、初戦から最強の戦士・ディアナと戦うことになってしまう。果たしてキーアは勝利し女王となることができるのか……。

という冒頭から始まりますが、諸般の事情により、話は未来に飛びます。いや、一話丸ごとってすごいわ。

ルスの息子、クリシュナ王子は、地球の王が名ばかりとなり、女王に支配されることを危惧していました。ならば自分で女王を育てようと、自分のクローン(♀)を作り出し、地球最強の花嫁にすることを思いついてしまいます。かくして生まれた究極の花嫁候補・カルキ。彼女を強くし、地球女王決定戦の勝利させようと修行を続けますが、思ってもいない事態が発生します。

自分のクローンでありながら、自分と異なる思想を持つ女の子を育成し、将来の妃にしようという、ぶっ飛んだお話。クローンの方は色々問題ありで、こいつを何とかして制御しなければ……という感じで旅が始まりますが、次第に問題なのは王子の方であることが判明します。王子に言われるがまま、各星の強敵を打倒し、女王になった先に待つ未来は、果たして地球にとってよい未来なのか、悩みながらカルキは成長していきます。

王子と王妃候補、全宇宙の未来を決める二人の旅は、宇宙の存亡をかけた大冒険となりそうです。

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「うらたろう」



うらたろう 1 (ヤングジャンプコミックス)

おすすめコミック。「ねじまきカギュー」の中山敦支著、週刊ヤングジャンプ連載中。

源平合戦後、平氏側が勝利し六波羅時代が始まった和の国。余命いくばくという病を持つ娘・ちよは、お供のジイとともに、不老不死の力を持つという鬼人を探していた。鬼人に会えば、不老不死にしてもらえる……その一心で鬼人を探し求めるが、一方の鬼人は、生きることに疲れ、死ねない体を恨んでいた。まったく違う考えの二人が出会い、ちよは生きるために、鬼人は死ぬために、共に伝承の地・黄泉比良坂(よもつひらさか)を目指すことになった。

生きたがりの少女ちよと、死にたがりの鬼人(うらたろう)の道中記。病に侵されながらも、元気いっぱい、底抜けに明るいちよがいじらしい。対照的に不死でありながら、ひねくれ者のうらたろうには、死ねない苦しみを持つ悲哀を感じます。

互いの目的を果たすために旅をしますが、行く先々に妖怪の類が立ちはだかります。困っている人たちを助けようとするちよと、放っておけと言ううらたろう。考え方の異なる二人の間には溝が生まれますが、うらたろうはちよの前向きな姿勢に興味を持ち、次第に協力してくれるようになります。

代表作「ねじまきカギュー」では、迫力あるアクションとメリハリの利いた展開が素晴らしかった著者ですが、今回も切れ味は健在。しかも、主人公の一人は激弱、一人は激強(というか不死身)のため、うらたろうが出てきて爆発したときのカタルシスが凄まじいことに。

ちよは不老不死の力を得、生き残ることができるか、うらたろうは無事に死ぬことができるか? 二人の旅は続きます。

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「天野家四つ子は血液型が全員違う。」



天野家四つ子は血液型が全員違う。 1 (ヤングジャンプコミックス)

おすすめコミック。空えぐみ著、週刊ヤングジャンプ連載終了、全二巻完結。

血液型が全員違う天野家の四つ子。A型=几帳面なギャルあさひ、B型=マイペースな美形まひる、O型=社交的な巨乳ゆう、AB型=不思議ちゃんキャラのこよる、血液型がバラバラで、性格も容姿も異なる変な姉妹。彼女らのクラスを受け持つ担任の八代は誠司は、姉妹四人の性格の違いは血液型が原因では? と調査を始めてみることにした。

血液型ごとの特徴、というよくわからない迷信がありますが、本作はそのイメージに沿ってキャラクターが作られており、その行動を分析する、という形式になっています。

例えば、長女のあさひは、容姿はギャルっぽいのですが、中身は真面目で几帳面。整理整頓が好きで、気配り上手、倹約家というA型タイプの女の子です。いい加減なB型のまひると喧嘩することも多々あり。

