タグ別アーカイブ: 青春

「バレーの球語」



バレーの球語(1) (裏少年サンデーコミックス)

おすすめコミック。僕男(ぼくおとこ)著。裏サンデー連載中。個人的にかなりおすすめの作品になりそう。

25歳のフリーター冴島春男。高校時代は熱心にバレーに打ち込んでいたが、今はバイトとパチンコだけのしがない人生。そんな春男に転機が訪れる。友人から高校のバレー部のコーチを務めてくれないかと頼まれ、再びバレーに関われるならと快諾したのだった。しかし、彼が担当することになったのは、男子ではなく女子バレー部だった……。

青年と少女たちのスポコンバレー漫画です。主人公春男と、ヒロインたちの二つの視点から物語は進みます。

自分のミスで最後の大会に負けたことに、今もトラウマを持っている春男。大学ではこれといった目的を持てず中退、その後はなんとなくフリーターを続けているという、なんともパッとしない感じに。思い出すのはかつての自分とミスばかりでしたが、コーチを託されたことで奮起し、再びバレーボールに向き合うこととなります。しかし、男子かと思ったら扱いが難しそうな女子チーム。しかも、思ったより体が動かなくなっている自分に再度失望してしまいます。

そんな彼が出会ったのは、まさにこれからバレーを始めようかという初心者少女・七瀬零奈(ななせれな)。レシーブを教えてと頼む純真で夢見る彼女に勇気をもらい、いつか「どっかんスパイクを打たせてやる!」約束をします。それからは、がむしゃらに、ひたすら自分に向き合い始めます。何かをやるんだ、とにかくやるんだ、やらなきゃだめなんだ、という強い意志を取り戻し、戦う青年(オッサン)が熱く描かれています。

一方で、彼の教え子たちも曲者ぞろい。特に孤高の3年生コンビ美波楓(みなみかえで)と本宮蘭(もとみやらん)は、かつてとある事件で他の部員が去ってしまった後も、二人きりで強くなろうと努力してきた異端の猛者。熱血とか友情とか、少年漫画のような青春を謳歌する少女二人に、春男はどう向き合きあい、信頼を勝ち取ることができるのか。

コーチとして成功し、かつてのトラウマを払しょくすることができるのか、教え子たちはバレーを通して何を学んでいくのか。テーマも面白いし、キャラも可愛いし、色々と展開ができそうで、この先楽しみです。

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「川柳少女」



川柳少女(1) (講談社コミックス)

おすすめコミック。五十嵐正邦著、週刊少年マガジン連載中。4コマ漫画。

普段まったくしゃべらず、伝えたいことはすべて川柳で伝える少女・雪白七々子。顔は怖いし喧嘩は強いが、川柳好きな男子・毒島エイジ。日々のあれこれを川柳にのせて、まったり学園生活を満喫中。

五七五系女子ラブコメ、という新たなジャンルを切り開いた作品。川柳や俳句といえば、過去には「GO!GO!575」なるアニメ、ゲームがありましたが、本作はそもそもヒロインがしゃべらないという大胆な作り。

七々子は基本的にしゃべらず、意思伝達は川柳(筆談)で行います。周囲の人間は理解があり(?)、声を出さなくても許容となってます。しゃべらない分、ちょっとした仕草や表情が可愛く、好感が持てます。川柳も堅いものではなく、日常会話をそのまま句にしたような感じでグッド。

そんな七々子が気になる男性が、元不良のエイジ。偶然出会った二人ですが、ともに文芸部へ入部し、川柳を通じて交流を深めていきます。エイジの句は……なんというか、独特の味があります。ちょっと不器用だけれど、なかなか頼りになりそうな好感の持てる男。はたして七々子の想いは届くのか?

