「エンディングまで泣くんじゃない」1989年7月27日、ファミリーコンピューター専用ソフトとして、記念すべき第一作「MOTHER」が発売されました。著名なコピーライターである糸井重里(いといしげさと)氏がゲームデザインを担当したゲームとして話題になり、RPG氾濫期の中、飛びぬけた評価を得てスマッシュヒットを飛ばしました。当時(現在もですが)、ファンタジーが主流であるロールプレイングゲームにあって、本作は現代社会をフィールドとし、等身大の少年を主人公とする珍しい設定でした。出てくる敵キャラクターもどこか憎めない、愛らしいキャラクターが多く、とげとげしさのない、万人に受けるゲームであったと言えるでしょう。ラスボス撃破のアノ方法も話題になりました。 「大人も子供もお姉さんも」1994年8月27日、シリーズ第二弾「MOTHER2」がスーパーファミコン専用ソフトとして発売されました。現在(2003/06/23時点)では「NINTENDO POWER」にて書き換えしてもらうことで入手できます。ファミコン版の独自性を強化し、高スペックを生かしたグラフィックや音楽など、品質を売る任天堂らしさが出た作品となりました。要所要所で糸井氏による詩文が入ったり、不思議な言葉を話す「どせいさん」が登場するのも本作です。CMでは木村拓也が起用されてましたね。 MOTHERというゲームは広い層から支持されているゲームであり、ファイナルファンタジーが大衆化・ハリウッド化してゲームとしての魅力を失っていくなかで、その独自性とオリジナリティーは、発売から10年近くたった今でも魅力あふれるものです。色あせることのない不朽の名作といっても過言ではないでしょう。また、その言葉回しや雰囲気を誰もまねることができないという、恐るべきポテンシャルを持っていることも付け加えておきます。 近年、NINETEDO64にて続編が出るとアナウンスされ、画面写真も公開されたのにもかかわらず、諸事情により撤回。ファンをへこませましたが、めでたく製作再開されるはこびとなりました。MOTHER1+2をプレイして、続編に備えること必然! 今回の攻略の指針として、現在攻略中もしくは完了したゲームほど細部にこだわらないことにしました。復刻版ということで、攻略そのものよりも、筆者の思い入れ炸裂のトピックス重視でサイト作成していきたいと思います。さらに、ゲームの雰囲気にあわせるため、他コンテンツより独立したページにしてあります。急がずのんびり時間をかけますが、どうぞお付き合いください。
間違いなく本作のキーマンとなっているのがこの人、糸井重里氏です。「くう、ねる、あそぶ(日産自動車)」「おいしい生活(西武百貨店)」や、宮崎アニメのキャッチ「生きろ。(もののけ姫)」「トンネルの向こうは、不思議の街でした。(千と千尋の神隠し)」など、有名なキャッチコピーは数知れず。稼業のかたわら、徳川埋蔵金なる怪しげなキーワードにはまってしまったらしく、ギミアブレイクという一時代を築いたTV番組中で、埋蔵金発掘が人気コーナー化、毎週水戸(だっけ?)の山中を掘って掘って掘りまくっていたスカポンタン。いい意味でのスカポンタン。もちろん毎週見てました。案の定スカでした。 彼はコピーライターとしての才能もさることながら、MOTHERのようなゲーム媒体(「糸井重里のバス釣りNo.1」なんてのもあった)、タレント業、ホームページなど、新しいことにどんどんチャレンジしていく人でもあります。とくにホームページの即時性・発信力などにいち早く目をつけ、氏のサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」では、本当にほぼ日刊で更新し続けるという荒業を見せてくれます。 そんな彼がMOTHERで炸裂させる言葉のマジックはすばらしい。ゲーム中で一番核となる「会話」が、彼による詩であり歌であり、韻を踏んだ味のある言葉の連続であり、非常に読ませ上手。しかも心にじんときます。これなくしてMOTHERなく、これがあるからこそMOTHER。 |