他の姉妹も血液型ごとの特徴を持ち、同じ姉妹なのにまったく性格が違うために、同じことをするにもバラバラな行動を取るという面白さと、それを陰ながら調査していく八代先生のコメディもの。

二巻完結となっており、最後はネタ切れっぽく終わっていますが、ささっと見る短編ものとしては、ちょうどいい感じです。

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「レストー夫人」



レストー夫人 (ヤングジャンプコミックス)

おすすめコミック。三島芳治著、週刊ヤングジャンプ増刊「アオハル」連載完結。全1巻。

この学校では、、毎年二年生が「レストー夫人」という演劇をする。
7つのクラスで同じ劇を違う台本にし、7種類の「レストー夫人」を上映する。
何かの実験なのかもしれない。

こんな書き出しで始まるお話です。

とあるクラスの「レストー夫人」の始まりから終わりまでを、複数の登場人物の視線で追っていきます。中心となるのは、ヒロイン・レストー夫人役の志野。彼女は、普段から、貴族のようなお上品なしゃべり方をしている不思議な子。ルックスがよいこともあって、すぐにヒロインに決まったが、何やら不安を抱えている様子。

劇の記録係であるスズキは、そんな志野の一挙手一投足を記録していました。授業中に記録しているところを先生に見つかってしまい、記録帳を取り上げられてしまうのですが、そのとき志野が意外な行動を起こします。

デルフィーヌ役の川名、アキノリとユーフラシー役の井上と鈴森、衣装係の石上、それぞれの役割、それぞれの小さいような大きいような悩みと向かい合いながら、徐々に劇が完成へと近づいていきます。

一つ一つが印象に残り、独自性も高い秀逸な群集劇です。また、どれもが優しい物語のため、読んだ後に心落ち着きます。さっと短時間で良作を読みたいときにオススメ。

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「かげきしょうじょ!」と「かげきしょうじょ!!」



かげきしょうじょ! 1 (ヤングジャンプコミックス)



かげきしょうじょ!! 1 (花とゆめCOMICS)

おすすめコミック。「花宵道中」の斉木久美子著、メロディ連載中。

由緒正しき歴史を持ち、美しく聡明な女子しか入学できない紅華歌劇音楽学校。卒業すると、女子だけのミュージカル劇団「紅華歌劇団」へ入団できるという、いわば養成学校である。元国民的アイドルJPX48のメンバー・奈良田愛は、とある不祥事でJPXをクビとなり、新天地を求めてやってきた。美少女だけどクールで無表情、他人に無関心な愛だったが、同じ紅華の同級生・渡辺さらさの天真爛漫さに影響され、心揺さぶられる。仲良くなりたいとは思わないが、どうしても気になってしまう愛。一方のさらさは、明るく前向きだが、無神経な発言で愛をいらだたせる。果たして二人に友情が生まれることはあるのか……? そして憧れの歌劇団へ入団できるのか?

「かげきしょうじょ!」はヤングジャンプで連載されていた入学前後の話、連載誌をメロディに移して連載再開し「かげきしょうじょ!!」(!が二つ)はその続編となります。この絵柄でなんでヤングジャンプで連載していたのかという謎の作品。一応ジャンルとしては少女漫画ではありますが、男性でも違和感なく読めます。

舞台となる紅華歌劇団音楽学校は、宝塚音楽学校をモデルとしています。生徒たちは、憧れのオスカルやアントワネットを演じるスターになるために、厳しいカリキュラムをこなしながら、友人でありライバルである仲間たちと切磋琢磨していきます。

主人公の奈良田愛と渡辺さらさの二人は、その中でも突出した存在として、ストーリーの中心人物となります。クールで不愛想なお姫様の愛と、怖いもの知らずで長身長(178cm、でかい)の男役さらさのコンビ。性格のまったく違う二人の凸凹友情ストーリーとなっています。

また、紅華歌劇団の対比として、歌舞伎も重要なファクターとなっています。女しかいない紅華歌劇団、男しかいない歌舞伎の世界。これ以上の対比があるでしょうか。ここに気付いた作者はすごいなと感心しました。ちなみに、歌舞伎に影響を受けたさらさは、誰にもまねできないスキルを身に着けていたりします。