キャラが立っていて、話も面白く、川柳だからといって堅苦しくもなく、気張らずゆるーく読める良作です。

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「もぐささん」


もぐささん 1 (ヤングジャンプコミックス)

オススメコミック。大竹利朋著、となりのヤングジャンプ連載中。

小口虎雄は定食屋の息子。ある日の夜、彼は信じられない光景を見る。店に訪れたのは、クラスメイトの百草(もぐさ)みのり。いつもは物静かで地味な感じの女子。しかし、彼女が頼んだのは、男もためらう大ボリュームのバクダンからあげ定食ダブルだった。ちょっと引くような状況ではあったが、美味しそうに食べる彼女を見て、かわいいと感じてしまった小口君。それから少しずつ百草さんと交流を持つようになる。

見た目に反して、ものすごい食いしん坊な女の子の観察日記。授業中の偽装プレッツェル食いや隠し弁当等、もぐささんの奇行とも言える数々の食事行為に対して、突っ込みを入れる小口君。同時に彼は、そんな彼女を可愛いと思うようになります。

食べっぷりが可愛らしく表現されており、小口君でなくても惚れてしまう容姿の百草さん。百草さんの奇行はまだまだ底が見えない感じで、長く楽しめそうな作品。

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「放課後さいころ倶楽部」


放課後さいころ倶楽部 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

オススメコミック。「月の蛇 水滸伝異聞」の中道裕大著、ゲッサン(月刊少年サンデー)連載中。

引っ込み思案な女子高生・武笠美姫(たけかさみき)、ボードゲームという珍しい趣味を持つクラス委員長・大野翠(おおのみどり)、天真爛漫な転校生・高屋敷綾(たかやしきあや)。ふとしたことで仲良くなった3人は、さまざまなボードゲームを通して友情を深め、ボードゲームの奥深さを体感していくのだった。

世にも珍しい、ボードゲーム漫画です。舞台は京都ですが、登場するボードゲーム専門店は、東京高円寺の「すごろくや」がモデルになっています。一度行ったことがありますが、狭いテナントビルの中、老若男女問わず賑わっておりました。店内に試遊机があったり、ゲームの遊び方マニュアルがそこかしこにあり、雰囲気の良いお店です。

さて、登場するゲームは「マラケシュ」「ごきぶりポーカー」「ねことねずみの大レース」など、一般的にはあまり知られていないゲームばかり。しかし、作品を読み進めていくと、実際にやってみたくなるぐらい、魅力に溢れています。ドイツのものが多いそうですが、簡単なイラストで説明書も日本語つきということで、ハードルはそんなに高くはありません。一緒に遊んでくれる友人がいれば。

まあしかし、そんな人でもボードゲームの楽しさを伝えてくれるよい作品です。人がプレイしているのを見るのも楽しい。〆

「橙は、半透明に二度寝する」

橙は、半透明に二度寝する(1) (少年マガジンコミックス)

オススメコミック。「血潜り林檎と金魚鉢男」「バニラスパイダー」の阿部洋一著、別冊少年マガジン連載中。

船溜まりのある小さな街で起こる、摩訶不思議な話の短編集。

表紙の女の子は生首抱えていますが、これぐらい普通なので気になさらぬよう。イカ型のエイリアンが攻めてきたりする非日常的世界なので、常識なんて通用しません。こういうものだ、と割り切って読むのが作法。

電撃コミックジャパンが廃刊になり、連載していた「血潜り林檎と金魚鉢男」が残念なことになった(正確にはどうなったか分からない)筆者ですが、今度は短編集なのでいきなり終わっても大丈夫……。うーむ、もっと評価されて良い漫画家なのにいつも不遇。がんばれ。

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「中卒労働者から始める高校生活」

中卒労働者から始める高校生活(1) (ニチブンコミックス)

オススメコミック。佐々木ミノル著、コミックヘヴン連載中。

家庭の事情で高校に行けず、工場で働いている青年・片桐真実(かたぎりまこと)。ちょっとおバカな妹・真彩(まあや)には、高校を出てもらいたいと、必死の思いで働いていたが、真彩は高校受験に失敗してしまう。一方、ようやく管理者にまで出世した真実であったが、新たにやって来た大卒の青年にその地位を奪われてしまう。自分は中卒のままで良いのか? 悩んだ末に、真実は妹と共に通信制の高校に通う事にしたのだった。

中卒であるという自分のコンプレックスと戦う青年の話。仕事をしながら高校に通い、そこで出会う様々な人々との交流を深めていくうちに、ちっぽけな自分を見つめ直し成長していく。特に、ヒロインである金持ちの訳ありお嬢様・逢澤莉央(おうざわりお)との出会いは、彼の凝り固まった歪んだ人生観を大きく変えていきます。

