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「ブランクアーカイヴズ」



ブランクアーカイヴズ(1) (アフタヌーンKC)

おすすめコミック。交田稜著、good!アフタヌーン連載中。

認知拡張症候群。その病気の患者は、対象の脳にアクセスし、幻覚を見せたり思考を読んだりできる。この病気についての相談所「社会福祉法人アーカイヴス」に、一人の少女が訪れる。らいかと名乗るその少女は、自分が誰にも視認できなくなってしまう症状が発症していた。アーカイヴスの調査員であり、人の心を読める症状を持つ吉野ひばりは、らいかを助けることを約束するが……。

「症状」によって、特殊な力を実現する「認知拡張症候群(ACS)」。人によって症状が異なり、本人も気づいてないこともあるという。その病気を発症した患者の調査、支援を行うのが主人公らのお仕事。

心を読んだり、透明になったり、危機感値ができたり、一般的には「特殊能力」と呼びたいところですが、作中では「症状」である、とされ、あくまで症状に悩む病気の患者を救うという形になっています。

相手の脳に信号を送って幻覚を見せる点など、カオスヘッドのギガロマニアックスやカオスチャイルド症候群を彷彿させますが、非常に限定的な能力で万能ではないこと、当人たちが認識できていないこともあり、ちょっとだけ異なります。

他人に視認されなくなってしまったヒロイン・らいかですが、悲観的になりすぎることはなく、その能力をいかんなく発揮した活躍(主に金属バットによるステルス襲撃)を見せます。鏡や、スマホのカメラなどの電子機器を介さなければ発見できず(そのため扉絵がガラス越しなのかと)、粗暴気味な性格も相まって、ほとんど無敵のアサシン状態。

一方、クールで理知的なひばりは、諸般の事情で子供嫌い。人の心を読めますが、触られると情報過多でショートしてしまうという弱点を持ち、らいかを使いこなすのに一苦労。数々の症状を持つ患者に対し、このでこぼこコンビで解決を目指すバディものとなっています。

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「マテリアルポルカ」


マテリアルポルカ(1) (アフタヌーンKC)

オススメコミック。古林奈留著、good!アフタヌーン連載中。

乙女の園、ラ・ヴィエルジュ女学院中等部に入学した勅使ヶ原(てしがわら)アリス。親友の森塚るかとともに、念願かなって入学した学院であったが、晴れの入学式のとき、校則違反の生徒が顔面を銃で吹き飛ばされて死亡する。校則は絶対、守れないものは即死刑。学院は生徒会長・武藤沙羅が恐怖で支配する乙女の城であった。恐怖と混乱の中、アリスは学院に伝わる五つの至宝の一つ「いばら姫(チェーンソー)」を手に入れる。その力で生徒会長を倒し、学院の平和を取り戻すことができるのか……。

頭吹き飛ばされれば大出血で地獄絵図…になるのが普通ですが、本作では、血が吹き出る代わりに、コンペイトウやクッキーなどの可愛らしいお菓子類が可憐に舞い散ります。おかげで血なまぐさくなく、ファンシーささえただよう不思議な作品となっております。

こんな学院、教師や父兄が放っておかないだろう、とは思いますが、作品中に大人は一切出てきませんので、(不自然ですが)話が成立しています。この辺の矛盾に目をつむりながら読まなければいけないので、生真面目な人には向かないかも。同時にそれが魅力でもある。そういうもんなんだ、ということにしましょう。

ヒロイン・アリスは普段は弱々しい、頼りなさげな女の子ですが、武器である「いばら姫」を手にすると一変、強くて美しい戦士に変身(?)します。二面性を持つ少女ですが、さらに少々の異常性も持ち合わせていて、共感をしづらい、変な主人公になってます。この子が一体何者なのか、何を成し遂げるのかが今後のストーリーの軸になりそう。

個人的には、アリスの友達の猿渡つづりさんにがんばってもらいたい。アリスが王子様ならつづりはお姫様ポジション。作者が意識しているかはともかく、か弱いつづりこそが真のヒロインであり、彼女を守るためにアリスが戦うのです。そのためには、どんどん酷い目にあってもらいたい。がんばれ、つづり。

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「ウィッチクラフトワークス」

ウィッチクラフトワークス(1) (アフタヌーンKC)(Amazon)

オススメコミック。水薙竜著、Goodアフタヌーン連載中。

普通の男子高校生・多華宮灰(たかみやほのか)と、クラスメイトで学園のアイドル火々里綾火(かがりあやか)。何の共通点もない二人だったが、ある日突然、多華宮が謎の巨大うさぎ軍団に襲われたところを、魔女の格好をした火々里に助けられる。実は火々里は街の平和を守る”工房の魔女”と呼ばれる者で、多華宮を守ることが使命だという……。

学園モノの割にはスケールがでかい魔法バトルと、繊細なデザインの魔女服、ライバルを圧倒的なパワーでのしていく火々里さんが魅力の作品。作中の台詞にもありますが、まさに”マリオのスター状態”。とにかく強い。クールで無口で無敵。

その無敵の秘密と、なぜ凡庸な人間である多華宮を護っているのか、がお話のテーマになっています。まあ、3巻になるとほとんど話が見えてくるのですが。個性的だけど弱いライバルたちや、2巻以降に登場する妹でブラコンの多華宮霞の編愛ぶりも素晴らしい。使う魔法もハチャメチャで○。

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※この記事は2012/03/12に「Psychelia.com」に掲載したものです。