ヒロイン二人以外も、魅力的な女の子が多い作品です。夢を目指して奮闘する歌劇学校の生徒たちは、今日も厳しいレッスンに挑んでいるのです。まだ活躍の機会はないですが、個人的に沢田千夏と千秋の双子に期待してます。何か一芸持ってそう。

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「かぐや様は告らせたい」


かぐや様は告らせたい 1 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)

オススメコミック。赤坂アカ著、集英社のオンラインコミックサイト「となりのヤングジャンプ」にて連載中。

生徒会副会長、超お金持ちのお嬢様の四宮かぐやと、生徒会長、お金はないが努力の男子、白銀御行(しろがねみゆき)。ともに眉目秀麗、学業優秀で生徒からの憧れの的でお似合いの二人。二人はお付き合いしているんでは? といううわさも広まっていた。

互いに相手を意識している二人、しかし、”自分から告白をする”ことはプライドが許さない。何とかして、自分が有利な形で相手に告白させるために、あの手この手で告白トラップを仕掛けあうのだった……。

今までなかった形の、ちょっと変わったラブコメです。映画のペアチケットを手に入れたものの、自分から映画に行きましょうを言い出せないために、相手に言わせることに全力を尽くす二人。特にかぐや様の方は自分に素直になれないタイプで、恋ではないと思い込んでいる厄介なお嬢様。

マンネリ化することなく、毎回いろいろなネタで楽しめます。
回を追うごとにデレ度は上がっていくが、ほぼ進展しないのも面白い。もうつきあっちゃえよ、レベルで焦らされるという。また、キーパーソンになりそうな、ゆるふわ系の書記もかわいらしい。

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「もぐささん」


もぐささん 1 (ヤングジャンプコミックス)

オススメコミック。大竹利朋著、となりのヤングジャンプ連載中。

小口虎雄は定食屋の息子。ある日の夜、彼は信じられない光景を見る。店に訪れたのは、クラスメイトの百草(もぐさ)みのり。いつもは物静かで地味な感じの女子。しかし、彼女が頼んだのは、男もためらう大ボリュームのバクダンからあげ定食ダブルだった。ちょっと引くような状況ではあったが、美味しそうに食べる彼女を見て、かわいいと感じてしまった小口君。それから少しずつ百草さんと交流を持つようになる。

見た目に反して、ものすごい食いしん坊な女の子の観察日記。授業中の偽装プレッツェル食いや隠し弁当等、もぐささんの奇行とも言える数々の食事行為に対して、突っ込みを入れる小口君。同時に彼は、そんな彼女を可愛いと思うようになります。

食べっぷりが可愛らしく表現されており、小口君でなくても惚れてしまう容姿の百草さん。百草さんの奇行はまだまだ底が見えない感じで、長く楽しめそうな作品。

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「長歌行」

長歌行 1 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ) (Amazon)

オススメコミック。長歌行は”ちょうかこう”と読む。夏達(シャアタァ)著、ウルトラジャンプ連載中。

西暦626年、中国、唐の時代。次期皇帝となる父・李建成を叔父の李世民に殺された姫・李長歌(りちょうか)は、命からがら長安から脱出し、李世民への復讐を誓い挙兵のための行動を開始する。女ながら武芸に富み某術を学んだ秀才である彼女は、性別を偽り少年軍師として朔州の公孫恒の下へ潜り込むのだった。

永寧姫(えいねいき)こと李長歌の、復讐の物語です。とはいえ敵ははるか遠く、まずは足場固めをといったところ。その過程で、自ら策謀をめぐらし実戦を経験していくことで、少しずつ成長していきます。やがて復讐のための孤独な戦いは、国を、民を守る戦いへと姿を変え、魅力的な人物に出会い、自分を助けてくれる人々と共に歩み出します。

クールでドライな優等生タイプの永寧姫ですが、それゆえに利害を超えて信義やプライドのために戦う人々には強い関心を持つようで、劇中の登場人物に大きな影響を与えられます。また、自分が女であることには無関心で、パートナーのウイグル人女性・弥弥古麗(みみくり)には自覚して行動しろと怒られる始末。あることがきっかけで、今後はばれないようにしていくのも大変な模様。はたしてどうなるか。