まったく相いれない、水と油の二人。顔を合わせる度に何かと理由を付けて喧嘩をするが、互いのことが気になって仕様がないという、青春炸裂中の男女ですが、ある事件をきっかけにその関係性は大きく変わっていきます。はたして二人は互いを理解し、打ち解けることができるのか。

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「絢爛たるグランドセーヌ」


絢爛たるグランドセーヌ 1 (チャンピオンREDコミックス)

オススメコミック。「ドロテア~魔女の鉄鎚~」「籠女の邑」のCuvie(キューヴィー)著、チャンピオンRED連載中。

お隣のお姉さんに憧れて、バレリーナになることを決意した少女・有谷奏(ありやかなで)。体格、柔軟性、音感、秀でた所はない平凡な子であったが、優れた観察眼と学習能力、そしてバレエへの情熱で徐々に頭角を表していく。

バレエマンガと言えば曽田正人の「昴(すばる)」のイメージが強いのですが、あちらは奇人じみた超天才なのに対し、こちらは比較的平凡な普通の小学生の女の子、といった感じ。バレエは幼少のころから始め、ローザンヌなどのコンクールを経てプロになっていくのが常道。したがって、漫画でも幼少のころからの成長の過程を描かれるのが定番となっており、本作も今は「小学生編」と見るのが良いでしょう。憧れのお姉さん、厳しい先生、将来は強力なライバルになりそうな友人、登場人物は整ってます。成長していくのが楽しみ。

主人公・奏の秀でたところは、疑問を感じたら、まず自分で考え、識者に相談し、解決策を模索するところ。前述した通り、決して天才肌ではないけれど、努力と感性によって大成していくタイプの女の子。問題にぶち当たって悩み苦しみながらも、逆境を糧に羽ばたいていく様は見事。素直にがんばれと応援したくなる、正統派のスポーツもの主人公です。まだまだバレエが楽しくてしょうがない、といった風ですが、この先、様々な障害や苦悩を味わう事になるのでしょう。困難を撃ち破って強くなるヒロインの姿に注目です。

…余談ですが。平積みされていたのを筆者を調べず衝動買いし、読み終わった後、確認してみたら、なんと著者はCuvie先生ではありませんか! 成年コミックを中心に、いくつか著書があるのは知っていましたが、他作品がどうにも煮え切らない感じだったのに対し、本作ではガッツリ読める作品になっていてビックリです。

一体何が…と思って調べていたら、先生は元々バレエをやっておられたとのこと(というか女性だったのを初めて知った)。これはますます期待大。なお、特集ページはこちら、で、試し読みはこちら

「りきじょ」


りきじょ(1) (アクションコミックス(月刊アクション))

オススメコミック。歌麿著、月刊アクション連載中。

弓道のスポーツ推薦で高校に入学した 明石丸美。しかし、胸が大きくなりすぎて思うように弓が引けなくなり、退部を余儀なくされる。このままでは退学。後の無くなった丸美は、担任に勧められ「りきじょ」部の門をたたく。そこは力士な女子が集まる相撲部だった。戸惑う丸美であったが、持ち前の体格の良さと運動神経を買われ、りきじょ部で研さんを積むこととなった。

女子高生相撲部漫画です。必殺の”ぶちかまし”を強化して、個性的なライバルとの戦いへ臨む主人公の成長譚。表紙がデブい…もといぽっちゃりしてますが、実際の丸美はもう少しスタイルが良いです。もっとも、今後の物語上、体格が良くなっていくのかもしれませんが。

元(現?)成年コミックの作家とあって、エロい方向に持っていくのかと思いましたが、内容はいたって純粋な相撲スポコンです。相撲の基本なども説明されており、良く分からなかったけどそういう技だったんだ、と納得できる解説あり。

ぽっちゃり女子が支持されるか微妙ではあるので、長くは続かないかもしれませんが、非常に個性的な一冊。試し読みはこちら

「スクール人魚」

スクール人魚(1) (チャンピオンREDコミックス)

オススメコミック。「RAY-レイ-」「地球の放課後」の吉富昭仁著。チャンピオンRED連載終了、完結。

夜中、学校のプールでおまじないを唱えると「人魚」が現れる。そしてその「人魚」の肉を食べると恋がかなうと言うウワサがあった。春子と芳子の二人が、こんな荒唐無稽のウワサを信じたのは、実際に体験した女の子の手記を見つけたからだ。二人は「人魚」を捕えるための武器を持ち、夜の学校に忍び込んだのだが……。

凶器を振り回しながら人魚を追い回すというおどろおどろしい内容の作品ですが、狩猟の対象である人魚がスクール水着の少女たちなので、なんとなくエロチックな感じになってます。学校に出現する人魚なんだからスクール水着だろうというコンセプトだけでも面白い。

人魚を捕まえて食べて恋愛成就、を基本エピソードとし、シチュエーションの異なる複数のコンビが挑みます。しかし、人魚は校舎内を縦横無尽に泳ぎまくり、簡単には捕まりません。そこで明かされる手記には書かれていなかった内容、もし人魚を捕まえることができず朝を迎えてしまったら……。

全2巻と短い内容ですが、中身が濃く、きれいにまとまっており、それでいて少しエロス。少し変わった作品を読みたい人には推奨です。〆

「春の包帯少女」


春の包帯少女1 (メテオCOMICS)

オススメコミック。佐藤ミト著、Webコミックサイト「COMICメテオ」連載中。

夜桜ハル(♂)と星見ナツ(♀)は周囲もうらやむお似合いの恋人同士。今日も仲良く一緒に登下校、クラスの仲間にからかわれながらも、二人はいちゃいちゃ楽しい学園生活を謳歌していた。そんな折、街に放火事件が頻発しだす。犯人は見つからず、住民たちは不安に怯えていた。ある朝、ハルの机に”お前が放火の犯人だ”と落書きがしてあった。落書きをみて、血相を変えて飛び出したハルを追うナツだったが、そこで見たのは、燃え盛るハルの右手だった……。

1巻を読んだ時点で、設定がよく分からなかったので、評価を保留にしていましたが、2巻を読んで大腿概要がつかめてきたのでオススメにしてみました。

ハルの右手には特殊な力があり、それは何らかの条件により燃えだしてしまう、燃やしてしまう、というもの。その効果の範囲は定かではなく、もしかしたら放火の犯人が自分ではないか、と不安に怯えます。ナツにも内緒にしていましたが、その秘密が露見し、あまつさえ彼女を火災に巻き込んでしまいます。結果的に、ハルは愛するナツを火傷で包帯ぐるぐる巻き状態にしてしまいます。ここで普通なら二人の間に溝ができてしまいそうなものですが、優しいナツはハルを受け入れ、元のように仲の良い恋人同士として生活を再開する……のですが。というお話ですね、2巻を含めてまとめると。

作品の見どころは、ハルの持つ能力の謎、放火魔は本当に彼なのか。恋人の特殊な能力を知り、なお愛を貫こうとするナツ、彼女もまた、不可思議な力を持っていることが判明します。この二人を放火に関連しているのではないかと疑う転校生・満月秋は、肥大化した正義感の持ち主で、悪は決して許しません。主人公たちを追い詰める彼女から逃れることができるのか。さまざまな謎とスリルを含みながら物語は進行していきます。

途中から、ヒロイン・ナツがずーっと包帯巻きなので、包帯萌え(?)にはたまらない作品……だと思います。個人的には、ナツが物わかりの良い優しい娘すぎて気持ち悪いです。某巨乳の何でも知ってる猫娘委員長を連想してしまいました。信頼されまくってるハルのストレスたるや、もう……。ただ、この娘がストレスを抱え、本格的にブッ壊れ始めたら、この作品は名作になると思います。早く発狂しないかな♪

試し読みはこちら。〆

「総合タワーリシチ」

 
総合タワーリシチ (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)