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※この記事は2013/04/01に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「レイチェル・ダイアル」

レイチェル・ダイアル 1 (ヤングジャンプコミックス)(Amazon)

オススメコミック。皿池篤志著。ヤングジャンプ増刊、ミラクルジャンプ連載中。

人間が立ち入ることができない危険な島で、金属を回収する役割を持つアンドロイド、アレックスとマックスは、ある日突然自分たちを救出しにやってきたという少女・レイチェルに出会う。レイチェルは、二人に金属の回収を今すぐに止めろという。納得できない二人だったが、そのとき島を守る巨大ロボット・ギガンテスが襲いかかってきた……。

持ち込み作品が即連載、単行本化という珍しい作品。それもうなずけるほど、ストーリーもテンポも3人の掛け合いも非常に良いです。また、一話ごとにレイチェルがでかくなっていく(7歳→15歳→17歳→19歳)ので、心身ともに成長し変わりゆく女の子と、まったく変わらないアンドロイドの二人の対比があって面白い。この調子でどんどんでかくなっていくのか?

掲載誌が隔月発行のために、次巻は1年後ということになりそうですが、楽しみに待ちたいと思います。〆

※この記事は2013/03/25に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「石影妖漫画譚」

     

石影妖漫画譚 1 (ヤングジャンプコミックス)(Amazon)

オススメコミック。河合孝典著、週刊ヤングジャンプ連載終了、完結。

江戸時代、ボロ長屋の一角に住む烏山石影(からすやませきえい)は、妖怪を専門に描く変わり種の絵師。妖怪に異常な関心を持ち、妖怪の噂を聞きつけては危険を顧みることなく出向いてき、その姿を描くことに情熱を注ぐ偏執狂。彼の持つ妖筆「毛羽毛現(けうけげん)の筆」で描かれたモノは、具現化して妖怪と戦う能力を持ち、その力で身を守ることができるが、その能力ゆえにさまざまな事件に(自分から)巻き込まれることになる。

突出した人気はないだろうし、すでに完結した作品ですが、リンク先には試し読みやらWEBオリジナルアニメやらコンテンツは非常に充実しています。ずいぶん偏った人気があるのだろうか?

石影の元には、街の人々から妖怪に関するさまざまな事件が持ち込まれます。多くは危険な妖怪の仕業。彼は妖筆の力を借り、個性豊かな妖怪を召喚、妖怪たちと戦い事件を解決に導きます。筆を持てばべらぼうに強い彼ですが、一方で、妖怪に関係ないものには一切興味を示さず、収入なく食うことすら事欠く引きこもり絵師です。こんな大人になっちゃだめだ。

彼に味方をしてくれる妖怪もいます。その一人が妖筆を与えてくれた毛羽毛現(けうけげん)(←2巻表紙)。髪盛り過ぎちゃって、不思議な髪形になってますが、れっきとした妖怪です。時には彼女の助けを借り、強力な妖怪と対峙します。ちなみに歌舞伎俳優大好きのミーハー。

序盤は短編が主体ですが、中盤以降は巻をまたぐような中編、長編の多い作品です。ストーリーが良質、キャラクターも多彩で書き分けができているし、次回作も期待できる漫画家の1人だと思います。是非。〆

※この記事は2013/02/19に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「月華美刃」

月華美刃 1 (ジャンプコミックス)(Amazon)

オススメコミック。”げっかびじん”と読む。「TISTA」の遠藤達哉著、ジャンプスクエア連載中。

月の国のお転婆皇女・竹之内カグヤは、勉強嫌いのわがまま放題で配下の者たちを困らせていた。成人の儀を迎えようとしていたある日、母の銀后・フジヤが病に倒れる。母の思いをくみ改心して皇女らしくしようとするカグヤだったが、成人の儀がテロリストに襲撃され、一人地球に逃れることになってしまった。月の民から囚人の星・穢星と呼ばれる地球で、カグヤの月へ帰るための戦いが始まる。

カグヤ姫を下敷きにしたアクションもの。ノリとしては「ワンピース」に近い。巫暈支(フツヌシ)と呼ばれる伝国の宝刀を使い、個性豊かな追手たちと戦って行く。時代的には平安時代ぐらいか? 地球に対して月の技術ははるかに進んでいて、宇宙船や衛星があるような世界観です。お供に医者がいたり永遠の命があるわけではない。