オススメコミック。あらた伊里著、まんがタイムKRコミックス「つぼみ」連載終了、完結。

都立今川高校総合学科、新入生代表・霧上神奈(きりがみかんな)は、勉強、スポーツ、美術、音楽に至るまで、なんでも1位じゃなければ気が済まない、究極の負けず嫌い。人の上に立つことにエクスタシーを感じる神奈であったが、高校に入り、自分が井の中の蛙であったことを知る。クラスの中でも最もアホそうな4人組・ちゃらんぽらんズに、勉強以外の科目で敗れ、唯一残された勉強でも、普段はボーっとしている不思議少女・羽座岡悠(はざおかゆう)に敗れ自信を喪失する。しかし、100点満点の答案を受け取った悠の意外な行動にブチ切れた神奈は、その場で悠をはり倒し……。

まずタイトルの「タワーリシチ」ですが、これはリシチというタワーがあるわけではなく、ロシア語で「同志」という意味です。「総合」は秀才が集う総合学科から来ているものと思われます。ググってみるまで分かりませんでした……。なお、1巻の表紙が悠、3巻(最終巻)の表紙が神奈です。

本編の内容は、主人公の神奈と悠の友情物語を中心とした、女子高生の青春&コメディです。何でも一番、努力が大事と思っていた神奈を、悠を初めとした友人たちの存在が(強制的に)変えていきます。普段は遊んでいる連中が、それぞれの得意ジャンルになると圧倒的な力を発揮し太刀打ちできない現状に、神奈は悲観すると同時に、彼女らの才能を認めるようになります。

特に努力の天才・悠に対しての想いは複雑で、彼女のエキセントリックな行動に振り回されながらも、自分にないものを持つ彼女に次第に惹かれていきます。また、悠も何かと自分をフォローしてくれる神奈に友情を抱くようになっていきます。

ちゃらんぽらんズの面々も曲者揃いで、中でも個人的に好きなのは、美術の天才・日下部ちはや、通称”バベルの塔”。美術で使う道具、製作物などかさばる物が多いのに、捨てられない+片付けられない+めんどくさがりのために、彼女の机の周りはモノであふれるゴミ御殿と化しているのでした。友人たちに何とかしろと言われ、彼女が取った行動とは……。

ほか、キャラクターが個性的で、ストーリーもちょっとだけシリアスを出してみたりで、軽そうな見た目に反して意外と読ませる良作です。アニメ「夏色キセキ」あたりが好きな人には特にオススメです。〆

 

「放課後!ダンジョン高校」

放課後!ダンジョン高校 1 (リュウコミックス)(Amazon)

オススメコミック。「ライコネンの熱帯魚」の山西正則著、月刊COMICリュウ連載中。

浜が近くてレジャー三昧、美少女が水着で授業を受けるという噂につられ、孤島の学校・弾正高校に入学した宇佐美くん。 だがしかし、そこは未知の巨大生物が多数出没する危険な島。さらには、高校内に謎の遺跡が存在し、日夜、トレジャーハンターと言う名の生徒達が一攫千金を目指して発掘作業をしているのであった。 一度は島を出ようと決意した宇佐美くんであったが、とある事件で知り合った少女・三笠シオに魅かれ、島に残ってダンジョンに挑むことになる。

巨大なアライグマやダンゴムシ、宇宙人のようなミュータントが出没する危険な島で、謎の遺跡(高校の中庭)の発掘に挑む少年少女の話です。 宇佐美くんは、最初はいやいやながらも、郷に入れば郷に従えとばかりに、宝探しに乗り出すことに。 学園のアイドル・朝生田(あそだ)先輩には、貧弱メガネとののしられながらも、めげずにがんばります。

義足のヒロイン・三笠シオは、普段は物静かな少女ですが、巨獣との戦いとなれば、類まれなる身体能力と義足の一撃で大活躍。自分に優しくしてくれる宇佐美くんを助けるため、一緒に宝探しをしてくれます。 ハンディキャップを持つのに、戦えば一番強いというギャップとかわいらしい方言が素敵。

何かと謎の多い島と学校。遺跡の発掘が成功し、この異常事態の謎を解くことができるのかどうか、宇佐美くんとシオちゃんの恋の行方にも注目。 試し読みはこちら

「しこたま」

       

しこたま 1 (少年チャンピオン・コミックス) (Amazon)

オススメコミック。ニシカワ醇著、別冊少年チャンピオン連載中。

子供のころからの夢”甲子園出場”を目指し、超強豪校・国際天上学園に入学した少女・剛力たま。父との猛特訓で身に付けた「ノーザンクロス投法」より繰り出される速球で、エースとして大活躍する……はずだったが、女子と言うことで入部できず。たまは新しいチームを作り、試合で勝った方が公式な野球部となる賭けに出る。

一方、相撲部では、角界入りが目標と言う少女・大関しこが、圧倒的な強さで道場破りを達成していた。しかし彼女もまた、相撲は女人禁制、しかも上半身裸で取り組むなど破廉恥過ぎるという理由で入部を拒まれてしまう。道場破りの一部始終を見ていたたまは、しこの資質を見抜き、彼女こそ新チームのキャッチャーにふさわしいと勧誘をするが……。

大筋では、よくあるスポ根漫画(女子でも男子に勝てるぞ系)なのに、主人公たちの設定が異色なために、真剣にやればやるほどエロとコメディ色が強くなる変な作品。

例えばピッチャー”たま”は、筋力アップのためのウェイトを、ウエスト、アーム、二―ソックス、さらにブラパッド(50kg×2)、ブルマ(100kg)に仕込むという徹底ぶり。その全てを外した時に真の力が出せます。また、何故かスカートをはいたまま投球することが多く、投げる度にパンチラ…というかパンモロです。

キャッチャー”しこ”は、幼少より力士になるべく育てられたため、マワシ一丁でも羞恥心がありません。(一応少年誌なので)長い髪で乳首を隠し、半裸でバッターボックスに立ちます。野球はど素人ですが、相撲で鍛えられた強靭な下半身と、規格外のパワーで活躍。その他、何かやるたびに大抵は胸圧で制服が吹き飛びます。

一見するとエロコメのようですが、当人達が真剣で、まったく照れる様子がないために、だんだん露出が気にならなくなります。マワシ一丁でバッターボックスに立っていても違和感がない。いや、だいぶあるけど、まあいいか、みたいな。

とりあえず、”しこ”と”たま”がいれば、どんな展開になろうとこの作品は成立します。野球じゃなくてもいいくらいなので、名作「わたるがぴゅん」のようなトンデモ野球、無茶苦茶展開を期待しています。〆

「実は私は」

実は私は 1 (少年チャンピオン・コミックス)(Amazon)

オススメコミック。増田英二著、週刊少年チャンピオン連載中。

考えていることがすぐ顔に出てしまう高校生・黒峰朝陽(あさひ)。嘘のつけない男、隠しごとのできない男として、ついたあだ名が”穴の開いたざる”通称”アナザル”。そんな彼は、クラスの同級生・白神葉子が好きだったが、なかなか告白できずにいた。白神は容姿端麗で口数が少なく、人付き合いも少ないミステリアスな女。友人に励まされ、意を決して告白に向かった朝陽であったが、放課後の教室で見たものは、牙を出し大きな羽を広げて伸びをする白神の姿だった……。

実は私は吸血鬼。秘密がばれてしまったら、学校を辞めなくてはならないけれど、黒峰君が秘密を守れるなら問題ない。しかし、アナザル朝陽が秘密を守り通すことができるのか? 彼らをつけ回すゴシップ好きの新聞部がいたり、白神以上にミステリアスな学級委員長がいたりのドキドキハラハラ系ラブコメ。

普段は無口で気難しい感じの白神ですが、気を許した朝陽の前では、関西弁でフランクな話し方をする女の子。朝陽に負けず劣らず考えていることが顔に出るわ、決して知られてはいけない秘密をあっさり見つかるわで結構ドジで可愛い。

設定はベタながらも、魅力的な登場人物と、展開の良さで読ませます。あと、朝陽は友人に恵まれていてうらやましい。いい奴ばかりです。試し読みはこちら。〆

「サクラサク症候群」

サクラサク症候群(1)(Amazon)

オススメコミック。保志レンジ著、月刊ライバル連載中。

中学三年生、受験を控えた秀才少年・蛇ノ目若竹は、幼なじみの暴力少女・宮下影虎に勉強を教えてくれと突然頼まれる。影虎とは、中学に入ってからまったく交流がなく、突然の申し出に戸惑う若竹だったが、理由を聞くと”好きな人と同じ高校に行きたいから”という、何ともくだらない理由だった。かつて淡い思いを抱いていた影虎のために、勉強を教えることになった若竹だったが……。