一人前の皇女になろうともがくカグヤの成長譚ですが、実力に対して強力すぎる巫暈支(フツヌシ)の力をどう制御し戦っていくかが見所。サブキャラクターたちも個性豊かでキャラが立ってます。下地はできているので、この後のストーリー展開に期待大。

試し読みはこちら。1巻の半分近く読めます。〆

※この記事は2011/05/22に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「君と僕のアシアト~タイムトラベル春日研究所~」

君と僕のアシアト~タイムトラベル春日研究所~ 1 (ジャンプコミックスデラックス)(Amazon)

オススメコミック。よしづきくみち著、スーパージャンプ連載中。「魔法遣いに大切なこと」「フレフレ少女」のコミカライズを手掛けた著者のオリジナル作品です。

若き科学者・風見鶏亜紀(かざみどりあき)が経営する春日研究所は、研究所のある春日市内を20年間に渡りスキャンし続けたデータによって、望む時間・場所を模した架空の世界を脳内に再現することができる。被験者はまるでその時にタイムトラベルしたような体験ができるが、あくまで架空の世界であるので、現実の世界には影響を与えない、というもの。

よくあるタイムトラベルものですが、あくまで疑似体験であり、何かしたところで世界の改変はされない、という点で異なります(ただし架空世界に干渉することはできるし、短期間であれば生活が可能)。

現時点で最新刊は3巻。最初の方は忘れていた約束を思い出したり失くした物を探したり、イイ話の佳作ですが、最愛の妹の瑞紀(みずき)の登場とアシアト部屋の存在が分かってから一気に面白くなります。結構長く続きそうなので今後に期待。

なお、試し読みはこちら(集英社漫画ネット)。〆

「CLOTH ROAD(クロスロオド)」

     

CLOTH ROAD 1 (ヤングジャンプコミックス)(Amazon)

オススメコミック。脚本:倉田英之、漫画は「月面兎兵器ミーナ」や擬人化キティ(猫村いろは)で知られるOKAMA著。ウルトラジャンプ連載終了、全11巻完結。キラキラした表紙が特徴です。

繊業革命によって人類の文化が大きく変わった世界。ケーブルは糸に基盤は布地に、コンピューターは人間の衣服となった。”デザイナー”によって多彩な機能を盛り込んだ衣服が仕立てられ、”モデル”がその服を着て闘う”ウォーキング”バトル。捨て子の双子姉弟ジェニファーとファーガスは、自分たちの両親を探すため、ウォーキングで賞金を稼ぎ旅に出る。

モデルらしからぬ猪突猛進の姉・ジェニファーと、真面目だけど煮え切らないデザイナーの弟・ファーガスコンビのバトル&旅もの。独特の世界観が特徴の本作ですが、モデル=ファイター、衣服=武器内蔵戦闘服、デザイナー=衣服開発者、と置き換えれば大体合ってます。デザイナーやブランドによって製作される衣服が異なり、フリフリドレスだったりジャージだったり和服だったり、仕込まれた機能も多種多様。著者のデザイン力もあり、これら衣服が非常に魅力的。

数多く登場するトップモデルの中でも、メイ様ことメイ・ジューンは比類ない魅力をお持ちです(←8巻表紙上)。美と強さの探究者、強く、気高く、美しく、あふれる超カリスマ性と狂気。各国のトップモデルらを秒殺していく圧倒的パワーと戦いのセンス、転んでもただでは起きないリベンジ力、乱入、乱入、乱入。物語中盤でガキモデルどもに苦汁をなめさせられることになっても、終盤の見せ場できっちり全滅させる鬼メイ様。ああ素敵すぎる……もうこの人が主人公でいいんじゃないか?

やや話がそれましたが、天才と凡才、親と子、師と弟子。出会いと別れを繰り返し成長していく姉弟の物語です。独自の世界観とスケールの大きさ、漫画だけど色やツヤを感じさせる色彩美が特色の作品です。あとメイ様。

試し読み…というかヴォイスコミックはこちら。一巻丸々、すげえ。〆

※この記事は2011/11/07に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「ちゃりこちんぷい」

ちゃりこちんぷい 1 (ヤングジャンプコミックス GJ)(Amazon)

オススメコミック。原作:坂井音太、「東京赤ずきん」「彼女のひとり暮らし」の玉置勉強著。グランドジャンプPREMIUM連載中。

フォーク&ロック部に所属する高校生、チョコこと黒田千代治は、客受け第一の音楽活動に馴染めずにいた。どこかこう、ガツンとした音楽、を求める彼は、ブルーズ(ブルース)を歌い弾く少女・奈良本希(ならもと まれ)に出会う。彼女のブルーズの虜となったチョコは、バンドを組もうと迫るが、まれは恥ずかしくて人前で弾くことができないという。ならば技術を学ぼうとせまるチョコだったが……。(リゾネーター)ギターのまれ、ハーモニカのマキミキ、ピアノのインチョー、ブルーズが結びつけたぼっち三人娘と、チョコの青春群像劇。

各話ごと、ブルーズの名曲を絡めた構成となっており、第1話では上の動画「Death Letter Blues(死亡通知)」を取り上げています。チョコはこの曲を演奏するまれに魅かれるのです(本題とは関係ないですけど、”まれ”という名前は文章にすると非常に読みづらいなあ)。

作品名の「ちゃりこちんぷい」は、この曲やブルーズの曲の終わりのフレーズがそう聞こえる、というまれの持論から。情緒不安定でやや電波なまれちゃんですが(”まれちゃん”にすると読みやすくなったか)、長い黒髪をばっさばっさと振り乱し、熱唱する姿がとても可愛らしいし青春っぽい。

ただしこの作品の欠点は、元ネタ(曲)を知らないと面白さが半減してしまうこと(まれちゃんの創作もあるのでその限りではない)。私もブルーズに明るくないので、とりあえずYouTubeで検索してみました。以下がそのリスト。興味を持ったら作品を読みながらでも聞いてみてください。

試し読みはこちら。〆

J.B.Lenoir :Slow Down(YouTube)
Willie Dixon – I’m Nervous(YouTube)
Robert Johnson – Kind Hearted Woman Blues (YouTube)
Billy Eckstine & Earl Hines – Stormy Monday Blues(YouTube)
Muddy Waters – Got my Mojo Working(YouTube)

※この記事は2012/01/20に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「ねじまきカギュー」

ねじまきカギュー(1) (ヤングジャンプコミックス) (Amazon)

オススメコミック。中山敦支著、ヤングジャンプ連載中。

新米教師・葱沢鴨(ねぎさわかも)は、ヤバい系女子に好かれる女難体質の持ち主。ある日の通勤中、不良少女に絡まれた彼の元に、先生を守るという謎の少年・鉤牛十兵衛(かぎゅうじゅうべえ)が現れる。圧倒的なパワーで不良少女たちをのしてしまう十兵衛であったが、なぜ鴨先生を助けたのかは告げず、逆に決して己(オレ)には近付くなと言う。果たして彼の正体は……。

ネタバレする前に、試し読みはこちら。

以下、ちょっとネタバレ。鉤牛:カギューちゃんは女の子。幼いころ、いじめっ子から自分をかばってくれた愛する鴨先生のために戦います。見た目は滅茶苦茶硬派ですが、中身は乙女一直線の可愛い女の子です。作中でも特に強調されており、普段は目つきの悪いカギューちゃんが、恋する乙女モードになるとキラキラお目々の美少女に早変わり。

他のキャラクターも基本的に危険な娘たちばかりですが、乙女スイッチが入るとがらりと表情が変わるのが特徴的。愛ってすごい。

バトルも何だか分からないがやたら熱い展開のオンパレードで、カギューちゃんの無尽蔵の愛のパワァーに圧倒されること間違いなし。愛の力は無限大。面白いから是非読め。〆

※この記事は2012/03/21に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「極黒のブリュンヒルデ」

極黒のブリュンヒルデ 1 (ヤングジャンプコミックス)(Amazon)