影虎の好きな人は、年上の天才ボクサー。横恋慕と分かっていても、影虎への想いに葛藤しながら受験勉強を手伝う若竹。そんな青春のお話……なのですが、影虎が超好戦的な暴力少女で、学校の内外で問題を起こしまくり、しかもとある理由で学校をさぼっていたため、学力はまるでない、という問題児。憧れの先輩は難関校の生徒とあって、絶望的なチャレンジをすることとなります。

美しい右ストレート、強力な後ろ回し蹴りを放つ怖ろしい影虎ですが、正しいと思ったことには決して意見を曲げず、時には無邪気な笑顔を見せる素敵な少女です。一方の若竹は、自分ががんばらなければ、という強い使命感を持っていますが、それゆえに凡庸な周りと馴染めない、という問題を抱えています。二人の挑戦はお互いにどんな影響を与えあうか、今後の展開に期待できます。

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「カオス・ウィザードと悪魔のしもべ」

カオス・ウィザードと悪魔のしもべ(1) (講談社コミックス) (Amazon)

オススメコミック。山本アリフレッド著、別冊少年マガジン連載中。

魔法学校の進級試験の日、落ちこぼれ魔法使いの神無・T・エルクーロスは留年の危機であった。彼女の魔法の最大の難点は、魔法を使うと必ず「ヘンなモノ」を召喚してしまうこと。フローライトの魔法を使うと、全身が光り輝くスキンヘッドの半裸の男が出現するなど、結果オーライとなるものの、普通の魔法が使えない。はたして神無が一人前の魔法使いになることができるのか。

ドジっ子魔女のコメディ……なのですが、魔法で出現するヘンなモノたちが想像の斜め上を行く連中で、萌えジャンル(だったはず)の枠をはみ出してます。ヘンなおっさん率高すぎ。その分のお色気成分を使い魔のエルヴィナが補充するという、絶妙なバランスで成り立っている作品です。

はやりの絵柄でもエロコメでもありませんが、ついつい読んでしまう佳作。なお、これが「進撃の巨人」と同じ掲載誌であることに驚愕した。懐が深いというか何と言うか。試し読みはこちら

「ミミック」

ミミック (マジキューコミックス)(Amazon)

オススメコミック。山田いぶき著、「amaro」および「マジキューコミックスWeb」連載終了。

クラスで噂の深窓の令嬢・姫小松にしき。入学式に毛皮のコートで現れ話題をさらうと、自家用クルーザーを持っているとか、使用するものはすべてお抱え職人の特注品だとか、さまざまな噂が飛び交うも、真相は謎。ある日、たまたま帰りが一緒になったクラスメイト・万(よろず)星彦が、彼女の後をつけていくと、そこには猪と戦う姫小松の姿があった……。

もう、表紙のまんまです。見た目は可憐な女の子ですが、学校帰りに巨大な猪をボウガンで仕留め、その肉を担いで洞窟(家)へ持って帰り調理。「山賊ダイアリー」にも通ずるところがある、獣狩り漫画です。その他、野草の調理などサバイバリティあふれる一冊。

ヒロインの可愛さと戦闘力(サバイバル力)のギャップ萌えが魅力。偽装バイオリンケースの中にFN
P90
ボウガンとナイフ(銃刀法違反)を仕込むセンスが素晴らしい。お嬢様ではないですが、山生活で世間ずれしているために、一般生徒との会話にさまざまな齟齬が生まれて笑いになっています。調理実習のための鳥肉をかってくるエピソードでは、その世間ずれが最高潮に達します。アホだ。

惜しむらくは、1巻完結のために、キャラクターの掘り下げが追いつかなかったこと。結局何でサバイバル生活をしているのか不明。描ききるためには連載期間がちょっと短かったか。連載誌に恵まれなかったこともあり、もう少し安定した雑誌だったらと悔やまれる。できれば、このまま続きを描いて欲しいところです。試し読みはこちら

「思春期のアイアンメイデン」

思春期のアイアンメイデン(1) (ヤングガンガンコミックスSUPER)(Amazon)