オススメコミック。「エルフィンリート」「ノノノノ」の岡本倫著。週刊ヤングジャンプ連載中。

“クロネコ”と呼ばれた少女は、地球はすでに宇宙人に侵略されていると言い張り、うそつき扱いされていたが、幼なじみの良太はそんな彼女が好きだった。ある時、宇宙人のいる場所に一緒に行くこととなったが、道中の事故でクロネコは死んでしまい、自分だけ助かる。それから10年。NASAの研究員を目指す高校生となった良太の前に、クロネコの面影がある転校生・黒羽寧子(くろはねこ)が現れる……。

極黒は「ごくこく」と読む。特殊能力を持つ少女ということで、甘酸っぱいSF展開になるかと思いきや、悲しい宿命と極限を生き抜くサバイバルアクションでした。エルフィンリートがバージョンアップしたような感じです。

クソ強いんだけれど九九が分からず小学生レベルの漢字も読めないバカ、という珍しいヒロインと、クロネコの死というトラウマを抱えながらも、寧子の生きざまに感銘を受けともに戦う秀才主人公。両者共にキャラが立っていて魅力的。

窮地に立たされた(というかほぼ終わってる)ヒロインを、なんとか助けようと苦闘するけれど、敵味方の戦力差は圧倒的、果たして目的を果たすことができるのかという、いいところで以下次巻。謎も多く含んでおり、長く続きそうな作品。

試し読みはこちら。〆

※この記事は2012/06/05に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「ラジオヘッズ」

ラジオヘッズ 1 (ヤングジャンプコミックス)(Amazon)

オススメコミック。「カジテツ王子」の向浦宏和著、週刊ヤングジャンプ連載終了、全2巻。

高等専門学校、略して高専。ロボコンなどでおなじみの、技術を専門に学ぶ5年制の特殊な学校形態のことである。小須高専ロボ部は自称「技術の変態」戸川澄次(20)を部長とする超個性派軍団。そのたぐいまれなる技術、ものづくりへの情熱を持って、今日も騒動を引き起こす!

好きな女性教師のコピーロボットを造り、音声機能を足し、武器を積みタンクに仕立て、校内の警備カメラをすべてハックし、自動索敵機能を搭載し、スマホで操縦して対象を無差別攻撃。そんなロボを造ってしまう連中の学園(?)コメディ。

そのほかゲルアクチュエーターによるパワードスーツや小便小僧ウォーターカッターなど、変テコなマシンが出てきます。高専という特殊な学校性も相まって、技術立国日本が生んでしまったよく分からん人間がたくさん登場します。しかし、彼らこそがこの国の技術を支えていくのだろうという、期待も抱かせてくれる不思議なお話。

あっさり2巻で終わってしまいますが、もうちょっと読んでみたかった作品。試し読みはこちら。〆

※この記事は2012/07/16に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「魔王様ちょっとそれとって!!」

魔王様ちょっとそれとって!! 1 (ヤングジャンプコミックス)(Amazon)

オススメコミック。「ディーふらぐ!」の春野友矢(はるのともや)著、週刊ヤングジャンプ増刊「ミラクルジャンプ」連載中。

勇者たち一行との戦いで「檻」と呼ばれる謎の世界に封印されてしまった魔王様。手違いで一緒に封印されてしまった勇者一行とは一時休戦、協力して元の世界に復帰しようとする。しかし戦闘能力を失い、普段身の回りの世話は従者にやらせていた魔王様は、このサバイバルな状況でまったく役に立たない足手まとい。今日も魔法使いにからかわれ、こきつかわれる毎日であった……。

見た目は少女、でも必殺の「レインボーダーク(ネス)」で街一つ吹き飛ばしたこともある(らしい)魔王様。「檻」からの脱出と言う命題がありながら、暇つぶしに魔法使い(元々は敵)と卓球やったり、パンツ見られたり、風呂覗かれたり、残念魔王様を取り巻く面々のコメディです。

魔王様が不憫可愛い。元ネタは「まおゆう魔王勇者」だと思われますが、あちらは魔王が知的なのに対し、こちらはアホで扱いもおざなりです……。がんばれ魔王様。あ、ちょっとそれとって!

試し読みはこちら

※この記事は2012/10/29に「Psychelia.com」に掲載したものです。