オススメコミック。「この彼女はフィクションです。」の渡辺静(わたなべしずむ)著、ヤングガンガン連載中。

真山春来(まやまはるき)と姫宮月子(ひめみやつきこ)、共に中学二年生。幼なじみの二人だったが、小学生の時、女子が特別な授業を受けた日から、互いの性別を意識して疎遠になっていく。だんだん大人になっていく月子に対し、変わらずガキのままの春来は、嫉妬すると同時に疑念を抱いていた。どうやら月子が変わった原因は、女子だけに訪れる「あの日」のせいだという。「あの日」とはいったい……。

そして衝撃の真実を目撃してしまう春来であった、という話ですが。衝撃過ぎて一瞬思考が追いつきません。まさか、そんなことになっているとは。わかんねーよ、絶対。今どきの女子は凄いのです。

以後は秘密を共有する二人と、周囲の人間を巻き込んでのドタバタコメディとなります。ファンタジックかつミステリアスな要素を含んでおり、続きが気になる作品。期待してます。

試し読みはこちら。〆

※この記事は2013/05/18に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「さよならフットボール」

さよならフットボール(1) (KCデラックス)(Amazon)

超オススメコミック。「冷たい校舎の時は止まる」の新川直司著、マガジンイーノ連載終了、2巻完結。漫画好きなら絶対に読んでおくべき名作。

中学二年生のサッカー部員、恩田希(おんだのぞみ)は華麗なテクニックを持つスーパープレイヤー。女子サッカー部がないために男子サッカー部に所属し、男子にも負けないほどの実力だったが、フィジカルが違い過ぎて試合には出してもらえなかった。彼女にはどうしても新人戦にでなければならない理由があり奔走するが……。

女子が男子のスポーツで負けじと頂点を目指すという作品は数多ありますが(「ノノノノ」とか)、基本的にはファンタジックな内容が多く、つまりは現実的ではないのが本当のところ。一方で本作はフィジカルの差を前提にしつつも、これぐらいならやれるかもしれない、という夢を抱かせてくれます。

中学二年生という年齢が絶妙で、本編でもヒロインのジレンマとして登場しますが、小学生までは自分の方が背が高かったのに、成長期を迎えた男子達に次々と追い越されていく年頃。互角に渡り合えた子供たちに、性別の違いと言うだけで太刀打ちできなくなっていく。「私にはたぶん時間がないんだよ」の台詞通り、最後の戦いが新人戦という崖っぷちヒロインの戦いの物語。

恩田希が新人戦に固執する理由とは? 果たして試合に出ることができるのか? 勝敗の行方は? 2巻完結とシンプルなショートストーリーですが、長すぎず短すぎず丁度よいぐらい。サッカーの描写も台詞回しも上々。青春漫画としては抜きんでている、是非とも読んでもらいたい。〆

※この記事は2011/05/15に「Psychelia.com」に掲載したものです。

「いなり、こんこん、恋いろは。」

いなり、こんこん、恋いろは。 (1) (角川コミックス・エース 326-1)(Amazon)

オススメコミック。よしだもろへ著、ヤングエース連載中。

京都に暮らすごく普通の中学生・伏見いなりは、大好きな丹波橋くんに告白できずにいた。ある日の通学中、いなりは神社の河原で怪我をした子犬を見つけ介抱してあげる。助けた子犬は実は神の使いの子狐で、主人であるお稲荷様こと宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)は、助けてくれたお礼に一つだけ願いをかなえてあげると言う。いなりが望んだ願いとは……。

変身。ヒロインいなりと憧れの丹波橋君を中心に繰り広げられるラブコメです。変身することでトラブルが起きたり解決したりが基本。いなりの物語も良いですが、いなりに能力を授けた宇迦之御魂神(通称うか様)のサブストーリーも秀逸(ちなみに2巻の表紙の神です)。

能力を授けてしまい、お稲荷様としての神通力が欠けてしまったうか様。何故かいなりの兄に敵視され、逆に自分の兄には偏愛を受け、男性不信の結果たどりついた趣味が乙女ゲーの腐女子です。ヒロイン以上のキャラ立ちっぷりが素敵。

変身モノという王道の割に個性的だし、テンポよく、お話も面白いのでオススメです。〆

※この記事は2011/06/05に「Psychelia.com」に掲載したものです。